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【人道支援ハイチ】僕のメンタルヘルス~帰国後4週間の心の軌跡~

みなさんこんにちは
人道支援家のTaichiroSatoです。

花粉の季節。
私の父は、花粉がすごいすごいと言いながら、休日には毎朝洗車をし、ピカピカになった車を見てニタニタしながら、
はっくちょー--ぃと、クシャミをしている今日この頃。

佐藤家の愛車 ビートル

皆さんと花粉症とのお付き合いは如何でしょうか?
幸いなことに僕は、花粉症とは無縁の生活を送っています。

さて、前回の投稿から少し空いてしまいました。

「僕のメンタルヘルスシリーズ」投稿が途中で止まっていた為、心配の声をたくさんいただき、ありがとうございました。僕は元気です。
帰国から4週間という時間がたった後の自身の思考のひとつの着地点のようなところを示せたらいいのかなと思います。
そして、今回の投稿が今回の帰国後のメンタルヘルスのひと区切りになると思います。
誰もが自分でも気づかない心の動きがあるのかもしれません。それは第三者からのサポートを受けることで、もやもやしたものが軽くなったり、もやもやの輪郭がはっきりさせることができるのかもしれません。
この記事を読んでくださるみなさんの中で、僕の記事が少しでも助けになれば嬉しく思い、今回の記事も書いていきたいと思います。


居心地がいい。それはなぜかを掘り下げる
心理士のマキさんとのカウンセリングも数回を数え、マキさんの言葉にハッとさせられる。

帰国してからもうすぐ3週間が経とうとしていたその時、僕は新潟のスキー場にいた。当時の僕は人混みを避け、不特定多数に会いたいとは全く思わなかったが、国境なき医師団メンバー(以後MSFメンバーと略す)には、会いたいなと思っていた。
新潟でスノボをしつつ、昼ご飯の時にスキー場の待合でマキさんとのカウンセリングを受ける。そもそもちゃんとしたところでうけなさい、と怒られそうなものだが。
まぁそこは置いておいて、ぼくは、待合室で静かな電波のいいところを探し、50分の時間をマキさんとの会話に集中した。

マキさん、僕、いまスノボに来ているんです。○○さんたち(MSFメンバー)と一緒です。

マキさんは僕にニコニコして質問をする。

佐藤さんは、なぜそのメンバーといると、居心地がいいと感じるのでしょうか、MSFメンバーのどんなところが好きなのでしょうか、どこに安心するのでしょうか。
そこに、いくつかヒントが隠れているのかもしれませんよ。

僕は少し間をおいて考える。
なるほど。なぜ、自分がMSFメンバーを心地いいと思い、選び一緒にいるのか。それをしっかりと言語化することで自分にとっての心地の良さを明確にすることができるのかと納得したのを覚えている。

僕がMSFメンバーと会いたいと思う理由、彼らと帰国直後に旅行に行く理由。
MSFメンバーの仲間たちは僕に自然と質問してくる。

おかえりなさい。人混みは大丈夫?
まだ時差ボケ残っている?旅行は疲れない?
無理しなくていいからね。

僕が説明する前に、あたかもぼくの心の中を先に知っていてくれているかのように「 確認 」してくる。
彼らもそんな経験があるのだろうと想像するに難しくない。
説明せずして、自分の意識を、体験を、言語化してくれること。そこに僕は救われているのだ。

そして、彼らは僕の話を聞き、見た世界を想像し、理解しようとしてくれる。心のモヤモヤを言語化する、体験を言葉で説明し、相手が同じイメージを持ってくれるという作業はとても難しく力のいることだと思う。
それを体系的に知っている仲間たちとタイムリーな時間を過ごせることは、僕にとって安心の時間であり、そんな時間を彼らからのギフトとして僕は受け取っているのだなぁと思ったのだった。

時間の経過と僕の「ゴールデンページ」
4週間というい時間が、そして、心理士マキさんとの話が、僕の思考の絡まった部分を一つ一つ、丁寧に解いていく。

マキさんは言う。

今回の佐藤さんにとって、これが正解、あれは間違いと、正解不正解を求めることは、必要のないことなのかもしれません。
モヤモヤの原因が、こうかもしれない、あぁかもしれない、いろんな考察や仮定の中から、自分なりの納得できる落とし所を見つけ、落とし込んでいく。その作業が必要なのかもしれませんね。
ふっちゃけ、理由は何でもいいんだと思いますよ。はっはっはー。

珍しくマキさんが笑う。
つられて僕も笑う。
(なにより、いつも丁寧なマキさんが「ぶっちゃけ」という言葉を使ったことがおかしかった。)

