好き嫌い云々よりも今だけは一緒にいたいそれだけなんだ／水底 沈

2022年6月11日（土）のうたの日7時部屋の題「云々」の短歌。

作中主体は、相手に特別な感情を抱いている。好きとか嫌いとかを云々するような感情ではない。しかもそれは今だけしかわからないもので、とりあえず一緒にいたいと思っている。それだけで、それ以上のことはない。

二人は手をつないだだろうか、抱き合っただろうか。二人は出会って間もないのか、それとも長く時間を過ごした仲か。

このような感情に年齢は関係ないだろう。二人はやがて一緒になるだろうか、まもなく別れてしまうだろうか。将来どのようになるかわからない人の命だ。つかの間の感情に任せて一緒にいたい人にその気持ちを伝える勇気をもらえそうな一首だ。