鑑賞ゲリラ Vol.28 『あなたの場所から見えるもの』レポート(1) 2023/6/18開催
開催情報
【開催日】2023 年 6月 18日(日)
【会場】アートラボあいち
【展覧会】名古屋造形大学企画展「風土」
会期:2023年5月3日(水)〜6月18日(日)
【出品作家】
佐々木恵海(SASAKI Emi)
小杉滋樹(KOSUGI Shigeki)
瀬川晃(SEGAWA Akira)
内容
作品
小杉滋樹 (KOSUGI Shigeki)
●《無題》2022 キャンバス/アクリル 1303×1303mm
●《無題》2022 キャンバス/アクリル 1303×1303mm
鑑賞の記録
ファシリテーター(以下F):対話型鑑賞をしたことがない方?
・・・挙手なし(全員経験あり)
F:1分ほど2つの作品をじっくり見てください。
・・・参加者は自由に作品を鑑賞する。
F:気づいたことを教えてください。
▶両方の絵に三角形が描かれている。
▶爆発が起きている。三角形の先端が消失点に見える。色使いもモチーフも暴力的に感じる。
▶形は同じものが多く描かれているが、色使いは全然違う。
▶右の絵が明るく昼間に見える一方、左の絵は暗く夜に見える。
▶昼と夜で一対になっている。近くに寄ると絵肌の違いが見える。
F:共通のモチーフを用いているが、2つの絵はどんな場面を描いているのか?
▶三角形の中に車とバイクがある。街中の道路に見える。
▶松の木のようなものがある。
▶三角形に覆い被さっているものが手の指に見える。
▶戦時中のように見える。奥からこちらに向けての動きを感じる。指は巨人のものかもしれない。
▶右の絵に描かれている水色の物体は道路に空いた穴のように見える。
▶破壊された戦地に見える。
F:物語を作ってみましょう。
▶同時発生している事故現場のよう。
▶右の絵は、事故当時の心象風景を描いているのでは。黄色く塗られている部分は、記憶が消えかけている部分。
▶白くモヤがかかっている部分は記憶が消えつつあることを示している?
▶バイクでどこかへ通っていた時の記憶。曖昧だったり無かったりする部分がある。
【ファシリテーター】植村優子
【レポート】伊藤奈々
【鑑賞時間】30分
最後に、ファシリテーターが今日の発言をおさらいした。
二つの絵を見比べながら鑑賞することで、一つだけを見た時には気が付かなかったことに気が付くかもしれない。そんな新たな鑑賞方法を知ることができる機会となった。(伊藤奈々)