見出し画像

長期休業はネット・ゲーム利用時間のあり方を考え直す良い機会

新型ウイルス禍の影響で、学校の長期休業がいまだに続いている地域が少なくありません。それに伴い、「子どものネット・ゲーム利用があまりに長時間になっている」「外出できないのでネット・ゲームばかりしている」などの声があちこちから聞こえてきます。(中にはもう「諦めムード」というご家庭もあるようですが…)
われわれ保護者は、この問題をどのようにとらえ、対応すべきなのでしょうか。

休みの長期化で長時間利用が表面化

実のところ、根本的な環境は、これまで学校があった頃と変わっていません。平日はネット・ゲームの利用時間1〜2時間で済んでいた子どもが、学校の無い土日になると、5-6時間になってしまうという話は、珍しくありませんでした。また、同じことは夏休みなどの長期休みでも、しばしば問題になっていました。

しかし、新型ウイルス禍の前は終わる日がハッキリしていたので、保護者もある意味割り切れたわけです。
月曜になれば…(二学期が始まれば…)またもとの生活に戻るから、ある程度は仕方ないか…。実際、ずっと保護者が相手をしてあげられるわけでもないですし。

現在の長期休業は、終わりがハッキリしていないという点が違います。
いまも休業が続いている地域、ホントに6月からは、もとのペースで学校に行かせられるのでしょうか。保護者が不安になるのも当然ですね。

今までセーフだったのは外からの制約のおかげ

ところが、土日にしても、夏休みにしても、部活があるなどの理由で、子どものネット・ゲームが長時間化しなかった家庭もありました。要は忙しくてやるヒマがないわけです。考えてみると、平日も、学校の授業(というより登校するということ)が、外的な制約条件として働き、その結果として、問題が表面化していなかっただけなのかもしれません。

逆に、部活でも習い事でもスポーツ少年団でも、子どもの予定を詰め込めば詰め込むほど、「ゲームなんかやってるヒマが無いよ」になるわけです。
結果的には、保護者が毎日のようにガミガミ言ったりしなくても、使いすぎませんから一見、良いように見えます。

しかしそれは、子ども自身がネットやゲーム利用との距離感や、生活時間について、しっかりと考え、試行錯誤の結果たどりついたバランスではありません。
ですから、高校受験の準備などを理由に中学校の部活を引退した途端に、それまで我慢してきたゲーム漬けになってしまう生徒が出てくるわけです。

ネットにしても、ゲームにしても、「基本は無料」で楽しめるサービスの運営事業者にとって、最大の関心事は「利用者の時間の獲得」です。
われわれ利用者は、大人はもちろん、子どもたちも自分でバランスを見つける、それを自分の意志で続ける力を、なるべく早くから養う必要があるのです。

保護者はそれぞれの理屈を組み立てなおそう

とはいえ、平日はOKだったけど、土日はNGだった(学校という制約条件に頼っていた)とか、部活や習い事を詰め込んでたからOKだったというご家庭の方が、多いこととと思います。なのでなおさら、今回の長期休業がインパクトを持って迫ってきているのだと考えます。

わたしたち保護者は、これまで実際には人任せだったという構図について自覚し、ネット・ゲームの利用と、それ以外の生活のバランスについて、もう一度、子どもと一緒に考える必要があるのです。たとえばどこからが「長すぎ」になるのかの理屈も、組み立て直さなくてはいけません。

「なぜなのか?」という理屈は、子どもにもとても大切なものです。保護者が示さなくても、自分なりの(ときには不思議な笑)理屈を心の中で作り上げるのが、子どもというものです。

細かなルールを決めていくよりも、「なぜ夜8時以降はダメなのか」についての理屈(「考え方」とその理由)を予め示しておくことで、場面ごとに子どもが自分で決断する訓練にもつながります。

もちろんうまくいくことばかりではないでしょう。「分かっているはずなのにやらなかった(せいで失敗した)」は、発達途上の子どもはもちろん、大人だって日常的に経験していることだと思います。だからこそ、子どもには「原則」に沿って適切に判断するための十分な練習期間が必要です。そして、残念ながら、逸脱してしまうたびに「原則」に立ち返って親子で話をすることを繰り返すしかありません。

一つ一つの「理屈」は家庭によってさまざまでしょう。ただし、「首尾一貫していること」、「保護者の行動もその考え方に沿っていると説明できること」は大切にしましょう。

たとえば、子どもにもわかりやすい理屈の立て方は、「健康や成長」(正しく寝ないと力を発揮できないし、成長にもマイナス。長い目では心や体の病気の原因になるよ…)など、身体のコンディションを制約条件の最優先に置くことでしょう。
他にも「保護者の価値観」(お父さんは殺し合いのゲームばかりはちょっと嫌なんだよね…車のレースの方がいいな)など、色々あって良いわけです。

学校や部活、習い事などは、普段は家庭の判断だけでは変えにくい、外的な制約条件です。それらが緩んでいるいまだからこそ、もう一度、家庭ごとの原則や価値観に向き合ってみる、良いチャンスではないでしょうか。

時間経過を「見える化」するのに、一見ローテクですが、キッチンタイマーは結構オススメです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?