消化器内視鏡技師試験対策3:ERCPによる診断

逆行性膵胆管造影検査(ERCP)は側視鏡を用いて、ファーター乳頭部よりカニュレーションし、造影剤を注入し、レントゲン撮影をする。ERCPが適応となる疾患は総胆管、胆嚢、胆内、胆管、膵管などを造影するのが目的の検査であり、検査を行う際に偶然消化管内の病変を診断することができることもある(が、目的は異なる)。

総胆管結石は、胆道にカニュレーションして造影財を注入すると、石は透亮像として見える。
胆のうがんは造影により、比較的早期のものを診断可能である。CT/MRIも併用。
肝内胆管結石は、胆道造影すれば造影される部位である。
小膵癌とは一般に2㎝以下の膵癌のこと。ERCPで膵管に異常所見を捉えにくいことがある。しかし、主膵管のみならず分枝膵管の抽出までしっかりと行えた膵管造営や詳細な読影を行うことで、分枝の異常所見を捉えることが可能である。また、上皮内癌のように腫瘤を形成していない場合にはERCP下細胞診で異常を指摘できることがある。
胃切除術など上部消化管の手術歴のある患者では、残胃の程度や腸管の再建法によってファーター乳頭部の正面視あるいはカニュレーションを行うことが困難なことが多く、一般的にERCPは容易でない。

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