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【5億円調達】PETOKOTOがPetTechで変えるペットライフの未来

こんにちは、PETOKOTO代表の大久保泰介と申します。

このたび2021年11月にシリーズAで5億円(累計10億円)の資金調達をいたしました。

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今、ペット産業は、非常にチャレンジングなタイミングです。その中で僕たちPETOKOTO(ペトコト)は何に取り組み、どんな社会を作ろうとしているのか、どんな戦略で何に投資していくのか、お伝えできればと思います。

志高く優秀な人材に一人でも多くペット産業に入ってきていただけることを、そして願わくばPETOKOTOで一緒に働けることを願っています(採用ポジション一覧はこちら!)。

0. はじめに

メディアで僕たちを知っていただいている方はご存知の方も多いかと思いますが、僕は起業する3年前、25歳まで犬や猫が苦手でした。小さな頃は京都の田舎でカブトムシを捕まえたり、友達の女の子が柴犬の赤ちゃんを迎えてほしいと言われた時には両親に迎えたいと話したほど苦手意識はなかったように思います。ただ男三兄弟で世話が大変だったのか両親から認められず、その後、物心つくにつれ苦手な意識に切り替わり避けて生きてきました。

しかし、当時お付き合いしていた彼女が犬と暮らしていたことがきっかけで触らず嫌いだと分かり大好きになり、愛犬と暮らす中でデジタル化の遅れや殺処分問題などの社会問題を知り、人生を捧げて起業しようと今に至ります。結婚した相手はトリマーと、苦手だった自分の生活がこんなにも変わるのかと思うほど、人生は面白いなと思います。

ペットスタートアップでは珍しいバックグラウンドだと思いますが、中立的な視点で市場を見れる、それが僕でありPETOKOTOの強みだと思います。

現在の愛犬であるコーギーのコルクの存在も大きいです。現在5歳になります。

彼は「足が内股」という理由だけで、ペットショップの流通オークションから漏れ、その場に捨てられていたところを、保護団体がレスキューし、OMUSUBIのリリース前にカフェ譲渡会を開催したイベントにて出逢い、生後半年の頃に迎えました。下の写真がその当時の写真です。悲しい目をしている子だなと思っていました。

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今ではサーフィンをしたり、SUPをしたり、キャンプに行ったり、家族として楽しい時間を過ごしています。足が内股も健康上問題ないと言われ、元気に走り回っています。

彼のような境遇の子はたくさんいます。最悪のケースでは命が奪われてしまっています。この事実はもちろんですが、ここに至った考え方を人間として解決したいと考えています。

さまざまなロス問題、SDGsが取り沙汰されていますが、人間都合で供給を追い求めすぎるがあまりに不要なモノが溢れ地球が疲弊しています。しかし、野菜であれば良いというわけではありませんが、ペットにおいては顔が可愛い、小さいのが可愛いと需要が増えるがあまりに、裏側では多くの供給=繁殖がされ、ペットショップで人気がない子は例え病気がなくても保護犬猫になったり、命を奪われてしまっている現実があります。

人間として最も解決しないといけないロス問題は、命のロス、ライフロスだと信じています。

1. 僕たちが提供したい価値

では、僕たちは何のために働くのか。それは私たち人が生きる次世代の社会を少しでも良いものにし、無搾取に命が奪われることなく、全ての命が尊重され許容される社会にするためだと思っています。

PETOKOTOのミッションは「人が動物と共に生きる社会をつくる」こと。

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コロナや環境問題など未来の在り方が問われる中、今後必要になるのは真の意味での共生だと考えています。それはリアルとデジタルの共生でもあり、命の共生でもあります。僕自身がそうであったように動物が好きな人も、苦手な人もいて良い。受け入れる、受け入れないは自由です。しかしどちらも淘汰してはいけない。好きな人も、苦手な人も、犬や猫自身も、全ての命が尊重され、許容される社会が未来の共生の在り方だと考えています。

これは僕自身がUNIQLO UK/PARISで社会人をスタートしたロンドンの多様な文化、価値観が根源だと思います。

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2. PETOKOTOの現在

次に、PETOKOTOの事業の現在地についてです。

(1) 創業〜 チャネル形成の地道な5年間
PETOKOTOは2015年に創業し、当初はペットの思い出管理アプリを展開していました。現在はクローズしましたが、2016年5月にペットライフメディア「PETOKOTO」を開始。12月には保護犬猫マッチングサイト「OMUSUBI」を開始しました。累計サービスでの月間訪問者数は120万人、SNSフォロワーは18万と日本最大規模となっています。広告に頼るモデルにしたくはなかったため、PV至上主義のメディアではなく、飼い主の暮らしに寄り添いながらLTVを向上するMAU至上主義のメディアを地道に作ってきた自負があります。現在は、1日で1,000弱の詳細なアンケート情報が集まるまでになりました。

実現したい社会に向けて楽しんでやってきたと思っていますが、正直辛い場面も多くありました。SNSで華やかな印象の裏側で、歯を食いしばって耐えている起業家は自分に限らずものすごく多いと思います。昨年は人生の中でも一番苦しいタイミングで、最悪のケースが頭によぎったことは自分でも驚きましたが、そこを乗り越えたからこそ今があると思います。