理由はなんでもいい。自分か納得すればそれでいい。
僕の心のモヤモヤの理由なんて、僕がわからなければ誰がわかるというのか。それならば、僕がこれだと思えば、それでいいのかもしれない。だってこれは僕の心の動きなんだから、僕がその動き方に自分で名前を付けてあげたっていいのだ。

マキさんは、「ゴールデンページ」という言葉を使っていたと思う。正確には忘れたw。
今回の僕の経験が、心のノートブックに大切な一ページとして、重要な手引書として残る。また次に心の動きに困ったときに、この「ゴールデンページ」をそっと見返して参考にすればいい。
そこには、こう書かれているはずだ。

もやもやの理由なんて、ぶっちゃけなんでもいいんだよ。
自分で決めて、それに名前を付けてあげればいい。はっはっはー。

心理士マキさんの言葉~超訳~

そう思うことで僕自身が納得し、対処し、前に進む。
本当に僕が一番必要としているのは、理由じゃない。
また、前に進む為の力が欲しい。
4週間という時間が、僕にそれに気づかせてくれた。

時間の経過と、心理士マキさんのような第三者のサポート、ソフトランディングへの工夫と、僕の「ゴールデンページ」。

確かに僕の心は、ハイチから帰ってきてインパクトを受けた。
でもそれによって得た次に進む力がより大きなものになり、
より強力なチームを持ったと僕は確信している。

人は、人と対話することで前に進む力を見出す。
言葉を発することで、言葉をもらうことで、
救われ、そして強くなる。

お馴染、国際心理士マサさんの言葉
言葉といえば、お馴染 国際心理士のマサさん。
彼がいつもくれる言葉に、僕は毎度うなずくことになるのだ。
(以下URLは、国際心理士マサさんの活動紹介。是非見てもらいたい。)

タイさん(僕のニックネーム)。
カウンセリングの重要な考え方の一つとして「今、ここ(Here and now)」を大事にすると言われています。
カウンセリングに来る方は基本的に自分の時間軸を現在で生きていません。たいてい過去、未来のどちらかで生きています。
だからカウンセリングを通して現在に立ち返るんです。
そこから再度、過去や未来を検討します。
すると「あーなんだこういうことだったのか」という、いわゆるアハ体験が起きるわけですね。


彼のメッセージに相変わらず、なるほど、と納得させられる。
ここまでくると
いつも納得されられっぱなしじゃないか
と、なんだか悔しくもある(冗談である)。

そういえば、船に乗っている時も、MSFで現地で活動するときも、
僕は大きなストレス負荷がかかる時期には決まって、未来のことを考えることがあるなぁと自分の思考の癖を振り返る。
ストレス過多になると無意識のうちに、ここが終わったらどこに行くんだ、何をするんだと、未来のそんなことばかり考える時期があるのだ。
ストレスへの僕なりの反応なのだと思う。
心が現実から目を背けたくなっているのか、と今の僕は腑に落ちるのだった。

ハイチから帰国した僕の心は過去に滞在していたのかもしれない。
ハイチで活動していた時、
目をそむけたくなるような現実をじっと堪えて、
耐えて、耐えて、
このまま、走り抜けれるのだろうか、
そんな不安を感じていたことに、きっと僕は気付かなかったんだと思う。
その時、そこでの活動に必死だったから。
自分の心のことなんて考えていなかった。
心が戦闘モードだった。

その後、ハイチのミッションが終わり、そこから離れた時、
心は過去に残り、体は現在に帰ってきた。
心と身体の乖離。
そんなことが起こったのかもしれない。

そういえば、先日友人の紹介でマインドフルネスに触れた。
その友人は、今に集中することが大事で、
それが心を楽にしてあげる一つの方法なのだと言っていたのを思い出す。

なるほど。
「今、ここ(here and now)」
これに集中する。

人道支援家は世界を飛び回り、
必要としてくれる人に会いに行く。
それは時に時空をも超え、
それは時に心と身体の乖離を生むかもしれない。
でも、それが僕たちなのだ。

そんなこともあるさと、心のモヤモヤに名前を付けて
はっはっはーと軽く笑い飛ばし、
風のようにふわりと軽く。
そして自由に。
世界中のどこに身体があっても

今を誠実に生きる。
今、ここに、生きる。

Best,
Tai

追伸:僕が活動をしていたハイチの病院では、社会全体、そして病院をも狙った暴力に苦しんでいる。仲間の安全を願うとともにそこで継続して活動している仲間たちに敬意を示すとともに、一日でも早い暴力の終息を願う。
どうか、みんなが無事でありますように。


※投稿内容は全て個人の見解です。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございます!
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また次回お会いしましょう。

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