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採用成功にゼッタイ欠かせない、「要件定義」と「選考時の加点評価」


こんにちは、採用コピーライターのたいすくです!

採用活動を行なう時、どんな人が採用するかを考える時に【ペルソナ設計】の話がよく出るのですが、求める能力を明確にするために欠かせないのが【要件定義】です。

【要件定義】とは、募集職種の仕事を遂行するために必要な「スキル」と「経験」と「知識」と「志向性」などのレベル感――いわゆる採用要件をきちんと決めておくことです。

僕に言わせれば、ペルソナ設計よりも要件定義のほうが大切です。

今回は、「採用成功にゼッタイ欠かせない要件定義と選考時の加点評価」について、お話ししていきたいと思います。「要件定義?」「選考時の加点評価?」という感じの方は一読して損はないと思いますよ!


要件定義は、なぜ必要なのか

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サーフボード

まず最初に、「要件定義はなぜ必要なのか」について、お話ししていきたいと思います。

例えば、入社初日の仕事にWordを使うものがあったとします。ということは、入社時点で「Wordがある程度使える」ことが必要なわけです。この条件を満たしている人は、入社初日から発生するWordを使った仕事をすぐにできる人、ということになります。

では、どれくらいWordが使えればいいのでしょうか。

曖昧になっている「ある程度使える」とは具体的にどういうことなのか。話を聞いてみると、「文字を打てて、プリントアウトできればいい」とのこと。つまり、この「Wordで文字が打ててプリントアウトできる」ということが採用要件。この採用要件を決める流れが要件定義になります。

もし、これが採用の時点で考えられていないと、入社初日に「えっ、Word使えないの?」「まいったなー、Wordくらい誰でも使えると思っていたよ」といった会話が発生し、新人にWordを教えるという想定外の業務が発生してしまいます。

これは、あくまでも例なので、実際にはWordぐらいすぐ教えられると思うのですが、もう少しレベル高めの採用要件だったと考えてみてください。実際の新人受け入れにおいて同じような会話が行なわれてることは、意外と珍しくなかったりします。先輩は新人にガッカリして人事に怒りを燃やし、新人は「聞いてないよ…」と会社に対して不信感を募らせてしまう。はい、いい事がないのです。

これが、採用において要件定義が重要であると理由です。


採用要件の抽出方法

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バリスタ

次に、要件定義はどのように行なっていくのか。採用要件の抽出方法についてお話していきます。

ざっくり言うと、募集職種の業務遂行のために最低限必要なスキル・知識・経験・志向性を洗い出していく、という感じです。

とにかく情報が必要ですので、募集部門長へのヒアリングから行ないます。しかし、「今回の募集する人に最低限必要なスキル・知識・経験ってなんですか?」とストレートに聞いてしまうと、大抵の場合、募集部門長は「1つとして無駄な業務はないからなぁ。クルマの運転ができて、営業の全体の流れが分かっていて、誰とでも気軽に接することができて、書類作成のスキルもいるなぁ…」というふうに考えてしまいがちなもの。結果、結構多い採用要件が発生してしまうことになりかねません。

“最低限必要”はゼッタイです。採用要件は少なければ少ないほど良いと考えてください。

募集職種の業務遂行のために最低限必要なスキル・知識・経験・志向性を洗い出す方法をご紹介します。まずは、

【1】募集職種の業務を箇条書きにする

次に、

【2】箇条書きにした業務の遂行時間で全体割合を書く

すると、こんな感じ(↓)になります。

<仕事内容の記述例>
・お世話になっているお客様へのご挨拶・外回り営業(60%)
・お客様からの電話での問い合わせの対応(20%)
・ノートPCによる発注処理(10%)
・各種書類作成(10%)

この中から全体の70%を超える時間を使っている業務にだけ注目します。

なぜかというと、これらはこの仕事の大半を占めるものであり、要は業務遂行ができれば、この職種の仕事の大半はできるということ。残りは、入社時にできなくても後で覚えられるものと考えて切り捨てます。

で、選別してみました。

<仕事内容の記述例>
・お世話になっているお客様へのご挨拶・外回り営業(60%)
・お客様からの電話での問い合わせの対応(20%)