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PETOKOTOを支えていただくのは、多くの専門家です。獣医師やトリマー、トレーナーなど国内外に150名以上のネットワークを有しています。D2Cモデルを活用したビジネスモデルと社内外に専門家がいる専門性が弊社の強みです。

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(2) 2020年〜 マネタイズを含めた拡張期

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地道なチャネル形成をしてきた会社ですが、この2年、PETOKOTOがD2Cモデルで大きく伸張しました。それがフレッシュペットフード 「PETOKOTO FOODS」の開始です。創業時からチャネル>マネタイズ=フードと定義していました。ペット市場の30%はフード市場のためです。

現在、会員数は1万人を超え、累計販売食数は500万食を突破し、多くの愛犬家と暮らすワンちゃんたちにご利用いただいています。売上は前年比700%増加し、今後市場を引っ張るリーダーとして、新興市場であるフレッシュフードの国内市場拡大が責務だという覚悟で取り組んでいます。

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フレッシュペットフード が成長する要因は飼い主の「私たちと同じ品質のごはんを愛犬にも食べさせてあげたい」ニーズに尽きます。今までのドッグフードは中身も過程も見えない透明性がないフードで、カロリー管理も非常に困難でした。

そこで、国産食材をメインにこだわり、生産者の顔から製造過程まで、中身も過程も見えるごはんを作っています。

そして、独自のアルゴリズムを通して、愛犬の情報を入力するだけで最適なカロリーを算出し、ごはんが切れないようにお届けするサポート管理を提供しています。水分量がドライに比べて高く、スチーム加熱・急速冷凍製法でお届けするため、手作りしたかのような香りや味、食材の栄養素をキープしたまま無添加でお届けできる総合栄養食になっています。

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3. ペット市場の国内外の状況

PETOKOTOのこれからを説明する上で、国内外のペット市場や環境変化をまず整理したいと思います。

(1) 海外市場の状況
海外でも共通するトレンドワードが「ペットの家族化」。ペットの存在が家族同然となり、デジタルを掛け合わせたサービスが拡大しています。特にペットテック領域に注目が集まっており、ユニコーンが増えておりIPOも増加しています。

アメリカではペット専門ECであるChewyは2019年にIPOし、売上は約7,000億円、時価総額は約2.7兆円となっています。

フレッシュペットフード でもIPOが出ています。FreshPetは約400億円の売上、企業価値は約6,600億円となっています。他にもおもちゃのサブスクD2CのBarkはSPACでIPOをしました。

アメリカに限らず、中国などのアジア、ヨーロッパでも急拡大しています。ペット市場は欧米が中心ですが、最も成長率が高いのはアジアです。

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ペット市場の成長はマクロ経済と大きく関連しており、成長ドライバは、
経済が成長

中間層が拡大

可処分所得が増加

ペットの飼育数が増加

ペットの家族化

ペットにかける年間支出額が増加

するという流れです。

日本は高度経済成長期からペット市場が拡大し、成熟市場となり飼育数は天井になりましたが、家族化が進むことで年間支出額が増加し、市場は堅調に増加しています。その点からアメリカやヨーロッパは日本と同じフェーズであり、中国やベトナムなどの東南アジア、インドなどは飼育数が急増することで市場規模が急成長しているフェーズになります。

一方で現代の発展途上国ではアーバン化(都市型開発)が進むため、中国などではアメリカとは違い、大型犬ではなく、猫や小型犬中心の飼育が増加しています。その意味で、日本の市場と似ており、今後発展する市場では日本発でグローバルなサービスが生まれる可能性はあります。

(2) 国内市場の状況

市場規模(売上)=飼育頭数(購入数)× 支出額(購入単価)ですので、ブレイクダウンして見ていきます。

(1)飼育頭数の推移

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まず国内には約1,800万匹の犬や猫が飼育されています。この数は15歳未満の子供の数を上回ります。社会ではマイノリティである一方で、家族の在り方としてはマジョリティとなっています。
飼育環境などの課題により飼育数は減少傾向でしたが、コロナを機に在宅で飼育環境が整ったことなどから直近5年間で新規飼育数は最大となりしました。

(2)年間支出額の推移

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次に犬や猫にかける年間支出額は10年間で+30%以上増加しています。キーワードはペットの家族化。家族同然だからこそ、良い食事をあげたい、一緒に旅行に行きたいなど、家族品質化のサービスが求められています。

さらに詳しい市場を見たい方は是非こちらの記事をご覧ください。

4. 中期戦略:フレッシュペットフードの市場拡大

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現在フレッシュペットフード市場は全体3,500億円に対し6億円ほどのマーケット規模しかありません。しかし、年次成長率で見ると全体の6倍と弊社を筆頭にシェア転換が始まっています。PETOKOTO FOODSのお客様は高価格帯であるプレミアムペットフード からの転換が8割ですので、900億円の市場からの転換を通して10年で300億円の市場、そのうち50%シェアの150億円を実現します。日経トレンディの2022年トレンド予測にもフレッシュペットフード を取り上げていただき、地盤はできたと考えています。

