何百回と質問され続けてきた「安売りしないためにどうしたらいいか」の答え
新年明けまして5日目の本日、札幌は朝から雪がしんしんと降り積もっており、一日薄暗い日でした。
雪が少ない年は決まって年始明けからドカ雪で帳尻を合わせてくる雪の神様も、そろそろ本気出してきているのかもしれません。
明日が仕事始めだけど長く休んじゃうとエンジンかかるまでに時間がかかるなぁという方もいらっしゃると思います。
長い休みの後ほど、無理やりにでもエンジンかけてパワープレイでとにかく仕事を始めてみることをお勧めします。
特にわたしのようにおひとりさまビジネス、もしくはそれに準ずるお仕事をしている方々にとって、サクッと仕事始めができないというのは死活問題です。
「一年の計は元旦にあり」
昔の人がいいことを言ってくれていますし、今年自分の仕事をどのように展開していけばいいかを考え、目標を設定し、そこに向かってサクッと仕事を始めちゃいましょう。
たとえエンジンがかからなくても、とりあえず車に乗り込みキーを回し続けるのです。
そんなわたしもいよいよ明日から仕事始めです。
毎年1月〜3月は「今年こそ仕事を軌道に乗せたい」という方々から、毎年同じような質問をたくさんいただきます。
売上規模と悩みの質、質問するタイミングってリンクしているので、この時期を迎えるのは6回目ですが、おそらく今年も同じような質問をいただくでしょう。
ということで今回は、今まで何百回と質問され、答え続けてきた
「安売りしないためにどうしたらいいか」
についてわたしの答えを書いていこうと思います。
もしあなたが同じことで悩んでいるとしたら、参考になると嬉しいです。
答えは「自分が納得する価格で買ってくれるお客様に見つけてもらう」こと
最初に答えを書いておきました。
安売りしないためには、自分が納得する価格で買ってくれるお客様に見つけてもらうことが必要です。
なので
・自分が納得する価格はいくらなのか
・納得する価格と商品を見比べ「適正」または「良心的」と思ってくれる人は誰か
・上記の人たちに自分の存在を知らせる方法は何か
以上3つをはっきりさせて、努力していけばいいわけです。
めちゃめちゃシンプルですが、この3つに全てが凝縮されています。
一律で「安売りは悪」なのか問題
納得する価格で売るという話の前に、「安売りは悪」なのか問題について触れてみたいと思います。
Twitterを見ていると「安売りは悪ザマス」ツイートにたくさんのふぁぼやRTがついているのを見かけますが、一律で「安売り=悪」と決め付けるのはちょっと乱暴かなって思う派です。
もちろん色々な考え方があっていいと思うので、わたしはそう思うということです。
わたしは安売り大好きです。
これからヒートアップする冬のセールも大好きですし、キャンペーンでお得にお買い物ができたりするのも心躍ります。
だから安売り=悪とは思っていないです。
ただ、商品やサービスを利用する時に「安さ」だけで判断するわけではありません。安くても買わないものはたくさんありますし、相場よりも高くても買うものもたくさんあります。
わたしと同じようにあなたにも、安さが購入のきっかけになるものとならないものがあると思います。
安売りをしないためには、自分の商品やサービスを「安さが購入のきっかけにならない人」に向けて販売していく必要があります。
安売りを維持するのはとても難しい
安売りの代表として真っ先に思い浮かぶ、100円ショップ。
わたしは100円ショップが大好きです。
けれど100円ショップが大繁盛している影で、どれほどの小さなメーカーが廃業したり業務縮小を強いられたかを考えると、自分の商品がここの商品とライバルになるような戦い方は得策ではないな、と思います。
100円ショップが支持される理由は「安くていいものが手に入るから」でしょう。
そしてなぜ安くていいものが提供できているかといえば、巨大な資本により人件費と開発費、流通コストの大幅カットを徹底しているからです。
そんなの、かないっこないじゃないですか。
安売りを維持するのは、とても難しいことなんです。
わたしたちのように好きなことで生きていきたいスモールビジネスの人たちにとって、安売りのフィールドで戦うというのは難易度が高すぎます。
海で遭難した時に、喉が乾いても絶対に海水を飲んではならない
海水を飲むことでさらに喉が渇くという死のループが待っている
資本の少ないわたしたちにとっての安売りは、海水を飲むのと同じ選択です。
それくらい、安売りを維持するのが難しいわけです。
だからと言って安売りは悪だと決め付けて、自分が思う「安売りしている人」を非難したり攻撃するのはやり過ぎです。
