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センスの正体

僕が抹茶アイスで初めて食べたのは、茶寮辻利の抹茶アイスだった。
抹茶とアイスって美味しいの?という警戒心からそれまで口にしなかったけど、抹茶アイスって美味しいではないか〜とその後手当たり次第に抹茶アイスを試すも最初の感動をなかなか超えない。
答えは簡単で、最初が最高の品だったからだ。

僕はお茶が好きで、普段コーヒーを飲まない。
しかし渋谷のカフエ マメヒコでは、イベント時にコーヒーをいただけるので、コーヒーを飲む。
コーヒーの味が辻利の抹茶アイスのように記憶される。
他でもコーヒーを試しに飲む。
やはり感動はないし、物足りないし、なんならあのコーヒー美味しかったなぁという気持ちしかない。
これも最初が最高だったということだろう。


こうやって書くと、あたかも自分は目利きです、と言わんばかりだが、最高、高級のものを知る、試す、味わう、買ってみるということを人一倍大切にはしているつもりだ。


それにはこんな経験が関係している。
僕は一時期革靴が好きでいろいろなブランドの革靴を調べて、見て、履いて、実際に買っていた。
革靴にはデザインによってフォーマル、カジュアルなどの使えるシーンが決まる側面があり、欲しいシーンのデザインでどのブランドのものが、美しく、履き心地が良いかを調べて比べて実際に試すわけだ。

当然お財布とも相談になるので、そのとき手が出る最高のものを買ってみる。
しかししばらく使うと同じデザインの手が出ない最高のものが欲しくなる。
美しさ、履き心地、文句なしなので結局最高のものを買うと最高なものしか履かなくなるので、 最初の靴の出番はなくなってしまうのだ。
そしてそれはなんだか申し訳ないし、もったいない。

ならばよく調べ、値段を判断基準にせず、そして値段で妥協することなく、数試して、心の底から気に入った最高のものを最初に買う最後の一つにしようと決めたことが、最高のものに最初に出会える理由なのだと思う。


センスや美意識というものは、ある程度数を試して知っている必要性が、まずある。
そして激安も普通も高級も、どれもそれぞれいいところと悪いところがあるので、実際に試したり、実際に買ってみなければ、わからない部分がある。

アパホテルにはアパホテルのよさが、帝国ホテルには帝国ホテルのよさがあって、両者を知ることによって初めてシーンに合わせて塩梅やバランスを取って「選べる」ようになる。

この「選べる」のバランスのよさが僕はセンスと言われる部分だと思うので、激安だけでも、高級だけでもなくて、様々なものを調べて、試して、買って、味わうのがセンスのよさみたいなものに関係しているように思います。





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