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太陽トーク《制作チーム編》|メジャーCMを手掛けるチームが語る、太陽企画のDNAとは?

連載【太陽トーク】では、映像制作現場の話を中心とした太陽企画の社員インタビューを紹介しています。

数あるテレビCMの中でも、脈々と受け継がれオンエアされてきた王道的CMがある。日本を代表するクルマやビールのCMがそれにあたる。そんなメジャーCMを手掛ける制作チームの3名に、やりがいや面白さ、そして苦労についてインタビュー。何よりも大事なものはチーム力とコミュニケーションだった!?
(※このインタビューは当社リクルートサイトで公開している記事を展開したもので、2021年1月に実施しました。)

作る人にとって"メジャーCM"とはどういう存在?

ーー チーフプロデューサーの平田さん、PMチーフの今さん、そしてPM2nd(セカンド)の生田さんにお集まりいただきました。みなさんのご担当をご紹介いただけますか?

生田:
私は入社3年目です。PM2ndとして忙しい毎日を送っています。

ーー PM2ndというのは?

生田:
制作部内での組織序列で、入社後それぞれの部に配属されたらプロダクションマネージャーとして、みんなPM3rd(サード)からキャリアをスタートします。経験を積むと次はPM2nd(セカンド)、そしてPMチーフへとポジションが昇進していきます。その上に制作部を束ねるプロデューサーがいます。PM3rdの仕事は主に出演者の控室の準備やお弁当の手配など、スタッフが働きやすい環境を整えて、気持ちよく撮影を行えるようバックアップします。PM2ndになってくると、実際の映像制作に関わる業務になります。カメラ前の責任者としてカメラマンとコミュニケーションを取り、出演者へ演技説明をしたり、カチンコを打って撮影テイクを管理します。

今:
僕は5年目でPMチーフをしています。PMチーフは映像制作の全体のスケジュール管理に予算管理、制作スタッフへの連絡に加え、監督とのやり取りが主な仕事です。監督が作りたいものを実現するために予算とすり合わせながら、納品まで制作業務全体を仕切っていきます。制作業務の要となるポジションなので、PM2nd、PM3rdのスタッフとも作業の進捗を逐一確認しながら、納品まで滞りなくすすめることが仕事です。

ーー入社30年の大ベテランの平田さんですが、プロデューサーとはどのような仕事ですか?

平田:
僕が入社した30年前とずいぶん映像制作を取り巻く環境も変わり、おのずとプロデューサーの役割も変わってきています。ですが変わらないことで言うと、仕事を受注し、映像制作全般における総責任者となって、完成まで作品やスタッフ全体の面倒を見ること。そして仕事を通して、プロデューサーを目指す次世代の成長をサポートしていくことも大事な仕事のひとつですね。

ーーみなさんは、CM界の王道ともいえる某ビールブランドのCMを手掛けていらっしゃいます。メジャーCMを手掛けるようになっての感想は?

今:
びっくりしたのは、それまで経験していた撮影とは規模がまるで違ったこと。撮影現場でのスタッフの数も倍。映像制作にかける予算も大きくて、しっかりとお金をかけて日本を代表する商品のCMを作っていくぞという気迫がある。PM2ndのときから携わっているのですが、当時は経験不足で思うように動けなくて、正直「明日が来るのが怖い」って思うこともありました。それが今は面白さややりがいを感じるようになって、成長したなって感じます。

生田:
入社をすると"制作部ローテーション"って呼ばれる制度があって、一定期間社内のいろんなチームを経験してまわるのですが、ローテーション中にこのビールの案件についたのがきっかけで、本配属で平田チームにいきたいって実は思っていて。団結力があって、みんなが一丸となって動いている感じが好きでした。実際に携わるようになっての感想は、毎回気が抜けないし、緊張感があります。PM3rdの頃からこのチームにつかせていただいているので、場数を踏みながら成長して、撮影スタッフに「いろいろ助かったよ、よくやったな!」と言ってもらえたときは嬉しかったです。

ーー作る人にとっての"メジャーCM"とはどういう存在なのでしょうか?

