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「自己分析とは?」対話カフェそもそも レポート#14

【開催日時】
2023年5月27日(土)
12:45~14:45
@池袋会場

第14回のテーマは「自己分析とは?」です。

就職活動においては、ほとんどの人が行う「自己分析」。

簡単でしたか?
難しかったでしょうか?

転職するとなれば、改めて自己分析が必要になった方もいるでしょう。

やらなきゃいけないけど、よくわからない作業。

自己分析とは何なのでしょうか?

今回の対話のレポートをまとめました。

自己分析について思うこと

まずは、自己分析について思うことを、どんどん挙げてみました。

「自己分析って難しすぎないか、と思います」

「就活と深く繋がっているイメージが強い」

「やるのは就活のときだけでいいのかな、と。就活以降も大切では」

「自己分析の方法が書かれた本を何冊か読んで実践してみたけど、うまくいったことがない。なんだか腑に落ちない結果になったり、分析結果が出ても役に立たなかったり」

「やれと言われるけど、いざやるとなると、何をやればいいのかわからない」

「自己分析をやったとして、何を目的にするのか?」

「自己分析という手段が先行して、目的が置き去りにされがち」

では、「目的」に着目して問いを立ててみます。

自己分析の目的とは?

「自分を社会に最適化するため」

「向いている仕事を導き出すため」

「自己アピールのため。就活で、『あなたについて教えてください』の質問に答えられるようにするため」

「好きなことを仕事にするのは、良いことなのか? 就活の自己分析だと、好きなだけでは適職とされないことが多い」

「なぜ、仕事に向けた自己分析ばかり語られるんでしょうか? 趣味探しとか、婚活とかで自己分析をするのはあまり聞かない」

「少し話がずれますが……メンタルヘルスとかで行うカウンセリングって、医師との対話を通した自己分析なんだなって思いました」

「やっぱり、誰しも自分がどんな人なのか知りたくてたまらない。そういうニーズはあるはずですよね」

「自分は何者なのか?」という問いは、時代を問わず多くの人が向かい合うものです。

「自分が何者か」を知るのはきもちいい?

「自分がどんな性格かとか、どんな人物なのか知りたい思う人は、どの世代でもたくさんいると思います」

「だから、占いや性格判断は廃れないんですかね」

「今も、MBTI診断とか流行ってますよね」

「前は動物占いとか」

「しいたけ占いとかありましたね」

「そもそも、自己評価ってすごく難しい。だから、他者から『あなたはこういう人ですよ』と判定してもらいたいんだと思う」

「でも、その判定結果が納得いかなかったら、信じないとかありますよね」

「言ってもらいたい内容があって、それを他人から言われたいのかも」

「自分で「私は繊細な性格で〜』とは言いづらいけど、『○○診断で繊細な性格って書かれてた』なら言いやすい」

自分では、自分がどんな人かわかりづらい。
だから『あなたはこういう人ですよ』という他者からの判定を求めるたがる……?

自分で自分を評価すること、他人に評価されること

「自分で自分を知るのは本当に難しい」

「でも、自分を知りたいというニーズはすごく強いと感じます」

「自己分析の本も売れてますものね」

「ジョハリの窓も自己分析の関連で、よく見聞きします。以前の対話でも出てきました」

「他人からの評価で自分を知ることが大切だとしても、それに協力してくれる他人がいるのか?という問題が……」

「他人からの評価も、それはそれでバイアスがかかりやすいですよね」

「親が、自分の子を見る評価とか、かなりバイアスかなっているなと思うケースをよく見ます」

「長男らしいとか、末っ子らしい、一人っ子らしいとかも、バイアスですよね」

ある程度の傾向はあるのかもしれませんが、やはり「長男・長女らしい」はバイアスに近いのかも。

自分も他人もカテゴリにはめたい欲

「自分も他者もカテゴライズしたい、何かにあてはめてしまいたいという気持ちが強いのかも。カテゴリにはめることによって安心する」

「セカオワの『Habit』の歌詞が、ちょうどそんな内容でした。なんでもかんでも分類したがるけど、それでいいの?みたいな」

「自分だけの違いがあっても、ただ違うだけでは不安になりやすい。その違いをもとにカテゴライズすると、安心する」

「だから、自分が何者かを語るとき、カテゴリで語ることが多い。日本人とか、どこどこ出身とか」

違いだけでは不安になり、カテゴリにはめると安心する。
それは、自分も、他人も。

最適解を教えてくれるAI?