ましてや「みんなに迷惑をかけている」「業界全体の質が下がる」と煽るのもどうかと思います。
みんなよりまず自分に目を向けましょう。
購入を検討してくれる人たちに好かれるためにどうすればいいか
安売りしないためには、自分が納得する価格で買ってくれるお客様に見つけてもらうことが必要だとお話しした後に、あなたの商品やサービスはどんな人に売れると思いますか?という質問をします。
そうすると「自分のことにお金をかけられるOL」とか「子供のいないお金に余裕のあるマダム」みたいなお返事をくださる方が多いですね。
それって「白馬に乗った王子様」が迎えにきてくれると思っているのと同じレベルで漠然としているし、何なら存在するのかすら怪しいレベルです。
上記のような回答をしてくれる人のほとんどが、自分の商品やサービスを適正価格で買ってくれそうな人がイメージできていないと思います。
そうなってくると「誰でもいいからお金を持っていそうな人」がターゲットになります。
お金を持っていそうな人がターゲットで、その人たちに好かれるために努力するとなるとどうなるか・・・
媚びへつらうことになりますね、多分。
似合っても似合わなくても「お似合いですよー」と言う。
相手をあげて、あげて、あげまくる。
自分は地中深く潜り込むかと言うくらいに、へりくだる。
あなたなら、そうされたら嬉しいですか?
嫌ですよね。
購入を検討してくれる人に好かれるためには、商品やサービスはもちろん、自分自身の考え方・価値観が似ている人にアプローチしていく必要があります。
つまりは、何を大切にしているか(軸)を明確に打ち出し、自信と責任を持って価格を設定すること。
その軸がグラグラして「誰でもいいから買って欲しい」と言う空気が漂ってしまえば、価格競争という絶対的に不利なフィールドで戦うと言う選択肢しかなくなります。
価格や技術力だけで選ばれる時代ではない
昔と違って今はネットを使って個人で影響力を高めていくことができる時代です。
価格や技術力で選ばれる商品やサービスもありますが、それよりもストーリーや親近感といった目には見えない価値で商品やサービスを安定的に売り続けることができるようになりました。
特にスモールビジネスのような、月に数十万の売上を安定的に確保する場合は、価格や技術力だけに囚われるよりも、目に見えない価値やこだわりをしっかり整え、そのストーリーに共感してくださる方々にいかに好かれるかを考えて行動した方がビジネスとして非常に堅実だと思うんです。
あなたの商品やサービスを利用することで
誰を喜ばせることができますか?
誰を助けることができますか?
それはなぜですか?
類似の商品やサービスとの違いはなんですか?
このあたりがスルッと答えられるようになれば、市場価格と言われる価格よりも2割程度高くても売れる可能性はあると思います。
また影響力が高まっていくことで市場価格の3倍以上高い設定でも、買いたいと思ってくれる人はいるはずです。
お客様の気持ちになって考える客観視を身につけよう
好きなことを仕事にするためには、商品やサービスを買って頂くことが必要です。どんなに褒めてもらっても、買ってくれる人がいなければ仕事にはなりません。
買ってくださる方・買ってくださる可能性のある方の気持ちになって、商品やサービスを作ること、値付けをすることが大事です。
心から「安売りは悪」だと思っているなら、この言葉を見た時に強い共感はしないはずです。
当たり前に悪いと思う「窃盗」や「殺人」が悪だという言葉に、強い共感をすることはないと思います。
「窃盗は悪ですよ」なんて、言われなくてもわかっています。
「安売りが悪だ」と言われてなんらかの心が動かされてしまったのなら、それが当たり前に悪いことではないかもしれないと、少しモヤモヤする部分があるからかもしれません。
価格設定は高い安いではなく
「長く売り続けられて自分もお客様もハッピーになれる金額」
を設定するのが良いと、わたしは思います。
そのためにはもしかしたら材料費や製作時間などのコストカットなど一部改良が必要になるかもしれません。
それも含めて、適正価格の設定だと思います。
安売りしないためには、自分が納得する価格で買ってくれるお客様に見つけてもらうことが必要です。
大事なことなので3回目です。
安くしとけばお客様が喜ぶとか、安売りしていたらやっている意味がないという漠然とした極論での値付けからは卒業し、売り手と買い手の両方がハッピーになれるよう、お客様の気持ちになって考えていきましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?