看護学校の話

看護学校は山奥にあった。ほんとに変な学校。学費は破格。学生は半数以上が社会人経験あり。パン屋、アパレル、保育士、キャバ嬢、なんでもいた。経験豊富な同級生はみんな世を渡る術をたくさん教えてくれた。カラオケの盛り上げ方とか、媚の売り方とか。

実習とか課題なんかはほんとに大変だったけど、それよりも大変だったのは先生から求められる一発芸の準備をすることだった。運動会、餅つき大会、研修旅行。度々一発芸を披露する場があった。そんなんも出来ないなら看護師にはなれないって看護師の資格を持つ先生が言うもんだから、資格のない学生に断る権利はなかった。どんな年齢層にもウケる芸って難しい。ドリフって凄いな。

学生の頃は産科で働きたかったから産科の病院に就職。楽しい。楽しいんだけど飽きた。次は何しようかな。いつか先生になって、学生に一発芸用意させながらニヤニヤしたいな。