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青空が色褪せている憂鬱はドレスアップして煙草をふかす/Dolly

2022年5月28日(土)のうたの日13時部屋の題「憂鬱」の短歌。

情景としては青空が見えるのだろうが、「色褪せている」という。実際に青空のうちでは色褪せているような様子なのか、それとも憂鬱のために色褪せて見えているのか。

ドレスアップとは、儀式やパーティーなどのために、礼服や改まった服装を身につけること。何らかの式やパーティーに出席するために改まった服装の作中主体。

晴れやかな式やパーティーか、葬式や法要などのしめやかに営まれるものか。いずれにしても作中主体は憂鬱に包まれている。

晴れやかな式などへの参加であれば、場に反する感情だ。しめやかに営まれる式などへの参加であれば、ふさわしくないわけではない。

一読したときは、前者を想像した。そこで「煙草をふかす」作中主体。ロックな雰囲気を感じ取った。煙草を吸うという行為自体は、喫煙者にとっては日常的なことであろう。ハレの場での日常的な(ケの)情景を詠んだところに一首のおもしろさがあるように思った。

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