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タイ人ってすごいなって思ったこと【野菜を食べないタイ人】

 どの国、どんな国民性にもいいところと悪いところがある。日本人もそうだ。海外人気渡航先のひとつであるタイもまた同じ。たまにどうしても理解できない部分があることもある。あくまでもごく一部の少数派でしかないのだが、野菜を食べないタイ人がいた。そんな人に何人か会ったことがあり、ただただすごいなと思った・・・・・・。

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 タイは日本では考えられないことがよく起こる。殺人事件や傷害事件が、そんなことで? というようなくだらない理由だったり。ありえない事件もあり、たとえば今年頭にあった金行を銃で襲った教師や、上官にぶち切れて無関係の市民に対して大量殺人に走った兵士など、今年だけでもかなりの件数が挙げられる。

 あと、女性による恋人あるいは夫の男性器切断もときどき起こるのが印象的だ。なぜか切り取った男性器はアヒルに食べさせると言われ、女性がアヒルを飼おうとしだしたら気をつけろというジョークがタイにはある。

 タイは性同一性障害の人が多いとされる。よく語られるのがレディーボーイ、日本でいうニューハーフだ。原因が解明されていないため、数万人にひとりという割合で発生するくらいしかわかっていない。それで言うと、日本の方が本来は多い。タイは個人を表に出すことが当たり前で、しかも日本のように咎められることは少ない(実際には多いのだけど)。だから多く見えるだけだ。

 しかし、現実的に手術の件数は多い。男性から女性になりたい人はMtF(エムティーエフ)と英語圏では呼ばれる。MtF向けのSRS手術(性別適合手術)では男性器をカットすることになる。タイは手術件数が多いため、他国よりSRSの技術が高いとされる。

 一方、先のように女性が浮気した夫の性器を切断する事件もときどき発生する。ここのところあまり聞かないが、一度発生すると模倣というか着想を得てしまうのか、類似事件が急増する。

 タイではモノさえあれば縫合手術は可能だ。ただ、完全復活は難しいらしいが。この縫合件数も他国と比べて多いので、技術力があると言われる。日本ではそんなにこの手の事件がないから、そこまでの経験値がどの医師にもないのではないか。

 ちなみに、模倣が連続で起こると、最初の方は切断後に怖くなって逃げ出す犯人が多いが、後半になると犯人は頭を使い始め、切断部を持って逃走するようになる。そうなると、さすがに縫合はできない。基本的には男性を酒で酩酊させてから切るらしいので、アヒルを飼うとかよりも、女性が酒を異様に勧めてきたら男性は警戒しないといけない。

 日本だとこの手の切断事件はよくアベサダと言われる。これは「阿部貞事件」という昭和11年に実際にあった事件から来ている。つい先日、あることを調べる際、ボクは母にボク自身のお宮参りの場所を尋ねた。すると、尾久八幡宮だと言う。当時住んでいた場所から近いから行っただけだったようだが、続けて母が「ほら、阿部貞事件があったところの横の神社よ、憶えてない?」と言った。ゼロ歳で憶えているわけがないし、アベサダのそれ、お宮参りの話に必要な情報だろうか、と。

 そんなことはどうでもよくて。日本ではあまり起こらない事件の話からだいぶ逸れたが、ときにタイ人は理解しがたい行動や思考をすることがよくある。だから、日本ではありえないような事件なども起こるわけだ。

 そういった事件と関係があるわけではないが、冒頭のように野菜を食べないタイ人に数人会ったことがあって、なんなんだろうな、と考えても考えても理解できなかった。

 日本でもいい大人が食べものの好き嫌いをすることはある。体質的、アレルギーなどではなく、単なる好き嫌いだ。でもある程度大人になると、それがあまり胸を張れることではないとわかってきて、克服する努力をしたり、黙っていたりというのが普通ではないか。

 しかし、ボクが会った野菜を食べないタイ人は、みんな堂々としていたので驚いた。ここで読み間違ってほしくないのは、「野菜嫌い」ではなく「野菜を食べない」という点だ。最近たまに話題になるベジタリアンの真逆を行くのである。

 子どもなら野菜嫌いということで理解できるが、いずれも20代後半から30代半ばの大人で、彼らはみな「ボク/ワタシは野菜を食べません」と、逆ベジタリアンのごとく野菜だけきれいに弾いていく。お好み焼きを食べていたときにもさすがに小麦粉は食べたが、ほかの野菜はきれいに避けていた。

 根底に野菜嫌いはあるのだけれど、もはやその域を超えている。子どものころから一切野菜を食べてこなかったので、今も一切食べない。体調も別にそれで悪くなるとは思わない、と彼らは豪語した。

 子どもがそのまま大きくなったという感じなのかもしれないが、基本的にそういった人たちは中流の上の方から富裕層にかかるくらいの世帯に育っている。大学も出ているし、ちゃんとした家庭なのだ。だとしたら、普通、親が子どもに野菜を食べさせるのではないか。そういった注意もなく育てられたのだろうか。もしそうだとしたら、甘やかされたというレベルではなく、ある意味では虐待になる。

 もうひとつ驚くべきは、それについて周囲のタイ人はなんとも思わないことだ。ボクなんかは疑問符が多すぎて、いくつか質問をしてしまったが、タイ人は「それは彼らの主義だからとやかく言わない」という感じで、干渉する気はないという顔をする。

 他人が野菜を食べるか食べないかは確かにボクにとっても他人事だけれど、なんか納得がいかないというか。子どもがいる身としては、どうやって育ってきたのか疑問で。こういう人たちが親になれるとも思えないし。なんかもやもやした。

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