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きみだけが呼ぶ名前がありきみだけが知ってるわたしにまた会いに行く/三冬つくし

2022年3月28日(月)の19時部屋の題「友」の短歌。

呼び方というのは相手との距離感を示し、呼ばれた側のキャラクターを作り上げる。

「きみ」だけが呼ぶ名前がある。あだ名かもしれないし、苗字かもしれないし、下の名前かもしれない。「きみ」に呼ばれる名前にはエピソードがあるかもしれないし、それまでの相手との関係がかかわっているかもしれない。その名前で呼ばれると、「きみだけが知ってるわたし」というキャラクターが出てくる。「きみ」にしか見せられない作中主体の一面が登場するのだろう。

「きみ」に会いに行かないと出会えない「わたし」がいる。その味をしめてしまった。中毒性があるのか、「また会いに行く」。

「きみ」の前の「わたし」に会いに行くのだが、やはり「きみ」に会いたいということだ。そこをあえて言わず、「わたし」に会いに行くとしたところがおもしろい。

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