VIXショックに思うこと

今日の朝刊にもVIXインバースの記事が出ていました。

金融商品に強いFPと自負していましたが、このような問題のある金融商品について事前に警鐘を鳴らすことができなかったことについては、非常に後悔を感じています。

さて、今回の「VIXショック」でVIXインバース系のETNやETFは軒並み大きく下落してしまい、巨額の損失が生じたことが伝えられていますが、これらは上場されている商品のために表面化したものです。気になるのは、相対取引つまりOTCで取引しているデリバティブの中にはもVIXに絡んだものがかなりの額あり、表面化していない損失がまだまだあるのではないかということです。今回のVIXショックは、リーマンショックの1年前に起きたパリバショックのような前兆に過ぎないのではないかという人もあり、ちょっと気になります。

また、記事でも書かれていますが、このようにリスクの大きい商品については、それをはっきりと購入者に伝えることが必要でしょう。今回の野村のVIXインバースETNの商品説明用パンフレットでは、リスクの説明が不十分であっただけでなく、ETNの過去のパフォーマンスをS&P500の株価指数と比較している部分は誤解を招くものとして責められても仕方ないでしょう。

そもそも、VIXとはオプション価格から算出された将来の予想変動率で、市場参加者の思惑に左右されるもので、株式価値の裏付けとなっている本源的な企業価値とは関係のないものです。つまり、VIXを対象とした取引は仮想通貨の取引と同じようなものではないかと思う訳です。そして、VIX上昇→自動売買による株売り→さらにVIX上昇→さらに株売り....というような負の連鎖で市場を壊すような投機は、もう許容範囲を超えているもので、何らかの対応が必要ではないかと思います。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO26773110Z00C18A2EN2000/

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