見出し画像

出版してよかったことと思っていたのと違ったこと


先日上京した際に、著者女子会に参加してきました。

年に1回くらいのペースで開催されていて、主催はわたしの書籍の出版プロデューサーで、みんなで飲んで話して近況報告的な会です。

飲んで・・・って言ってもわたしは安定のソフトドリンクです。よく、めちゃめちゃ飲めそうって言われますが、全然飲めない見掛け倒しです。


わたしが最初に出版したのは2015年の夏、ちょうど今頃のシーズンでした。
出版が決まったのは前年の12月だったんですが、出版社さんの意向などもあり夏の発売になりました。

実は、出版が正式に決まったのはコンサルタントになって2ヶ月後。
普通に考えて、ありえない速さですよね。

運の要素もあったと思いますが、確立されたノウハウがあり、それが出版社に認められれば、経験値が少なくても書籍が出せることがあるんです。
 

ちなみに今は書籍を出す方法は色々ありますし、報酬の受け取り方など契約の諸条件もバラバラです。

出版のきっかけは、書籍を出版しませんか?と出版社さんの方からお声をかけてもらうこともありますし、出版したいですと著者自らが立候補することもあります。
わたしは後者の立候補タイプです。

出版したい人が集まる勉強会とプレゼン会に参加し、プレゼンで企画が通ったことで出版が決まりました。
 
正直な話、多分初回では通らないだろうなと思っていて、1年くらい出版を意識して活動しようと思いながらプレゼンをしました。
それが思いがけず企画が通ってしまい、嬉しい反面かなりスケジュールを変更しなければならず、大変でした。

その頃はコンサルタントになって2ヶ月ですし、雑貨店も運営していました。
今となってはあの時頑張ってよかったなーと思いますが、精神的にも肉体的にもなかなかきつかったです。

そして契約の諸条件。

一般的なイメージなのが、商業出版。
著者は原稿を書き、出版社が編集して出版する。
取次さんが配本してくれ、全国の本屋さんに並ぶ。
売り上げに応じた(厳密には刷った冊数に応じた)印税を受け取るというスタイルです。
わたしはこのタイプで出版しました。


今は本が売れない時代なので、立候補して出版できてなおかつそれほどファンもいなかった時代に、商業出版をさせてもらえたのは本当にラッキーだったと思います。
わたしのように無名で初めての出版の場合、商業出版でもある程度の買取条件(例えば1000冊とか)がついている方も珍しくないそうです。


執筆作業は簡単ではないけれど、楽しかったです。
元々書くことは好きだし、社会人1年目でタウン誌の編集をやっていたこともあり、文章を直されるのもそれほど苦ではなかったです。

何が一番大変だったかというと、やっぱり売ることですね。
いくら買取条件がないとはいえ、出して終わり!というわけにはいきません。心を込めて書き上げた書籍ですから、一人でも多くの人に読んでもらいたいわけです。

また、1冊の本を作るのに出版社は2〜300万のコストをかけています。
これをしっかりと回収してもらうためには、初版分を売り切るというのがすごく大事になってくるんです。
わたしに期待してお金を出してくれているわけですから、期待に応える必要がありますよね。

せっかく書いた本だから時間をかけてゆっくり宣伝していこう・・・なーんてことはできません。今は1日200冊の本が出版されていく時代です。
売れていない本は1ヶ月もしないうちに棚から外されてしまいます。
なので、初速がとても重要です。

こうしたことをわたしは出版前の勉強会で学んでいたので、スムーズに対策ができました。1冊目の販促は本当にきつかったけど、みなさんの応援のおかげで11刷まで伸ばすことができ、その後2冊を書き、合計3冊出しています。

↑いつのプロフ写真だよ・・・っていう感じですね。


ということで、出版してよかったこと、思ってたのと違ったことをまとめてみます。

出版してよかったこと

・社会的信用の向上

これはやはり大きいですね。
書籍を出す=業界での権威性があります。
協会や商業施設からの講演依頼など、書籍があったからこそ受けられる仕事というのは数多くありました。

・他人から紹介されやすい

コンサルタントって何をやっている人かすごくわかりにくいんですよね。
雑貨店のオーナーだった頃は、地元で知名度のある商業施設内に店舗があったのでよかったんですが、コンサルタントとなると実体がなくわかりにくいわけです。

「本を出版してる人」という肩書きができたことで他人から紹介されやすくなりましたし、業界以外の人からも理解してもらいやすくなった気がします。

・著者の友人知人が増える

これは著者になる前にそう教えてもらっていましたが、不思議なもので本当にそうなりました。

同じプロデューサーのもとで出版した人だけでなく、様々な著者さんと知り合う機会や交流する機会が圧倒的に増えました。

それぞれ業界のプロフェッショナルですから、業界は違えどとても興味深い話題が多く、刺激になります。様々な業界の方と交流できるというのはわたしにとってかなりプラスになっています。


思っていたのと違ったこと

・良い本を書けば売れる

わたしは3冊書籍を出しており、どの本ももちろん自信作ではありますが、最新(といっても2016年ですが)の本が自分的には一番自信があります。

ですがこの本、重版がかかっておりません。
1冊目は11刷、2冊目は2刷、そしてこの本は、重版していないんです。

この本は基本ができた次のステップとして、売上を安定させたり活動を発展させる内容について書いているんですが、やはり圧倒的に1冊目が売れています。

初速の件もそうですが、やはり本は内容勝負だけでは難しいんだと感じました。

・印税は労力と見合わない

1冊目で重版がたくさんかかったということで、周りからは「印税で暮らせるんじゃないの」なーんて言われましたが、とんでもないです。

数十万・数百万部の大ベストセラーでない限り、印税で暮らすなんてありえないと思います。なので印税をあてにして出版しようと思っている人は、考え直した方がいいかもしれません。

印税はもらえるだけありがたいと思っておくといいですね。
そして、金額だけ見ると労力とは見合わないと思います。
むしろ、印税以外のところに出版の魅力があるといった方がいいかもしれません。


トータルで考えると個人的には出版してよかったし、人生を大きく変えてくれたもののひとつであることは間違いないです。

ただ、出版さえすれば全てがうまくいくわけではないです。
出版はあくまでもビジネス。プランを持って取り組まなければ意味がないと思います。
本は出すだけじゃなだめ。売らないと意味がない。
著者として名前が載るのは自分でも、その本が読者さんの手に届くまでには多くの人の協力があることを忘れちゃダメですね。

 
また今は詐欺に近いようなものも多く出回っているようなので、しっかりと勉強をして挑まなければ、悲しい結果になることもあります。


しばらく書籍の執筆をしていませんが、またいつか違う切り口で出せたらいいな〜なんて思っています。
その時までに、今やるべきことをしっかりやっておきたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?