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お兄ぃ系の先輩と梅干し

梅はうめぇなぁの一席。

お兄ぃ系の代表みたいな先輩と働いていたことがありました。

M字バングにとさか頭。スキニーにとんがり靴。

関わりたくないやと思っておりましたが、辞める前の2ヶ月で見事に打ち解け、大好きになっていた。

お兄ぃ系も捨てたもんじゃないぜ。

梅を見ると思い出します、このお兄ぃ系のパイセン。

みんな忙しすぎてヒィヒィしている時に

「梅はうめぇ〜なぁ」

と変なダンスをしながら働く、パイセン。

そのダンスをチラ見され怒られた、パイセン。

雷に打たれてもなお、めげずに「梅はうめぇ〜なぁ」を連呼し踊り狂う、パイセン。

ちくしょうめっ。

とんがりM字なお兄ぃ系に、心掴まれた私がいました。

そんな「梅」をつかった一品を。

血液の流れをよくし体調を整えてくれる、これからの季節にもってこいな子です。

ただ梅で和えるんじゃぁ、おもしろくない。

ちと「生姜」なんかをいれちゃって、初夏にぴったりな和え物をつくりましょう。


材料

お好きな野菜(長芋、きゅうり、ミョウガ、れんこん) お好きな量
梅干し 酸っぱさによりけり
あれば梅酢 ちょろり
醤油(または白だし) ちょろり
生姜 半欠けより少なめくらい
出汁ガラの鰹節(お好みで)

作り方

1、野菜は叩くか、切るか、どうしたものか

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最初から悩みのパート。叩くのか、切るのか。
例えば長芋やきゅうりたち。繊維に沿って千切りすれば、シャキッとみずみずしい感じに仕上がるし、叩けば断面が荒くなるから調味料が絡みやすくなる。むむぅ、さぁいかがいたしましょ。まずはお野菜を見つめ、自分に問うて、そそられるカットをば。

2、梅は背側でたたいて栄養をガッチリ

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やさしく背側でたたいてあげると、梅のパワーが損なわれないそうな。お好きな大きさになるまでたたきましょう。

3、今日のかすみ草は生姜です
私の大好きなお花「かすみ草」。
かすみ草のごとく、さりげなく忍ばせたいのが生姜の存在。
今回はすりました。千切りにしてもよし。こちらはちと存在感が増します!増します!

4、和えます!和えます!

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野菜、梅、生姜を和えます。和えます!
ちゃっちゃっと手早く参ります。

4、醤油や梅酢でギュッ(まるでお巡りさんとの遭遇)
これをいれると途端に引き締まるっ。ヘラヘラ自転車こいでたらいきなり現れるパトカーに、背筋が自然と伸びちゃう感じに似ている(悪いことしてないのにね、なんででしょう)。
ここでのポイントは「ちょろり」です。
監視が凄すぎると、野菜そして梅が支配されてしまうおぞましい世界に。お料理の世界も、調和と愛を大切にゆきたいものです。
※お好みで鰹節の出しがらをいれるのもよいです

5、梅はウメェなぁ
手塩にかけて仕込まれた梅はうめぇなぁ〜。

以上。


今日のツボ
・野菜の切り方によって食感や味がかわります
・梅は背側でたたいて栄養をガッチリ
・生姜はかすみ草ポジション
・支配的な感じではなく、調和の心を大切に


もうそろそろ梅しごとの季節でございます。

今年は気合いをいれ、久松窯の甕を手に入れ5kgほど梅干しを仕込もうと思っております。

楽しみだ。

そろそろ山椒も届くことでしょう。

こちらも楽しみ。

「梅はその日の難逃れ」

あのパイセンに教えてあげよう。


お後がよろしいようで。

食べたいものをつくる人 高橋 拝。

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