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その中での弊社の競争優位は、オーガニックのメディアを持つことでのCPAの安さとデータを介した1to1のサポートによるLTVの高さです。弊社サービスは現在初回から定期モデルのみですが、10%以下のチャーンを継続しており、買い替えが起こりやすいペットフードで高いトラクションを残しています。

この要因はドライと比べて嗜好性が高いことはもちろんですが、購入後にデータを把握して社内の獣医師や栄養管理士がサポートすることに尽きます。
今まではフードをECや小売で購入し、相談するのはメーカーではなく動物病院や飼い主仲間でした。相談相手が違う意見を持つため、スイッチングが起こりやすかったのです。実際にChewyも24時間ヘルプを展開することでChewyに聞けばなんでもペットのケアをしてくれる存在になりCPAやLTVが向上しました。且つ、弊社は購入前に愛犬の属性データを取得し、過去の問い合わせデータも保有しているため、暮らしに寄り添う提案が可能です。

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この強みを生かして市場拡大するために必要なことは2つです。

(1)認知の最大化
弊社のお客様は愛犬や愛猫のことを家族として想い、ペットへの可処分所得の割合が高い方です。弊社の属性では30-50代の女性でDINKSの方が非常に多いです。

全体市場を取りに行くのではなく、3,500億円のうち150億円を取りに行くためのマーケティング手法が必要です。現在はオンラインを中心にメディア、SNS、デジマを強化していますが、今期からモールの展開、オフラインでの認知拡大に努めます。最終的にはアジア市場への海外展開も目指しています。

(2)トレーサビリティサプライチェーンの構築
今までのペットフードは中身も過程も見えてきませんでした。原材料も牛肉と表示していても実際は牛骨粉などであることもありました。また、生産者の顔も製造過程も見えず、安心できるサービスがありませんでした。

そのため、弊社では生産者の顔から製造過程、原材料においてもSNSやサイトを通じて開示することを最優先で取り組んでおります。

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次に1つの広告戦略が名前のラベリングです。愛犬の名前を自動ラベリングをしてお届けしています。リリース当初はオフィスで1枚1枚印刷し手貼りしていましたが、現在は自動化しています。結果的に多くのUGCが生まれ、お客様の認知拡大につながっています。同梱物での体験には非常にこだわりがあります。このようにサプライチェーンとシステム両面を高度に体験を形成する、非常に難易度が高いですが、最高にチャレンジングな事業です。

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5. 長期戦略:ペットライフのコンシェルジュへ

メンバーの前でいつも「フードメーカーになったら終わり。僕たちはペットライフのコンシェルジュだ」と話しています。

現在までに出逢い、情報、食事とペットライフに寄り添う接点を作ってきました。家族として命との出逢い、そして食事の最期までに寄り添うことができ、自然と涙を流す場面も多いです。僕は泣ける仕事がPETOKOTOにあることが誇りだと思っています。こんなにも想いを馳せながらできる仕事はないんじゃないかと。

しかし、まだまだ未来図は大きいです。ペットとの暮らし全ての体験に寄り添っていくためです。獣医療、コマース、トラベル、保険、まだまだ多くの接点があります。PETLIFE WITH PETOKOTOとなるために、自社で展開するよりも最良のサービスが展開できる場合は外部パートナー様との提携を進めていきます。住宅家具はベガコーポレーション様、トラベル、保険は楽天様と業務資本提携を結ばさせていただきました。ONE IDでそれぞれのペットライフに寄り添うONE to ONEプラットフォームとなるためです。

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全ての体験をシームレスにつなぐワンアプリ構想を掲げています。そこで蓄積された属性、行動、バイタルデータを通して最適なタイミングで寄り添うコンシェルジュのようなプラットフォームを目指します。中国の平安保険をベンチマークに、ビジネスモデルはスノーピークを尊敬しています。体験を拡張し、シームレスにつなぐことでCPAとLTVを向上することを進めます。

そのため、今回の資金調達の使途は、マーケティング資金と人材採用の資金です。

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6. 一緒に働きたい人

PETOKOTOがアジアナンバーワンのペットライフカンパニーとなるために、多くの仲間が必要です。またペット産業に優秀な人材が入ってくることは意味があると考えています。

上記の戦略を遂行していくこのタイミングを僕たちは第二創業期と位置づけ、社員数も現在の18名から倍増する計画です。その中でも特に重視しているのが会社組織の要となるCXO/マネージャー層と、プロダクト開発を担っていただくエンジニア職/サプライチェーン職の採用、上場準備に向けたコーポレート職の採用です。

PETOKOTOの行動指針は三つ。ぜひ共感できる方はご連絡ください。

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7. 最後に

(1) 会社概要と募集の詳細
会社の詳しいご紹介は、こちらの採用情報をご覧ください。
愛するペットのために仕事がしたいと考えていた方、ぜひ一緒にチャレンジしてみませんか!

オンライン会社説明会イベントも開催します!ぜひご参加ください!

以上、5,696文字の長文、失礼しました。
お読みいただきありがとうございました!






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