平田:
テレビで流れるクルマやビールのCMを思い出してみてください。その業界でも一握りのブランドしかCMを打っていませんね。そうすると、それらのCMを担当できるチャンスって狭き門。予算規模も巨大、やっぱり花形だと思います。それだけではなく、僕たちが担当するこの商品が売れないと、その会社の業績に関わるほどのインパクトを持つ。そうしたメジャーなCMは、クライアントと広告代理店と制作会社が一丸となって年月をかけて育てていくのも特徴ですね。そうした時間経過とか信頼関係があるから、クライアントやブランドに対して、愛着も生まれます。この案件を手掛けるようになってから、僕はビールを飲むときはこの商品しか飲まなくなりました(笑)。社長も夜の晩酌はこのビールだと聞いています。メジャーなCMって、作り手にとってそういう精神的なものさえも内包しているんですね。

今:
CMという広告である以上、多く人に見てもらえるものを作りたい気持ちがあって。昨今はデジタルのプラットフォームが強くなってきていますが、本質的に、テレビって不特定多数の目に届く媒体です。そして出演者も有名なタレントさんで豪華ですよね。そんな映像を手掛けることができるっていうのは、やっぱりやりがいを感じます。

平田:
僕のプロデューサーとしての骨格を作っていただいた恩人であるクリエーティブディレクターに「俺たちは映像を介して、世の中と対話しているんだ」と教えられました。以降、僕と社会(世の中)との接点は、自分の関わったCMであると思っています。日本全国1億3千万人が見る可能性のあるものってなかなか無いと思いませんか?自分たちはそういうものを作っているんだってことに意識的でありたいし、視聴者はどう受け取るのかという視点をいつも持ち続けることにつながっています。

結局、大事なことって“コミュニケーション”

ーー生田さんと今さんは、一般大学を卒業後、この業界を選ばれていますね。

生田:
法学部でしたが、映像制作への興味は、大学の時に映像のサークルに入っていたことがきっかけです。藝大や美大卒も多い業界の中、入社した当時は映像の知識もなく心配でした。ですが、コミュニケーション能力さえあれば、どうにかなるんだという発見がありました。カメラの機材名も知らないままカメラマンと予算の話をするのですが、撮影のたびに先輩に「これは何ですか?」「これは何に使うんですか?」と質問をし続けていたら、しっかりと会話ができるまでになりました。

今:
コミュニケーションはチーム内でもすごく重要で、プロデューサーからも「報連相」の徹底をつねに言われます。誰かが知ってる情報を誰かが知らないってことがあると、そこでミスが発生します。デスク周りでは毎日のように声が飛び交い確認しあっています。とは言え、コミュニケーションが得意じゃないからって心配することはありません。実は僕は電話が苦手でした。社会人になるまで文字でしかコミュニケーションを取らないスタンスで、それで済むのならそれでいいと思っていました。制作の仕事は電話でのコミュニケーションがすごく多い。電話でないと伝わらない温度感やニュアンスがあるんですよね。5年間経験をして、読み解く力や伝え方がやっと見えてきました。特にベテランの方と一緒に仕事をしていくとなると、感情をしっかりとのせて話すことで伝わり方も違ってきます。

平田:
それを言うと僕も、いまでこそ社交的な人間ですが、そもそもが「母子家庭で育った引っ込み思案のシャイボーイ」ですから。若い時は、言いたいことももじもじして言えず、自分に話題が振られたら赤面する。広告代理店に営業にいくんですが、恥ずかしくて緊張して汗がダラダラ流れる。そういうところから始まってます。それが、この仕事ではプロデューサーから発言しないと何も始まらない。いい映像を作るためにも新しいスタッフとも仲良くなる必要がある。僕なりにがんばってやっていると、いつの間にか営業先でも「最近どうっすか?」って土足で踏み込むような人間になっちゃいました(笑)。

ーー信頼関係で結ばれたチーム力がみなさんのお話から強く伝わってきます。平田さんにとって部下の存在とは?

