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韓国王者からの挑戦状〜24-25カーリング追いかけ日記#2


先週の振り返り

この週末は、韓国とスイスの配信をウロウロしていましたが、どちらも今季のカーリングが楽しみになる面白い大会だった気がします。北米での大会がないと、時差的に見やすくてありがたい…日本のチームももう少し欧州遠征してくれないかな…なんて思っていました。

世界ランキングTop10が強さを見せた🇨🇭バーデン・マスターズ

男子の🇨🇭バーデン・マスターズ(SFM:推定7.0)は、🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿󠁴マウアットが無敗のまま優勝、🇨🇭シュヴァラーが準優勝でしたが、まさに世界トップクラス同士の戦いで、見応え十分でした。お互いにスキを見せないようなこういう試合だと、🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿マウアットが、LSDで勝って、第1エンドを後攻スタートできたことのアドバンテージも大きそうですね。大会を通じてこの2チームにしか負けなかった🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ホワイトも調子自体は良さそうでしたし、🇮🇹レトルナスと🇸🇪エディンを含めた世界ランキングTop10の5チームはすべて予選通過していました。

他に予選通過したのは、これでツアー・チャレンジTier1出場がほぼ確実になった🇨🇭ブルナー、男子世界選手権5位から今季の躍進が期待される🇩🇪カップ、そして、唯一2勝2敗からDSCで滑り込んだ🇨🇭フースリでした。(🇩🇪カップと🇨🇭ブルナーは今年の軽井沢国際で来日するようです。)試合後のLSDでDSCを計算する今大会では、🇺🇸ドロプキンが予選最終戦で🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ワデルに勝利して、プレーオフに滑り込んだかと思われましたが、試合後のLSDでDSCの数値が🇨🇭フースリよりも3投合計で2.3cm長くなってしまい、ギリギリでの予選敗退となりました。チームのSNSにも“🤏🏻so close🤏🏻”(僅差だった)と書いてありました。

グランドスラム「ツアー・チャレンジ Tier 1」のボーダー争いは、ボーダー付近の🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ブライス、🇺🇸ドロプキン、🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ワデルがそろって予選敗退したことで、他のチームにも可能性が残っている状態ですが、“欧州開幕3連戦”はまだ2大会残っていますし、そこで好成績を残したチームが引き続き有利かと思います。*追記:ツアー・チャレンジの出場チームは、昨季末のポイントで選ばれると、8月21日に発表がありました。

海外遠征前の良い助走になった🇰🇷エリート8

女子の🇰🇷エリート8(SFM:推定3.5)は、🇰🇷ハ・スンヨンが優勝しました。準決勝で🇰🇷キム・ウンジ、決勝で🇰🇷キム・ウンジョンを破り、2位で終わった韓国選手権の雪辱を果たした形となりました。決勝は、フォースのショット、特にドローの精度の部分で、🇰🇷ハ・スンヨンの方が優勢だったかと思います。予選の2試合目では、今季から加入したフィフスのパク・ソジン選手もセカンドで出場しており、チームとしてのまとまりもさらに高めながら、良い結果を残しているように見えました。ベスト4のもう1チームとなったチョンブク特別自治道庁(カン・ボベ)も、明るい兆しを見せたと思います。この1年間に加入した選手が5人中3人を占めるチームですが、新加入のセカンドの選手がスイープの強さを感じさせ、チームの雰囲気も韓国選手権の時よりも良くなってきたようで、現状“3強”とも言える韓国女子チームの中で、上位陣に食らいついていける存在になるかもしれません。

ポイントの話をすると、韓国選手権とエリート8の2大会で獲得したポイントの合計が、🇰🇷キム・ウンジ:50.1875p、🇰🇷キム・ウンジョン:40.5p、🇰🇷ハ・スンヨン:53.75pとなる見込みです。私の提唱する“1大会平均20pを超えると、グランドスラムに近づく”という説に照らし合わせると、3チームとも世界ランキングを改善または高い場所で維持できる程度のポイントを獲得しており、日本やカナダに遠征する前の国内での“助走”としては、理想に近い状態で送り出せたように思えます。まずは、北海道カーリングツアーで2つのチームのお手並みを拝見することになります。

韓国王者の挑戦を受ける🇯🇵アドヴィックスカップ

この数年、🇯🇵ロコ・ソラーレのシーズン初戦になることが多く、多くの注目を集めてきた🇯🇵アドヴィックスカップ(推定SFM:男子2.5、女子4.0)ですが、今年は男女ともに韓国選手権で優勝した韓国代表チームが出場することになりました。日本のトップチームも軒並み出場しているので、対戦した時にどういうパフォーマンスができて、どういう結果になるのか、楽しみです。初戦は22日13時から始まります。(ちなみに、トップ画像は、常呂にあるワッカ原生花園という場所の写真のようです。)

