消化器内視鏡技師試験対策2:ERCP

ERCP後に注意すべき症状
ERCPは通常の上部消化管内視鏡検査に比べて、偶発症の発生率が高い検査である。検査前に患者や家族に検査の必要性と危険性を十分に説明し、インフォームド・コンセントを得る。
ERCPに伴う三大合併症は①急性膵炎、②十二指腸穿孔、③胆嚢炎(胆道感染症)。ERCP施工後1~2日間は、発熱や腰背部通、腹痛などの三大合併症を疑わせる所見がないか観察が必要。例えば、上部腹痛は急性膵炎(十二指腸)穿孔、急性胆管炎のいずれをも示唆する重要な症状。また、発熱は急性膵炎、専攻、急性胆管炎のいずれをも示唆するので重要な症状。

現在ERCP については診断・治療が一体となっているので全体の件数はあまり変わりがないのではないか.EST の早期偶発症としては出血,穿孔,急性膵炎,急性胆管炎などがあるが藤田ら4) がアンケート調査を行いまとめた
ものでは,2,107 例中EST 後膵炎は1.5%であった.税所ら5) の結果をみてみると,ERCP 後膵炎は0.5%であった.この違いの1 つには,①藤田らの報告はアンケート調査であり,様々な技術レベルを持つ者が施行した結果であり,後者は単一施設のみの結果であること,② EST の方法が施設によって異なること6),7),③ ERCP 後膵炎の定義が必ずしも一致していないことなどが挙げられる.

急性膵炎の診断基準.
1. 上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある(以前からある時は疼痛の増強があること).
2 .血中尿中あるいは腹水中に膵酵素の上昇がある.
3 .画像で膵に急性膵炎に伴う異常がある.上記3 項目中2 項目以上を満たし,他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎とする.

ERCP 後膵炎予防の現状と展望 日本消化器内視鏡学会雑誌 Vol. 59( 9), Sep. 2017

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