
ただの「会社で使う顔写真」
数日前に、会社で社員登録書だかなんだかのために使用する顔写真の撮影があった。
その撮影たるや、てっきり専門の業者のような人が来て、しっかりした機材を使い撮るのかと思いきや、会社のおじさんが5000円くらいの古代デジカメで「ほい、チーズ」の掛け声で適当にパシャパシャ撮るというとても粗末なものであった。
しかし、人を見かけで判断するのはよくない。
「適材適所」と「餅は餅屋」というような言葉があるように、会社に登録するであろう大事な写真だ。
素人に任せるはずがない。
きっと昔はカメラに携わる仕事をしていたり、そうではなくても、カメラが好きでプロ顔負けの腕前の持ち主なのかもしれない。
「わざわざ専門業者を呼ばなくてもうちには、最高峰のカメラマンがいるのではないか」と会社が判断したに違いないだろう。
そう思いながら、気になったのでおじさんに「え、カメラ詳しいんですか?」と聞くとデジカメに初めて触れた、と言っていた。
「人はある程度の年齢に達すると新しいことに挑戦しなくなる」
と聞いたことがあるが、いくら歳をとろうとも新しいことにどんどん挑戦させるという、うちの会社の素晴らしいやり方に実に感動したのであった。
そんなことが数日前にあり、そのとき撮った顔写真をパソコンに取り込んだものを今日見せてもらった。
そこに写っていた私の顔はというと、お肌はテカり、目にはまったく生気がなく、口元は若干の微笑みを浮かべ、とてもお下品な顔をしていた。
「間違いない、これは犯罪者特有のやばい顔だ」と私はこの写真を見てすぐに思った。
道行く人100人に、この顔写真を見せ、「この人はなんの犯罪を犯した人だと思いますか?」と聞くと100人中80人は「パンツ泥棒」と答えるだろう。
ちなみに残りの20人は「あれ、この人、側溝内に隠れて女性の下着をのぞき見ようとした人ですよね?」だ。
そんなあまりにもクオリティの低すぎる写真に普段は温厚な私もさすがに
「あーあ、だからちゃんとした人に撮ってもらわないからこうなるんだよ!」と激怒した。
しかし、どうだろう。
これを見たほかの社員達からは
「よく撮れてるよね」「写真写り良いよね」
と、みんなから絶賛の嵐であった。
なんならば「実物と変わらないからいいなあ」と言わんばかりであった。
「え、自分はこんな顔を晒して普段生活をしているの?」と
とてもガッカリしたの同時に、皆様には”お肌はテカり、目にはまったく生気がなく、口元は若干の微笑を浮かべ、とてもお下品な顔をしている人”を
町で見かけてもそれは私なので、「変態がいます」と警察には通報しないで頂きたいことを是非ともお願いしたい。
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