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こっくりとした飴色に変わってる二人で最後に仕込んだ梅酒/諏訪灯

2022年3月28日(月)の17時部屋の題「酒」の短歌。

「こっくり」という、色合や味などが濃かったり深みがあったりするさまを表わす語を持ってきたところがいい。すっかり飴色を濃くした梅酒が見えてくる。

梅を収穫するところから二人でしたのだろうか。「二人」はパートナーや友だち関係などが考えられる。

「最後に仕込んだ」とあるが、相手が亡くなったのだろうか、それとも相手と離れ離れになったのだろうか。その「最後」から時は移ろい、その経過とともに梅酒の飴色は濃くなるばかりである。

「変わってる」という少しの驚きのこもった表現は、作中主体が時の移ろいを早く感じていることを表していよう。

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