【人道支援ハイチ】イスマンのスパルタ方針〜お前の先には何がある〜
皆さんこんにちは
人道支援家のTaichiroSatoです。
今日は僕の同僚であるイスマンを紹介しつつ、彼と僕の厳しい関係について書いていきたいと思います。
ハイチでのフランス語生活
ハイチに入ってから一ヶ月以上が経ち、フランス語は未だに全然わからないが、ミーティングで意見を求められたり、大人数のスタッフの前で1時間も2時間も説明しなきゃいけなかったりを繰り返している僕は、今現在、必死でここでの生活を送っている。
イスマン。
ポッコリお腹にアルパカのようなぱっちりお目めと長いまつ毛。身長僕と同じくらいのアフリカ系のイスマンは、非常に癖のあるフランス語を喋るが、同じ看護師としてハイチに入っているプロフェッショナルである。
イスマンと僕の厳しい関係
彼は英語は喋らない。彼の使用言語は母国語とフランス語である。
最近の僕はというと相変わらず、会話で「???」となり、聞き返すことが多い。しびれを切らしたスタッフ(会話相手)がなんとか彼らの知っている英語で説明しようとしてくれることもあるが、非常に稀である。
このときはだいたい伝わらないわけなのだが、この状況をイスマンは許さない。
他のスタッフが英語を喋っているところを見つけては、または、自分が英語を喋っているところを見つけては、
フランス語だけだ
と一喝し、去っていく。
こんなことが繰り返され、僕の周りのスタッフたちは一瞬たりとも英語を喋ることがなくなったのであった。
英語はここでは、僕の意思疎通ツールであり、逃げ道でもある。
それを幾度となく奪っていく、イスマン。
なぜここまで厳しく接するのかわからないという日々が数日続いた。
イスマンの態度の意味
数日後。彼と二人きりになったときにおもむろに彼が喋りだす。
タイ(僕のニックネーム)。
イスマンは続ける。
お前の先には何がある?
ん?と、意表を突かれた質問を受けた僕は少し戸惑う。
お前はこれからもっと上のポジションに行くんだ。
チームを作るんだよ。
フランス語で躓いてる場合じゃねぇし、
その場しのぎで今ここで英語喋ってる暇はお前にはねぇ
お前のフランス語でジタバタしている時間をな
待っている人たちがいるんだ。
立ち止まっている暇なんかない。
さっさと前に進めよ。
今この瞬間も、この先も、
お前にできる仕事が世界中にあるだろう。
フランス語でも英語でも
お前を待っている人がいる。
妥協するな。
努力はお前の為だけのものじゃない。
チャレンジは誰のためか
以前にインタビューを受けて話したことがある。
人道支援を志し、チャレンジしたときは己のため、自己実現だった。でも今は、見えない人たちも含めて僕を応援しサポートしてくれるすべての人たちへの感謝も込めて人道支援をする、そんな心境の変化がある。
第3言語で仕事をすること。
情勢不安やマンパワー、物資に限りががある場所で
最大限のパスォーマンスを出すこと。
僕自身も、そしてチームとしてもチャレンジは尽きない。
今一度自分に問う。
このしんどい状況。
この大きなチャレンジは、誰のためか。
僕のため、だけではないのだ。
どこかの国で僕にできることがあって
それを応援し、サポートくれる人たちがいる。
甘えるなよ。
妥協するなよ。
そして、もっと先に進めよ。
イスマンが僕の背中をすごい勢いでプッシュしてくるようだ。
物事の本質を捉えて言語化できる人、そしてそれを体現できる人が一体どのくらいいるだろうか。
厳しくもあり、愛のあるイスマンの思考と行動に感謝しつつ、振り返ることなく僕はがむしゃらに走る。
躓いてる場合じゃない。
努力は僕だけのものじゃないのだから。
PS.
でも、僕の心の何処かで、ホントはイスマンがわからない英語を聞きたくないだけなんじゃないか?という疑いの念が僕の中で消えないことも、これまた事実なのである。
次回をお楽しみに。
Best,
Tai
いつも記事を読んでいただきありがとうございます!!記事にできる内容に限りはありますが、見えない世界を少しでも身近に感じてもらえるように、自分を通して見える世界をこれからも発信していきます☺これからも応援よろしくお願いします🙌