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「将来リフォームにかかるお金を減らす家」を建てるには

新築っていいですよね。

しばらく修繕の心配もしなくていいし、
何より、ピッカピカで気持ちいい。
できることなら、新築に住みたいものです。(^^)

そんな一つの家に一度しかない、
貴重な「家を建てるチャンス」ですが、
やはりネックになるのは初期費用の高さです。

しかし幸いにも、家の購入には35年といった
長期のローンを低金利で利用することができます。

今は金利も1%以下で借りられたり、
住宅ローン控除もあったりなので、
「いまの家賃と支出が変わらないなら、買った方がトクかな?」
と住宅購入を決意する方もいらっしゃるでしょう。

しかし、家賃 vs 住宅ローンを比較検討する際、
ほぼ無視されている支払い経費に、
「リフォーム代金」があります。

これ、けっこうバカにならなくて、
建物をちゃんと長持ちさせようと思うなら、
・10年目、20年目にそれぞれ150万円
・30年目に1000万円
くらい必要になります。

住宅ローンの返済中にも、
まとまったお金が必要になるのは辛いですよね…。

実際、リフォーム(メンテナンス)まで手が回らず、
20年以上何もされていないという家も
めずらしくありません。

メンテナンスをサボったからといって、
「すぐに家がダメになる」わけではありませんが、
外装材の劣化が進み、雨漏りやシロアリ被害のリスクが増えるのは間違いありません。

メンテナンスをしないということは、
家を限界まで使う「賭け」に出るということです。

30年間何もしなくても、運よく雨漏りやシロアリの被害がなければ、
メンテナンス費用をかけなくて得をした、となるかもしれません。

しかし、外装材の寿命が尽きて雨漏りやシロアリ被害が生じてしまえば、内部の構造材から直す必要もあったり、メンテナンス費用どころではない多額の出費が、しかも突然にやってくるかもしれません。

人生をかけて買った家です。
できることなら終の棲家として、計画的に守っていきたいですよね。

そんなわけで本日は、「建てた後のコストまで考えて、新築時にどんなことに注意したらいいのか?」を考えていきたいと思います。

リフォーム費を抑える家を建てるには


リフォームには、大きく分けて3つの種類があります。
 ①家の寿命を延ばすメンテナンス
 ②断熱・耐震などの性能を上げたい
 ③新しくしたいから交換する

それぞれのリフォーム費用を抑える方法を、具体的に見ていきましょう。

①メンテナンスに掛かる費用を抑える


メンテナンス費とは、家の構造材を雨やシロアリから守る部材、具体的には屋根・外壁・バルコニーなどの外装材を、正常に機能させるための整備費です。

この整備費にいくらかかるかは、主に
「外装材に何を使っているか?」
という、新築時に選んだ材料によって決まります。

例えば、屋根なら板金と呼ばれる金属部材が一部でも使われていれば、その基材(鉄)が錆びないように10年ごとに塗装で保護する必要があります。

しかし板金を一切使わず、高耐久を謳った屋根材のみで仕上げれば、30年間塗装の必要はナシとすることもできます。

屋根材をスーパーガルバリウム鋼板と呼ばれる超高耐久鋼板で仕上げると、25年間はメーカーによる穴あき保証がありますし、メーカーによる公表値はありませんが、塗装による保護を続ければ寿命は60年とも70年とも言われています。

また、外壁ならサイディングの場合、その継ぎ目を塞ぐために使われるシーリングという部材の寿命が短く、そのシーリングを打ち直すために、10年毎に足場を掛けてメンテナンスをしなければなりません。

しかし、最近はシーリングにも30年程度の高耐久を謳う商品が開発されており、サイディングとシーリングともに高耐久の商品を使用すれば、30年間、足場を掛けてメンテナンスをする必要をなくすことも可能です。

選ぶ材料によって新築時のコストも大きく変動しますが、
その後のメンテナンスに掛かる費用を大幅に削減できるとなれば、メリットの方が大きいかもしれません。

外装材の仕様については、その家に何十年住むのか?という想定まで含めて、ぜひ長期的な視点で選んでいただけたらと思います。

②断熱・耐震性能を上げる


実際に暮らし始めてから「冬寒い」「夏暑い」ということが分かった場合、
断熱性能を上げるリフォームをすることはできます。

でも、リフォームで断熱性能を上げるコストは、新築時に断熱性能を上げておくのの何倍もかかります。
今から新築をご計画なのであれば、最低でも現行の省エネ基準を満たす家を建てておくべきでしょう。

省エネ性能(断熱性能)を上げれば建築コストも上がりますが、暮らし始めてから冷暖房費が安くなるという光熱費軽減分で、十分回収できる投資です。

また、耐震性能を上げることは、大地震にあった際の安心・安全はもとより、修理代金を軽減させるという効果も大きいです。

こちらでも詳しく書かせていただきましたが、法律で定められた耐震性能の1.5倍の強さ(耐震等級3で建てた家は、熊本大地震でも87.5%の家が無被害だったというデータがあります。

地震保険という手段もありますが、保険は被害額を100%補填できるものではありません。
万一の際の修理費を抑えるためにも、人命の安全を守るためにも、ぜひ耐震等級3の強さで建てておきたいところです。

ちなみに耐震等級3の強さで建てると、地震保険の保険料が半額になるというメリットがあります。保険料の減額はずっと続きますから、この減額分で耐震性能を上げた費用を回収することも可能です。

③新しくしたいから交換する…


いわゆる「リフォームしたいなぁ」と思わせる動機はこれですよね。
「お風呂を新しくしたい」
「キッチンを新しくしたい」

給湯器が壊れた!などと、必要に迫られるものもありますが、
古いから汚れてきたから、という理由も大きく挙げられます。

感覚的なものでどうしようもないように思われるかもしれませんが、これも新築時の工夫で延命させる方法はあるのです。

設備機器類や内装材は、「汚れにくさ(掃除のしやすさ)」にこだわって選ぶと、長くキレイな状態をムリなく保つことができます。

キレイなものは、「まだ使える」「もったいない」と思うものです。
ぜひキレイを保つ工夫のある商品を選び、末長く使っていただけたらと思います。(^^)

建売なら、購入時に長期の資金計画を立てる


さて、これから家を建てる方へのアドバイスとして書かせていただきましたが、すでに完成された建売を購入するという場合は、今から仕様を変更して長期のコストダウンを図るというのは難しいですよね。

その場合でも、購入前に将来のコスト対策だけはしておきたいところです。
最低限のメンテナンス計画だけでも、売主に確認しておくと良いでしょう。

最近は建売でも、10年毎の定期的なメンテナンスまで行ってくれるところもあります。購入時からしっかりと資金計画を立てて予算を組めば、長い目で見て費用を抑え、安心して暮らすことができます。

リフォームに伺った際に、「新築時にもっとこうしていれば…」と感じるような内容をまとめてみました。ぜひ、ご新築時の参考にしていただければ幸いです。(^^)


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