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2020年、ヨカッタものを振り返る

 ドーモ、タイラダでんです。よくいらっしゃいましたね。

 さて、何とか無事に新しい年を迎えることができました。正直、年末年始を最悪の形で迎えかねない状況でしたので、これは本当にありがたいところでした。神に感謝などしませんけどね! お前らは敵だ。

 そんな中、年末年始にかけて映画や何やらの年間ベストを発表されている方が多数見受けられますね。僕にとっても、昨年は映画に限らずいろいろな作品に出合えた一年でした。そのいくつかはご縁がある方々からの紹介を通じてのものでしたので、本当にありがたかった。自分の守備範囲を外れたところに攻め込んでいけた気がします。

 というわけで出会えた様々なものを、特に順位付けなどせずに振り返ってみるなどしていきたいと思います。順位付けをしないのは単純で、できるほど数をこなしていないからですね(特に映画。話題作しか見ていない)。

 では、さっそくやってまいりましょう。

★映画編

① パラサイト 半地下の家族

年明け早々、お隣の国から叩き込まれたサスペンス&ブラックコメディー。とんでもない脚本・展開なのにそれを不自然に思わせないのは演出と俳優陣の実力あってのことでしょうねえ。
 は? 地上波でやる?

② ミッドサマー

大傑作『へレディタリー』の監督アリ・アスターが全力で作った『癒し系ホラー』。いや、ホラーではありませんかね? とにかく、終わらない夜のような主人公の心が少しずつ救われていくのを丁寧丁寧丁寧に描いた結果、見ている観客は「うわあ……」としか言いようのない怪作に仕上がってしまったというわけですね。

③ カラー・アウト・オブ・スぺ―ス

マイフェイバリットラブクラフトである『宇宙からの色』を、いろいろなところに目配せしつつ仕上げて見せた神話的『北の国から』。ニコラスケイジの怪演、「宇宙からの色」としか言いようのない色使い、『遊星からの物体Ⅹ』、そして謎アルパカなど見どころたっぷりの大エンタメ作。ベスト1を選ぶならこれかもしれません。

④ TENET

間違いなく、決してストレートな作品ではない怪作。だのに大ヒットさせてしまったノーランのワザマエが光る一作。見ている最中、ド派手なアクションと小難しい理屈と「は?」となるトンチキ展開とが立て続けに叩き込まれる結果、見た人が「何だか知らんがとにかくよし!」と、現人鬼化してしまう現象が多発したとかしないとか。

⑤ 羅小黒戦記

 中国アニメ界からの刺客が、「カワイイ」と「カッコイイ」を両手に装備して殴る殴る殴る! いやあ、「舐めてた相手が実は凄腕」に外れなしとは言いますが、完全に油断していたところに叩き込まれてこちらは完全にノックアウトされてしまいました。それはそうとあなた、ナタくんちゃんが最高ではありませんでしたか? でしたよね? そうですか、それはよかった。

⑥ 映画プリキュアミラクルリープ

 ここ最近のプリキュア映画は外れなしなのですが、今作はその中でも白眉の出来と感じました。70分の尺の中でタイムリープをやり、格闘アクションをやり、お約束を踏襲し……はっきりいって、プリキュアの良さが全て、過不足なくそろっています。プリキュア初心者にもお勧めできる、まごうことなき傑作です。

書籍編(小説・漫画・その他)

① 煙か土か食い物

 ジョン久作さんから教えていただいた、舞城王太郎氏のデビュー作。舞城王太郎作品は初めて手に取ったわけですが、間違いなくおススメされなければ読もうとは思わなかったでしょうね。実際読んでみた結果「こいつは面白い!」となってしまったわけですから、ジョンさんには感謝しかないですねえ。

② 謎の独立国家ソマリランド

 ツイッターのTLで時々見かけたミャンマーの柳生一族』(ミャンマーの柳生一族!?)を読んでみたところ、その軽妙な語り口にすっかりはまってしまい、著者:高野秀行氏の諸作を読み漁るようになりました。今作はその中でもピカイチの面白さだと思います。人間、何が一番面白いかって「未知の世界に触れること」ではありませんか? 今作は頭からしっぽまでそれでできていて、ページをめくる手が止まらないという経験を久しぶりにしました。おススメです。

③ 三体Ⅱ

 そういえば、ページをめくる手が止まらない、ということでしたら今作もまさにそうでした。謎また謎を呼ぶ展開。未来世界のビジュアル、社会情勢のシミュレート……すべてがスケールアップした大傑作でしたね。作中、しょぼいのは三体星人のやっていることだけでした。超技術で嫌がらせレベルのことしかやってないというね……。

④ 無数の銃弾

 何か文句でも? ありませんね? それはよかった。 まあでも実際、読者視線でも収録作はチョー面白い作品ばかりです。本気でお勧めしますので、未読の方はぜひドーゾ。

⑤ ヤンキー君と白杖ガール

 たぶん昨年、今作に出合えたことが最大の収穫の一つではなかったかと思います。もはや雨後のタケノコのように乱発される「変わった男女の恋愛模様」を描いた作品の一つなのですが、今作は視覚障がい者とヤンキーの恋愛を通して、さまざまなことが作中で語られていきます。社会の外に置かれるとはどういうことか、置かれたものはどう感じてるのか、そして社会の構成員たる我々はどうするべきか……。それらの難しい問題が、決して大上段からの説教ではない優しい視点で語られていく様には、正直感動すら覚えました。傑作!

未来へ……

 2020年は世間・公私ともにとんでもない一年でした。そのあおりなのか、エンタメ摂取量はここ何年かでもかなり少ないものとなってしまっていた気がします。2021年はインプット・アウトプット共に量をこなすことが目標ですね。がんばります。

◇いじょうです◇


そんな…旦那悪いっすよアタシなんかに…え、「柄にもなく遠慮するな」ですって? エヘヘ、まあ、そうなんですがネェ…んじゃ、お言葉に甘えて遠慮なくっと…ヘヘ