【全文公開中】良質なコミュニケーションはシンプルな思考から始まる(話し方で損する人 得する人を読み学んだこと)

『人間が抱える全ての悩みは人間関係に起因する』

 かつてアドラーはこう言った。

 改めて自分の悩みを思い返してみる。確かに僕の脳裏にはいくつもの悩みがあり、それらが全て、人に起因する。どれだけ機械的に生きようとも、何らかのコミュニティに所属する必要があり、そのコミュニティにいる限り人付き合いを避けることはできない。人付き合いは自分の人生を飛躍させるかもしれないし、落とし込むかもしれないのだ。

 どうせ避けられないなら、皆と最高の関係を気づいて、最高に楽しみたい。そして、そのために自分が戦略的にコミュニケーションすることは何も悪いことではない。つまり、戦略=気遣い、だと考えている。

 そのためには自分の思考を正し、コミュニケーションに関する本から人のコミュニケーションの傾向や癖を学び、活かそうとするのが良いと考え、以下の書籍を購入した。


■概要

 本書は、同じことを伝えようとしているにも関わらず、伝え方の違いによって損する場合と得する場合があることに着目。適切な伝え方を選ぶことで最高のコミュニケーションを戦略的に実施することを目的にしている。

 本書から3つのエッセンスを僕が抽出するとしたら以下のようになる。

①人は自分の思うとおりに動きたい

②誰かの評判を下げるのではなく、自分の評判を上げる

③相手のことを強く想い、その人になりきる

 これから、この3つのエッセンスを軸に本書から僕が学んだことを書き記していく。が、その前に、このような本を読む場合、必ず気をつけなければならないことがあるので、それについて触れたい。

■学びを抽象化せよ

 仮に本書を一年前の自分が見れば「こういう自己啓発本は当てにならない」と非難するだろう。具体的なケースが羅列されているが、本質的な学びがないように思い込んでいた。

 しかし、数多くの書籍を読むことで僕にも読書スタイルが定着したらしい。このような書籍を読む場合に最高の学びを得る方法を修得した。

 それが抽象化読書だ。

 難しい言葉を並べているようだが、慣れるとそこまで難しい代物ではない。就活で自己分析をやったことのある人ならすぐにできる。WHYやHOWによって具体的な事象を汎用的にするのだ。「要は」「簡単に言うと」という形で表現できれば良いと僕は概ね考えている。

 例えば、『話している最中に話題を変えられるとイラっとする』ことがあったとする。他にも『話そうと思っていたことを忘れてしまい悲しくなった』こともあったとする。

 これをWHYで深堀して抽象化すると『人は自分の思ったとおりにならないとネガティブになる』という考えが導き出せる。※人によって変わる可能性はある。

 このようにひとつの事例をそのまま真に受けるのではなく、抽象化することでより汎用的で様々な機会に活かせる学びを導き出すことができるのだ。

 本書のように44パターンの損得比較をしている場合は、この抽象化読書によって、より多くの学びが導き出せる。上述している3つのエッセンスも抽象化のひとつの形になる。この読書方法を知っていると読書効率は上がるし、これまで学びがないと思いこんでいた書籍からも学びが得られるので必ず意識してほしい。

 それでは以降で、この抽象化読書を通じて得た学びを文章にしたいと思う。

■人は自分の思うとおりに動きたい

 実は先ほど抽象化読書の例で示したものは本書で僕が学んだことの一つだ。本書の中では「実はこんなことがあって……」と話し始めた友人に対して「それってさ」と話の腰を折ったり、「要は」と勝手にまとめたりすることが、どれだけ損する伝え方なのかが書かれている。

 相手に質問したり、相手の考えをまとめてあげたりすること自体は何ら悪いことではない。問題なのはタイミングだ。先ほど僕が抽象化したとおり、相手は何らかの意図があって相談している。その意図が途中で阻まれてしまえば、その人はそのやり取りにネガティブな印象を抱くだろう。それはイコールあなたへのネガティブ思考に直結する。

 自分の経験を振り返って考えてみてもいいだろう。あなたが相談するとき、論理的な回答ばかりする人を相談相手に選んでいるだろうか? 確かに問題が成熟してきた段階で、具体的な解決策を望んで、そのような人を選ぶこともある。しかし、何よりも話を聞いてもらいたい衝動が一番強いのではないだろうか。自分の中で折り合いがついていないことに対して、色々と解決策を提示されても、自分の中で問題がカオスなので、それが本当に良い解決策なのか考える余地がないと思う。

 だから、まずあなたがすべきことは、相手の意図を読み取ること。恐らくそのためには徹底して相手の話を聞くことになるだろう。変な話、そうすることで、自分がほとんど言葉を発していなくても「この人と話すのは楽しい」「居心地良い」と思ってもらえる。相手の中で問題に整理がついたところで、その人に解決のための考えがあるのか訊いてみる。なければ一緒に考えてあげる。このシンプルな流れがとても重要なのだと再認識した。

