武士道 新渡戸稲造著 の本を読んだ感想

こんにちは

自粛で家の中に多く、本を読んで過ごす人もいると思います。自分も本を読んでいて これ良いな と感じたので本を探している人、日本人の精神の源を知りたい人の参考になれば良いなと思います。今回は 海外でも良く読まれている 武士道 について書きたいと思います。

新渡戸稲造とは誰なのか

名前だけなら知っている方も多いのではないでしょうか。

歴史の教科書で読んだ、五千円札の肖像画の人、太平洋の懸橋、自分が知っていたのはこれくらいですかね。

解説によると

札幌農学校(現 北海道大学)に入学。「少年よ、大志を抱け」有名なクラーク博士が教頭を務めた学校です。
そこでキリスト教の洗礼を受ける。
卒業後、「太平洋の懸橋」となることを志しアメリカに渡る。
など

どんな本なのか

著者は序文でこう述べている

 十年ほど前、私がベルギーの著名な法学者ド・ラヴレー氏の家に招かれ、歓待をうけて数日を過ごしていたときのこと。ある日の散歩の途中で、宗教の話題が出た。
「日本の学校では宗教教育がない、とおっしゃるのですか」と、この尊敬すべき教授が尋ねられた。私が「ありません」と返事をすると、教授は驚いて、突然立ち止まり、ビックリするような声で再度問われた。
「宗教教育がない! それではあなたがたはどのようにして道徳教育を授けるのですか」 
 私はその質問に愕然とし、すぐに答えることができなかった。なぜなら、私が子どものころに学んだ人の倫たる道徳の教えは、学校で習ったものではなかったからである。そこで、私の善悪や正義の観念を形成しているさまざまな要素を分析してみて初めて、そのような観念を吹き込んだものは武士道だったことに気づいたのである。
 この小著を著すにいたった直接の理由は、私の妻から、なぜこのような思想や道徳的習慣が日本でいきわたっているのか、という質問を何度も受けたからである。

つまり、この本は日本人に向けて書かれたものではなく、日本人の精神を欧米人に向けて説明するための本なのです。当時は日清戦争の頃で日本に注目があり誤解も多かったそうです。もっと欧米に日本のことを理解してほしいと願い書かれたのだと思います。

したがって、具体例が海外の物語や学者が出てきてわからない部分もあります。しかし、武田信玄と上杉謙信や平家物語などの私たち日本人のよく知る話も出てくるのでとても面白く読むことができると思います。

特に面白いと思ったこと

中でも切腹についての話が印象に残りました。

侍といえば切腹は切っても切り離せません。しかし、切腹については現代の日本人でさえもよく知らないと思います。少なくとも私はこの本を読んで全く理解できていなかったことを知りました。

名誉ある死 これは知っていました。しかし、なぜ名誉があるのかはわかりませんでした。これは武士道の徳が複雑に絡んでいるためと私は捉えた。

そのため、切腹について知りたいと思ったなら、まずは武士道の徳について知ってから読むべきだと思います。

本を読んだ後に考えたこと

侍の理想像が現在にも通じるものがあるなと考えました。

この本では武士道の徳を説明しているのですが、






名誉
忠義



克己

この漢字だけでも何となくわかると思います。しかし、そのどれもが一言で表すことができません。「つまり何のことだよ」と言われても困ってしまいます。

著者は多くのエピソードを用いてわかりやすく説明してくれます。例えば、敵に塩を送る話や熊谷直実が出家する話、死の間際であっても返歌する冷静さなど、読めば確かにと思うものが多くあります。

自分もうまく説明できないので完全に理解できたとは言えません。しかし、それぞれの徳で優れていると感じる人々が頭に浮かびます。優しさ溢れるあの人はの人だな、恐れず行動するの人だなというように。

自分が尊敬している人、憧れの人、好きな人。なぜそう思うのかを考えるとこれらの徳に辿り着くのではないかと思います。

最後に

礼儀正しい日本人、休まず働く日本人、良くも悪くも日本人の特徴は武士道に通じるようです。小学生の頃に教わった道徳が何に基づくものなのかがわかると思います。

小難しいものは苦手だという人も大丈夫です。この本には漫画版があります。こちらはむしろ日本人向けに寄せて作られたのではないかと思うほどわかりやすく凝縮されています。

是非読んで日本の魂を知ってみてください

読んだ本

いま、拠って立つべき〝日本の精神〟 武士道 新渡戸稲造著/岬龍一郎訳
まんがで人生が変わる! 武士道ーーー世界を魅了する日本人魂の秘密 新渡戸稲造著/カネダ工房イラスト

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