娘がいじめをしていました
読んだきっかけ
今回読んだ本は「娘がいじめをしていました」です。
ふとXを見ていた時に冒頭数ページが公開されたポストを目にし、とても深そうな内容の予感がしたためApple Bookで即購入した作品です。
あらすじ
いじめをした側の親とされた側の親
この本ではいじめを行なっていた愛ちゃん(小学5年生)の両親と、愛ちゃんにいじめを受けていた小春ちゃん(小学5年生)の両親がそれぞれどのような心情なのか、場面が入れ替わりながら物語が進んでいきます。
まさかウチの子がいじめなんて…
物語は愛ちゃん側から始まります。家族でご飯を食べていると、ふとニュースが流れてきます。
ニュースを目にした愛ちゃんのお父さん、「オレだったら絶対許さない」と一言。お母さんが、「大人の見えないところでやっているのよ」というと、「気づくでしょ。だって自分の子供のことだよ」と当たり前かのように言いました。そこに現れる愛ちゃん。お母さんが「いじめなんてないよね?」と聞いても「ないけど」と言うので特に気にせずにいた。
私の娘もしかしたら…
場面は小春ちゃん一家に変わります。転校してきてしばらく経ち、小春
ちゃんの様子がおかしく感じた2人。学校に気がけてもらうよう伝えたが、数日後、服がボロボロの状態で小春ちゃんが帰ってきました。
娘がいじめをしていた
小春ちゃんの親から連絡を受けた愛ちゃんのお母さん。愛ちゃんは「自分のせいじゃない」、お父さんは「そんなことするはずがない」と擁護。お母さんは二人を叱りました。次の日、小春ちゃんの家に謝罪に向かうのでした。
ここから先は本を読んでのお楽しみということで…
感想
人の行動は親の教育だけでは決まらない
今回、いじめをしていた愛ちゃんですが、小さい頃は小春ちゃんととても仲良く遊んでいました。しかし、数年後に小春ちゃんが転校してきた途端、いじめの標的にしてしまいました。一体、愛ちゃんに何が起こったのかを考えると、考えられる要因として「周りの環境」が挙げられます。他人を貶す人、それに賛同する人、その状況を面白がる人。そういった環境にいると、いじめを行うことで一度優越感を感じてしまったら、なかなかやめられないのかもしれません。特に、それが子供の場合、何が良くて何が悪いのかすら理解できないでしょう。。。
とはいえ、大人になった私たちの身の回りでも、同じような状況が見られることは少なくありません。むしろ、大人である分、そのやり方がより悪質になることもあります。しかし、大人だからこそ、自分が置かれる環境を選ぶ力があります。『朱に交われば赤くなる』という言葉が示すように、人は環境に染まりやすいものです。だからこそ、私たちは自分自身でよく考え、関わる人や組織を慎重に選ぶ必要があるのかもしれません。
人は集団になると強い
物語の終盤の話になるのですが、この両親だけでなく他の児童の保護者が登場します。いじめをやった子供への非難を行うわけですが、これがとても力が強い。人は固まると強いし、それが一個人に向けられたなら簡単に心なんて壊れてしまうだろうなと思わされました。
最後に
私たちが小学生の頃から、あるいはもっと前から言われていた「いじめを無くそう」という運動ですが、今いじめはどれくらい起こっているのでしょうか?東洋経済新報社のデータがありましたのでこちらをご覧ください。
見て驚きました。凄まじいほどの上昇傾向。少子化が続いているのを考えるといじめを経験する人の割合は確実に上昇傾向にあるでしょう。これを見ればニュースで度々いじめ関連のものが報道されるのも納得です。今はハラスメントとすぐに言われる時代になり、先生方も説教したくてもできない、だから改善しないという状況なのかもしれないですね。学校教育のこれからに期待してます。
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