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思い出のレコード〜俺のロジャニコ〜

大学生の時にソフトロックにハマっていた。当時は「ソフトロックA to Z」というバイブルを徹底的に読み込み、東京中の中古レコード屋さんを探し回ったものだ。

ソフトロックについては以前のnoteにも書いた。


そんなソフトロックの中でも、特別な1枚がある。ロジャーニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ(以下ロジャニコ)の1stだ。言わずと知れたソフトロックの大名盤だ。1stといっても彼らは実質1枚しかアルバムを出していないのであるが。

ロジャニコのこのアルバムは高校生の時に渋谷系が大ブームだったこともあり、田舎に住んでいた私も何となくその存在を知っていた。CDがリイシューされて渋谷系の元祖的扱いを受けていたからだ。

このアルバムを初めて聴いたのは、大学に入ってから。確か当時付き合っていた彼女が持っていたリイシューされたCD版だった。彼女のCDラジカセから流れてきた1曲目の「Don’t take your time」の素晴らしさを熱く語られた記憶がある。小西康陽さんがライナーノーツを書いていて、そこにもこの曲の素晴らしさが綴られていた。

彼女は小西さんの著書「これは恋ではない」も所有していて、そこにもロジャニコへの熱い思いが書かれていた。

私が天の邪鬼なのか、初めて聴いたその音を熱く語られすぎて、ロジャニコ1stの1曲目の素晴らしさを最初は全く理解できなかった。むしろ熱く語られた為に若干引いていたと気がする。しかしながら、バイブル「A to Z」の巻頭カラーページには最大限の賛辞が書かれているし、小西さんの本でも絶賛されている。これはアナログを買うしかないぞ、とその時思った。

その日から私のロジャニコ探しの旅が始まった。しかし、何処にも売っていないのである。97年当時、もう東京中のソフトロックファン、そして渋谷系ファンがこのレコードを買い尽くした後だったのだろう。

極たまに見かけても5桁オーバー。とても手の出る金額じゃなかった。タワレコやHMVに行けば手軽にCD版、しかもシングル曲も含めた98年発売のコンプリート版が登場していたのに、私は頑なにアナログ版にこだわり続けた。

そして、とうとう見つけた。お値段何と破格の1,800円で。しかもオリジナルの内袋付だ。お値段にはそれ相当の理由があり、キャプションには「一曲目針飛びあり」とのことだった。しかしながら、私は迷いもなくその盤を手に入れた。

確かにキャプション通り「Don’t take your time」が針飛びする残念な盤だった。針圧を最大限してやっと聴けるくらい。 小西さん曰く、このアルバムは「Don’t take your time」に尽きるとのことなので、私がやっとの思いで手に入れた盤は小西さん的には完全に意味のない盤となるのだろう。

悔しいのでその後すぐにCDでコンプリート版を手に入れたのは言うまでもない。そして天の邪鬼なので最も好きな曲はA面最後の「Love So Fine」なのである。

あ、でもCarnivalのヴァージョンの方が好きかも。


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