■相談以外の場面でも、相手の思うとおりにやってみる

 相談時にあなたがすべきことを書いたが、他にもこの考え方は応用できる。例えば、相手が経験した面白い話をしてくれるとき、大きな声で笑いリアクションしてくれる人がいれば嬉しいだろう。僕の周りにもそれができる女の子がいて、僕はとても尊敬している。相手も気負わずに話ができるので、色んな話を引き出している印象だ。

 また、社会人になるとよくある幹事を任されたとき、必ず出欠確認がある。ここで連絡を返すのが遅い人が必ず出てくる。期限を設定すると、とりあえずそこまで保留しようと考える人が一定数存在するのだ。しかし、ここでも必ず回答をすぐすると好印象だ。なぜなら幹事は「早く出欠を確定させたい」と考えていて、それに寄与することは間違いなく嬉しいことだからだ。

 このように「相手の思うとおりに動く」というのは、すごくコストがかかる。だからこそ、相手に響くとも言える。そして、どのような場面であっても意図の全くないやり取りなどない。なので、実践チャンスは腐るほど存在する。僕たちは、このチャンスを逃さないようにしなければならない。

■誰かの評判を下げるのではなく、自分の評判を上げる

 本書の中でネガティブな事例として紹介されているのを見ていると様々なことを考えさせられる。

 例えば、セルフハンディキャップについて書かれている箇所。セルフハンディキャップとは、見え見えの予防線を張ることだ。よくあるのがテスト前に「ほんとに勉強してないからさ」と周りに誇張することだろうか。人は自分の立ち位置を守るのに必死な生き物だ。そうやってすぐにマウンティングしようとしてしまう。

 ちょっと違う見方で自分の立ち位置を守ることを考えてみよう。

 例えば今から一時間後に締切の提出物があるとする。入念に準備してきたつもりなので、余裕で他の仕事を進めていると、それを一緒に担当している別部署の担当者から電話連絡が入った。「すいません、必要な要素が漏れていて、やり直しになります。頑張っても一時間後には間に合いません」。こんな連絡を受けたら興醒めだろう。そんなとき、周りに対して「あいつ、あり得ないですよね? 前も同じようなミスしてましたよ」と毒づいたりしていないだろうか。

 この例示ではつまり、その担当者を共同の敵とみなし、周りと一緒に彼を蔑むことで自己肯定感を高めようとしているように思える。もちろん僕も似たようなことをやったことがある。敵を作るのはすごく簡単で気持ちが楽になるソリューションなのだ。

 しかし、本当に悪いのは、その担当者だけなのだろうか。そのミスを他が気づかなかったのではないか? もしかすると、そもそもミスを拾い上げる仕組みができていなかったのではないか? そんなことを考えると、この問題も複雑な背景が見えてくる。

 そして何よりも人はネガティブな話をしていると、その話をしている人自体にもネガティブな印象を抱いてしまうケースが存在する。これは脳が、「ネガティブ」という要素と「話している人」を別々に情報として保持し、勝手に組み合わせてしまうことから生まれるのだと推察している。

 こうやって考えると恐ろしいのは、自分の立ち位置を守るための行為が、少し間違えるだけで自分を陥れる行為になりうるということだ。だから僕が提案するのは、相手を下げるのではなく、自分を上げるために戦略的なコミュニケーションをするということだ。

 例えばテスト前には「全然勉強してないよ」ではなく「昨日頑張ったんだけどさ」と素直に話す(もちろん勉強していないのに無理することはない)。それで点数が悪かったら周りが笑ってくれるし、点数が良ければ周りは感心してくれる。人は隠れた努力に共感するものだ。その努力を下手なマウンティングで損するコミュニケーションにしてしまうのは非常にもったいない。

 担当者の失敗ケースも上述したように問題点を考えて改善策を話し合うようにしよう。既に起こった問題で犯人探しをしても仕方ない。それよりも未来に向けて、改善していったほうが、今後もより良いコミュニケーションができる。

 ポジティブな共感を生み出し、相手を下げるのではなく、自分を上げるのだ。

■相手のことを強く想い、その人になりきる

 これまでに僕が述べてきたことは「相手のことを強く想い、その人になりきる」ことで導き出される。

 相手のことを強く想い、その人になりきることで、自分がどのようなコミュニケーションを取ればよいのか戦略的に考えることができる。そうすれば、本書のようにまとめられている日常の様々な気づきが自然と自分の中で溢れるようになる。これは非常に大きな力だ。それを使ってクリエイターにもなれるだろう。

 だから、まず最初の一歩として、あなたの目の前にいる人のことを強く想い、その人になりきってみるべきだ。戦略的コミュニケーション=気遣いはそこから生まれる。

 この記事はこれで全てです。もし、この記事を気に入ってくださった方は、記事の購入から僕をサポートしてくださると、とても嬉しいです。

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りっちゃん(元やまゆう)@読書ブロガー

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