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人は地に縛られてをり渡り鳥の群れ国境を超えゆくを見つ/とぅらんく

2022年4月10日(日)のうたの日13時部屋の自由詠。

「人は地に縛られてをり」という言葉は、コロナ禍の現在なおいっそう意味深長に聞こえる。

「渡り鳥」とは、この時期ならハクチョウだろう。四月中旬から五月初めには日本を立って、シベリアへ向かう。ハクチョウの群れだとすれば、国境を超えてロシアへ行く。

時期が来れば自由に国境を超えて行ける渡り鳥。それを見ている作中主体。

人間として踏みしめている土地から自由に移動しにくくなっている現在、国境も関係なく自由に行き来できる渡り鳥という存在は羨ましい限りである。そのような感情を明示せずとも「縛られてをり」「見つ」という作中主体の状態・動作により内面をも表している。

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