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読書193 『無暁の鈴』

  西條奈加著

高崎城下から北の深い山間の中腹にある西菅寺。修行僧を3年している久斎は13歳。
毎朝、川に水を汲みに行くときに、しのに出会うことだけが、心の支えになっていた。そんなしのが、父親の葬式の後に、西菅寺の和尚に陵辱され、崖から身を投げた。

西菅寺にいることが、ほとほと嫌になった久斎は、寺を飛び出した。
事情があって、家には絶対に帰りたくない。
やがて、平吉という同じ歳の少年と出会う。久斎は、これまでの名前を捨てて、無暁と名乗ることに決めた。

平吉は江戸に行きたいという。そして、2人で一緒に江戸を目指した。

やがて、無暁は罪を背負って、島流しの刑に・・・。
犯した罪の後悔や、島の人たちとの関係。さらには災害や疫病、飢饉など。読むのがつらくなりますが、少しずつ変化がみられます。

無暁の生い立ちから、西菅寺での経験。江戸での経験。島での経験。そして、放免となった先に見出したものには、驚きしかありませんでした。
人の欲や自制心や感情を、究極のところまで追及したような場面は、リアル過ぎて苦しかったです。

無暁が関わった場所や人物などは、歴史に残る話や言い伝えも絡ませていて、大変興味深かったです。

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