平田:
仲間ですよね。もし生田が悩んでいたら一緒に悩むだろうし。そういう意識はあります。僕自身が、太陽企画に入社して、「悲しいときは一緒に悲しんで、嬉しいときは共に喜ぼうぜ」という社風に触れて、人間として根源的なところで響いたんです。できないヤツがいたらみんなで励まして育て、良くないところがあれば本気で怒る。そういうDNAがしっかりと根づいています。若者からバカにされるから言いたくないのですが「アットホーム」な環境…。

生田:
「風通しのいい環境」ですよね(笑)。

今:
安心がありますよ。決して「お父さん」とかそういうポジションではないんですけど、「圧倒的に君臨する安心感」なのかな。そして、ちゃんと叱ってくれるから僕は成長できる。怒りの種類にも色々とあって、怒るけどそこには愛があるのが伝わるんです。信頼関係の上に日々の切磋琢磨があるので、仲がいいけどマンネリ化せず、向上心をもって仕事に当たれるというのはあります。

これからの自分と太陽企画

ーー最後にみなさんの未来のビジョンをお伺いしたいと思います。

平田:
定年まで進化を続ける。それが無理だと意識した時が仕事の辞め時と思っています。「自分がやらなきゃ誰がやる」って言葉。これは70年代に放映されていたテレビアニメ「新造人間キャシャーン」の最後に出てくるセリフをもじったものですが、この言葉が子供ながらに心に残っていて、「自分がやらなきゃ誰がやる」という気持ちをずっと持ち続けている。僕は本当にプロデューサーに向いているのか?と考えた時期もありましたが、この仕事が好きだって結論が出てからは、もうキャシャーンです。やれるところまでやろうって気持ちが決まったんですね。実際面白い仕事ですから。もう50歳を越えましたが、元気にプロデューサーをやっているおじさんがいてもいいんじゃないかなと。「広く浅く」「狭く深く」は誰でもできる。「広く深く(丁寧)」がプロの仕事だと思う。明るく、元気に、自分がやらなきゃ誰がやる、の心構えで、目指すは太陽企画の子会社の社長になることでしょうか(笑)。ここまで来たらもう太陽企画に恩返ししたいですよね。プレイングマネージャーであり続け、フットワークよくチャレンジし続けるためには子会社の社長がいいかなと。

生田:
平田さんが「がんばって仕事をするやつはかっこいい」って前に言っていたんですが、本当にそうだなって。その「かっこいいやつ」になるためにがんばっています。ダサくなりたくないですから。それと、丁寧な仕事を通して、きれいな人間になることが直近の目標です。仕事が丁寧な人って、プライベートともリンクしていて、人間性が丁寧で素敵な人が多いですよね。

今:
クライアント、代理店、そして監督やスタッフに対して、「売り込める自分作り」が抱負です。PMチーフになって自分のアイデアや働きかけが、作品作りに反映できるポジションになったので、積極的に提案をしていきたいです。自分の味付けしたCMが流れると実感が湧くし、楽しさにつながる。このいいループをつないでいきたいです。それと、僕は「人材育成委員会」のメンバーでもあるのですが、コロナ禍で1年目の業務の始まりが延びたり、現場に行ける機会が極端に減ってしまいました。実際に顔を合わせて話す機会も少ないから、それは不安だと思うんです。そういったものを補う形で先輩から後輩に教えられることを伝えようというプログラムです。個人的には「頼っていいんだよ」という関係を築くことにフォーカスしています。僕や生田の上に平田さんが君臨している心強さみたいなものを作っていけるといいなと思っています。

ーーありがとうございました。最後に平田さんから就職活動を控えているみなさんにメッセージをお願いします。

平田:
この業界や、映像が好きな人にぜひ来てほしいなと思います。世の中はすごいスピードで変革していますから、映像を作るだけでなくて、映像制作を軸にした新しいビジネスをやりたいという人もウェルカムです。表現物を扱う仕事だから、自分の感覚や感性といった見えない感覚を大事にする新しい仲間を待っています!

太陽企画に興味を持った方は コチラへ☟
http://www.taiyokikaku.com

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