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縁(えにし)

私の仕事の一つに、選手のスカウト業務(現在は、男子高校生のスカウトがメイン業務)がありますが、この仕事の奥深さ、縁の大切さを、ひしひしと感じています。

以前は、実業団女子チームの監督として、女子選手のスカウト業務にあたっていました。実業団の場合は、主に、高校生大学生スカウト対象になるわけですが、高校時代にお声がけした選手が進学した場合、4年間、動向を追い続けることになります。

下記の写真は、今から17年前の長崎インターハイ女子800m決勝のゴールシーンですが、当時、私のリストには、442番岸川朱里選手【当時・神奈川県立新栄高校】が入っていて、動向を追い続けていました。
※因みに黄色の枠にいるのが自分です 笑

Inked岸川朱里③_LI

前年のインターハイは3位で、この年は優勝候補にも挙げられていた岸川選手ですが、早い段階から進学するという情報をキャッチしていました。
そういった状況もあってか、実業団チームのほとんどが、優勝した鈴木選手の獲得に動き、大争奪戦になったわけですが、実際に岸川選手のレースを見た私は、「この子は、必ず、将来、日本を代表する選手になる。4年間追い続けよう」と考えました。

日体大に進学した岸川選手は、大学一年生から、日本選手権4位入賞、世界ジュニア選手権の日本代表に選ばれるなど、順調に成長。大学二年生の日本選手権では、当時、指導していた選手との直接対決もありました。

当時のスカウトメモを見ると、「やはりモノが違う。800mのスピードを生かして、1500mの日本記録更新、世界大会は、5000mで狙わせよう!」なんて書いてありましたね(笑)この時点では、私個人の勝手な妄想ですが・・・

その後、私が、実業団チームを退社することになってしまい、獲得は難しい状況になっていきましたが、再度、実業団チーム監督就任のオファーがあった際、真っ先に獲得に動いたのが岸川選手でした。

監督のオファーがあったのが、8月で、本来ですと、大学生の進学は、ほぼ決まっている時期でしたが、親交のある順天堂大学の鯉川なつえ先生が、「岸川の進路が決まっていない、チャンスがあるかも」と教えて下さり、日体大の石井先生にお電話をしたのを、今でも鮮明に覚えています。

浪人当時も、岸川選手の動向は、ずっと気にかけていました。どう考えても、入社して頂くチームがなく、監督でもないわけですから、縁はないと思うのが普通ですが、本当に巡りあわせというか、神様っているんだなと思いましたね。

その後、選手と指導者として9年

引退レースとなった2012年日本選手権

岸川選手

コーチとGM(ゼネラルマネージャー)として1年~

不思議な縁は続いています。

先行きの見えないこんな時代だからこそ、人と人との繋がりや縁を大切にしていきたいですね。

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