わさびのせ

 回転寿司チェーンで迷惑行為をはたらく動画が相次いでSNSで拡散されています。皿に乗っている寿司を、寿司だけ箸でつかんで食べる、回っている寿司にわさびを乗せる、そうしたことを嫌ってなのか、くら寿司ではお皿にカバーが被せてありますが、一度とった寿司をレーンに戻してカバーを被せるなんていうことをする動画もあるようです。

 こんなことされてしまうと、回転ずし自体に行きたくなくなるような方も出てくると思います。お店に対する嫌がらせというよりも、一つの業態に対する嫌がらせで、今まで成り立っていたお客様との関係に大きな溝をつくることになるでしょう。

 そうしたことが報道された中で、さらには醤油差しを舐める、回っている寿司に唾をつけるなんていう動画まで拡散されました。醤油差しの件については、もう外食産業全体の問題ですね。外食をされる誰もが、テーブルに調味料などが置かれているのを見たことがあるでしょう。コロナ禍で、そうしたところまで一つ一つ交換されるような手間を掛けるお店もありましたが、そうした負担が軽減されてきたところに、こんな行為をされてしまったら、「外食したくない」なんて言う方も出てくるかもしれません。

 「わさびのせ」については、被害に遭ったはま寿司に対して、動画にかかわった人物から「謝罪したい」旨の連絡があったそうです。しかしながら、はま寿司を運営するゼンショーホールディングスは「警察にすでに被害を相談し、被害届を提出する予定」とのことです。また新聞の取材に対し「悪意を持って行われた行為に対しては引き続き厳正な姿勢で臨むとともに、今後も安全でおいしいお寿司を多くのお客様へご提供できるように努めてまいります。」とコメントしています。これはゼンショーホールディングス、グッジョブですね。徹底的にやってほしいものです。

 若気の至りのいたずらと言ってしまえば柔らかいものですが、お店や業界からすればこんなふざけた行為を許せるはずがありません。偽計業務妨害、器物損壊、また提供されるお客様に対する傷害、この行為によって客足が伸びなければ損害賠償なんて言う話になってもおかしくないでしょう。私はスシローなどにお邪魔することがありますが、こんな行為をはたらいたような輩と同年代とみられる若い年代の方や、外国からいらっしゃっている方が一生懸命働いています。そうした方々の働きをせせら笑うような行為は、本人のためにも断固厳正に対応すべきだと思います。

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