「ある新入社員から『自分が与えられた課題について、課題解決のための最適解を教えてくれて、さらにその最適解を選んだ場合の結果を予想してくれるAIが欲しい』という話を聞いた。それを聞いて、そんなものが欲しいの? そんな人生楽しい?と思ったんです」

「若い世代であるほど、最適解を求めているようには思います」

「最適解と言っても、どの評価値での最適なのかで違ってきますよね」

「最適解を教えてもらいたい、という理由は、やっぱり不安なんでしょうか」

「失敗したくない、間違えたくない、無駄なことはしたくない、という不安、なのかも……」

「さっさと結果を出したいとかだと、タイパの話にも通じているような?」

「もっといろんな人に聞いてみたいですね」

ビジネスの課題や、人生の選択で、最適解を教えてくれるAI。
あったら使いたい人はどれくらいいるのでしょうか。

意思を置き去りにする自己分析?

「よくある自己分析って、自己分析と言いながら、ベクトルが外に向いているところが引っかかるんです。自己はもっと多面的なもののはず。自分の意思とか情緒が置き去りになって、自分を社会に組み込んでいくような感覚。そんな自己分析に違和感がある」

「やっぱり、自己分析とは『労働を通じて社会とつながるための最適化』ってことになってきますね」

「それを学生に『やれ』というのは、かなりの無茶振りだと思うんです。自分のことって、仕事の経験を通して気づくこともたくさんあると思いますし」

「話題になった、今年の東大の入学式での祝辞でも、似たようなことが語られてました。『夢は彫刻のように少しずつ削られて形ができてくるもの』、みたいな」

「就活では個性を求められるけど、入社したら個性を求められず、目標達成が最優先になる。個性を見せてくれ、は何だったんだ?と思います」

「クリエイター職も、実際には自分の個性を出せない。クライアントの指示に応える、クライアントワーク」

「社会に組み込むため、労働のため、自分を最適化する作業」が自己分析……?

就労のための自己分析

「就活でやるような就労のための自己分析って、結局浅い結果になりがちだと思うんです。好きなことをもとに、安易に適職を決めてしまったり」

「自分が好きなことのほうを突き詰めないですよね。そっちも大切なことなのに」

「変な表現ですが、『就活に向けた自己分析のための自己分析』が必要だったりしますよね。何が好きなのかとか、何が得意なのか、とか」

「やっぱり、様々な体験と、他者からの評価がないと、自分を突き詰めるのって難しい」

「得意なことって、自分では気づきづらいですよね。得意って、他人から見るとすごいけど、自分にとっては普通のことだから」

「就活の自己分析では『やりたいこと』じゃなくて『できること』を探している。本質は『やりたいこと』を探すのが自己分析』

『やりたいこと』と『最適化』

「転職した知人は、転職先を給与などの待遇面で決めたと語っていたんですけど、自分は少し引っかかった。自分のやりたいこととか、何を楽しいと感じるかとか、心の話が出てこない。みんな、そんなに自分に興味ないのかな?」

「『やりたい』よりも『最適化』が優先される空気が強いと思う」

「でも、『最適化』が100%悪いことではないですよね。やりたいことがはっきり決まっていないのであれば、とりあえず最適化に従って働くことで、わかることも多いでしょうし」

このあたりで時間いっぱいとなりました。

第14回の板書

ファシリテーターの思うこと

「自己分析ってなかなか難しい」くらいの感想しか持てないまま、対話を迎えました。

何のためにやるのか、そもそも本当に意味があるのかもよくわからない。

しかし、対話を通して、自己分析を様々な角度から考えられるようになりました。

就活の自己分析は『最適化』であり、やりたいこと探しではなさそうです。

やりたいことを見つけたい人は、就活の自己分析とは違う方法が必要になる。
具体的には、経験を積み、他者からの評価に耳を傾ける。

やりたいことは、ある瞬間にハッと気がつくのではなく、彫刻を作るようにだんだんと見えてくるものなのでしょうね。

参加してくださった皆様、ありがとうございました!

次回の開催案内

次回は2023年6月10日(土)開催。
テーマは「マウントとは?」です。
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