この例の場合、上記2つの業務で全体の80%を占めています。ゆえに、上記2つの業務遂行に必要なスキル・知識・経験・志向性を考えていけば、それが採用要件になるというわけです。

こんな感じ(↓)ですね。

〇普通自動車免許と運転経験(外回りは社用車で行なうため)
〇直接お会いした時に礼儀を欠かない言葉づかい&立ち振る舞い
〇人の話を聞くのと話すのも好きという指向性

これが採用要件です。同時に、応募時の最低条件であり、選考の最低条件にもなります。


採用要件+加点評価の選考

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買い物

次に、選考の話に移ります。

多くの企業が減点評価の選考を行なっています。応募者を全員減点評価して上位者を後の選考に繋げていくというものですね。しかし、中小企業の場合、この方法だと応募者辞退に遭う可能性が高いです。なぜなら、求職者は複数企業の選考を受けているもの。優秀人材は他社から早期に内定が出てしまうからです。

それを可能なかぎり防止するには、選考のスピードアップが欠かせません。選考をスピードアップさせるためには、判断基準が明確である必要があります。カンのいい方はお気づきになられたと思いますが、最低減の業務遂行条件である採用要件が明確になっていれば選考判断は速くなるのです。

そして、ここがとても重要なのですが、
「採用要件以外の良いところはすべて加点評価」を心がけるべきです。

この理由についてはちょっと長くなってしまうので、一旦、段落を分けて説明しますね。


中小企業の選考でよくある失敗

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悩み

中小企業の採用において、僕が一番モッタイナイと感じているのは、合格判定応募者の取りこぼしです。

多くの中小企業の選考現場では、先に書いた通り、減点評価での選考が行なわれています。もっと言えば、要件定義がきちんとできていない状態で減点評価を行ない、応募してきた人たちの中の上位優秀者を採用するのが選考だと思い込んでいる節があるんですね。

「銃を持つ者は銃に撃たれる覚悟があるか?」という話がありますが、選考している多くの中小企業側に足りていないのは、「自分たちも求職者から選考されている」という自覚です。

求職者も減点評価を行なっています。内定をもらった企業いくつかを並べて、上位優秀企業に入社を決め、その他の内定もらった企業に対しては申し訳ない口調で内定辞退――入社企業としての不合格通知を出しているというのが現実です。

「いい人材だったんだけど、辞退されちゃったんだよねぇ」

…なんてノンキなことを言っている場合ではなくて。選考に対する考え方をすぐに改めなければ、成功確率の低い戦いを続けることを余儀なくされ、採用にコストをかける割には人が増えていかないという負のスパイラルからいつまで経っても抜け出すことができません。

で、最初にお話しした「取りこぼし」の話になります。

採用要件をきちんと考えられていない減点評価の選考で起きているのは、本来は職務遂行のための採用要件を満たしているのに、企業が自らの手で選考で落としている人たちがいる、ということ。

この人たちは、減点評価の選考では他に優秀な応募者たちの影に隠れて目立たない準優秀応募者なのですが、要件定義をきちんと行なった加点評価の選考ではスポットライトが当たるんですね。

このように書くと、「応募者の質を落として採用しろと言うのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではなく、「冷静になれば入社条件が満たされている応募者を無作為に落とさず、採用成功の確率を上げるべき」という話です。

そのためにも、「要件定義」と「選考時の加点評価」はとても大切なのだというお話でした。


さいごに

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本日は以上になります。
今回、お話しした内容は、これまで4000件以上の採用成功を実現させてきた僕なりのノウハウです。もっとも今回お話したことは応募数が少なければ成立しない話ではあるのですが、応募数を増やすための方法は下記の記事を参考にしていただければと思います。

採用は、人材に妥協する必要はないと思いますが、企業力以上の高い応募ハードルを設けても意味がありません。最終的に、優秀人材を採用するためには、優秀人材に見合った魅力的な企業になるしかないわけで。その道のりは長くなるものですが、一歩一歩進んでいくための採用の考えかたの1つとして、この記事に書かれていることがお役に立てれば幸いです。


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