アイキャッチ_年金

財政検証は自分で見て判断を

間もなく5年に1度の公的年金の財政検証の結果が公表されます。

しかし、下の記事のような、公的年金のメカニズムを正しく理解していないメディアの報道には気を付けた方が良いでしょう。

どこが正しく理解していないって? 記事の以下の部分です。

年金の給付額は主に現役世代の賃金と連動する。経済状況によっては給付水準が大きく下がりかねない。

現制度を前提とすれば、年金の給付水準を表す所得代替率が低下することは避けられませんが、それは少子高齢化に対応するための「マクロ経済スライド」という給付水準を調整する仕組みのためです。

上の記事の文章が示唆するような、賃金の変動によって所得代替率が大きく影響を受けることは基本的にありません。なぜなら、所得代替率は、年金額を現役世代の平均収入で除したものだからです。記事では前後の文章で矛盾していることを言っていることが分るでしょうか。

少し細かいことを言えば、賃金や物価の上昇が十分でないデフレ経済下では、マクロ経済スライドが十分に機能せずに、そのツケが将来世代の給付水準に回されてしまうことはありますけどね。そのために、デフレ下でもマクロ経済スライドを着実に適用する、マクロ経済スライドのフル適用がオプション試算として前回の財政検証では示されています。

今回の財政検証でも、いくつかのオプション試算が示されると思いますが、オプション試算こそが年金制度改革の方向性を示す財政検証の肝であることを理解して下さい。オプション試算抜きの給付水準の高低を議論することにはあまり意味がありません。

私は、財政検証の結果と意義に関する情報を、歪曲することなく、できるだけ分かりやすく発信していきたいと思いますが、皆さんにも、厚労省が公表する報告書をナマで直接見て欲しいと思います。

ついこの間の2000万円問題の発端となった金融庁の報告書の内容がどの様に報道されたか、思い出してください。財政検証の報告書は、量も多く内容も難しいかもしれませんが、是非、自分自身の目で見て評価をして下さい。

#COMEMO #NIKKEI



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