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虎子奮迅 4-5

翌日、虎之介が山本の事務所に行くとすでに山本が来ていて虎之介から声をかける。
『おはようございます。早いですね。』

『おお、おはよう、今日銀行の人間呼んでるから早めに来たわ、色々書類の用意があってな。それと今日昼から兄貴が達也君の面会に行くらしいんで虎も付いて行くか?何か兄貴が達也君に話があるらしいから途中で虎は退室せないかんかも知れんけど顔ぐらいは見せれるやろうって。』

『はい、行きます。何時に迎え行ったらいいですか?』

『まあ、そう言うやろうって事で兄貴が昼すぎに隆二君の運転でこっちに来るからここで待ってていいらしいぞ。それともう少ししたら銀行の人間が来る事になってるからちょっと外出しといてくれな。10時30分の約束やからよろしくな。』

『分かりました。その間に本屋にでも行ってきます。達也さんに差し入れしたいんで。』

『分かった。そんなに時間かからんやろうから昼前には戻って来てくれよ。』

『はい、事務所の掃除なんかを終わらせて出かけて来ます。それにしても達也さん何かあったんですか?昨日から気にはなってたんですけど。』
と昨日から思ってた事を素直に山本に聞いてみる。

山本は一瞬考えた後
『うーん、俺の口からは何も言えんけど達也君も色々思うところや悩みなんかがあるんやろ。今日は兄貴が会いに行くみたいやから大丈夫やろ。話していい事なら兄貴も教えてくれるやろうしな。』

『分かりました。余計な詮索は辞めときます。』
多分何かあるなとは思ったがこれ以上は聞いても無駄だなと思い虎之介は大人しく納得したふりをした。


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