アドヴィックスカップ 予選星取表

男子の韓国代表は、キョンサンブク道ウイソン郡庁のチームである🇰🇷イ・ジェボム(大会中は“Lee”と表記されると思いますが、私の知る限り、今の韓国ではこれは“イ”と読みます)。現在21〜23歳の若いチームで、全員がウイソン郡の出身で、キョンイル大学校男子カーリング部の1期生でした。世界ジュニアへの出場経験もあり、ウイソン郡庁のチームを作るときに、チーム丸ごと引き受けた形で今に至ります。昨年どうぎんクラシックに出場した時には1勝3敗で予選敗退でしたが、その後、韓国国内の大会では表彰台に登ることも増えていますし、選手が投げる順番も以前とは変わっています。韓国選手権の男子決勝も、昨季の代表チームを寄せ付けずに勝っており、昨年と同じだと思っていると、痛い目を見るのかもしれません。昨年のどうクラは、KiTとの対戦が初戦でしたが、今回もKiTが初戦の相手のようです。

昨年に続いて女子韓国代表になった🇰🇷キム・ウンジは、PCCCや女子世界選手権やグランドスラムで、試合を見たこともある方もいるでしょう。昨季はPCCC優勝、グランドスラム初優勝、女子世界選手権3位と輝かしい成績で、世界ランキングも3位まで上がっています。今、最も結果が出ているアジアの女子カーリングチームと呼んでも、過言ではないでしょう。🇯🇵ロコ・ソラーレにとっても昨季から5連敗中の相手で、日本勢で最後に勝ったのは昨年9月のフォルティウスでしょう。予選で同組になった北海道銀行フィロシーク青森も、去年🇨🇦カナダで対戦して負けているので、今回は常呂でその時の分をやり返すチャンスです。(ただ、今季は、まだ本調子という感じではなく、韓国選手権も予選3位通過からの優勝でしたし、先週の大会「🇰🇷エリート8」でもベスト4止まりでした。)

これだけ良いチームがそろえば、当然、日本のチーム同士の対戦も必見です。稚内みどりCHALLENGE CUPの決勝を戦った2チーム(コンサドーレvsロコ・ドラーゴ、中部電力vsフォルティウス)は、男女ともに予選の初戦で当たります。男子ではSC軽井沢 vs KiT CC、女子ではロコ・ソラーレ(吉田夕梨花選手は欠場) vs SC軽井沢クラブなどの好カードもまだまだあります。今大会は、組内1位ずつ(合計3チーム)+残りのチームから全体の上位3チームの6チームでプレーオフを行いますので、予選通過の可能性を残すなら2勝1敗以上にはしたいです。グランドスラム、特に直近の「ツアー・チャレンジ Tier 1」を目指しているチームなら、プレーオフには進出しておきたいでしょう。 *追記:ツアー・チャレンジの出場チームは、昨季末のポイントで選ばれると、8月21日に発表がありました。

カーリング虎の穴で開催される🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ユーロ・スーパーシリーズ

今週開催されるもう1つの大きな大会が、スコットランドのスターリングで行われる🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ユーロ・スーパーシリーズ(推定SFM:男子6.5、女子3.5)です。会場となる”The Peak”というカーリング専用施設は、スコットランドカーリング協会のすぐ近くにあり、強化選手のトレーニング施設であり、世界有数の育成組織とも言われる“ナショナル・カーリング・アカデミー”の拠点でもあります。スコットランドのチームにとっては本拠地とも言えるこの施設に、欧州を中心とする各国からの選手が集まり開催されるのが、この大会です。“欧州開幕3連戦”の2大会目で、女子にとっては1大会目となります。大会初戦は、男子が21日21時半から、女子が22日早朝5時半からとなります。

男子は、先週の🇨🇭バーデン・マスターズほどではないにしても、各国の強豪15チームが集まっていて、うち12チームが世界ランキング30位以内です。欧州のチームに加えて、🇨🇦マキューウェン、🇺🇸ドロプキン、🇺🇸キャスパーなど北米のチームの参加も目立ちます。優勝争いは🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿󠁿󠁴󠁿󠁴マウアットや🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ホワイトなど、地元スコットランドのチームが中心になりそうですが、🇳🇴ラムスフィエルなどグランドスラムのボーダー付近のチームは先週よりも多く、大きなポイントが獲得できるこの大会で、どこがプレーオフに残るのかも気になるところです。

女子は、10チームの参加で、🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿モリソンや🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ヘンダーソンに加えて、🇮🇹コンスタンティーニ、🇺🇸ストラウス、🇨🇦マクミラン(元チーム🇨🇦C.グランディー)も出場します。🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿モリソンや🇺🇸ストラウスは、グランドスラムが見える世界ランキングですが、出場選手が決まる前の最後の大会になる可能性もあり、ここでポイントを稼いでおきたいところです。また、🇸🇪ドライバラや🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿ワットなど、ジュニアのチームも参加しており、その戦いぶりにも注目です。*追記:ツアー・チャレンジの出場チームは、昨季末のポイントで選ばれると、8月21日に発表がありました。

この大会は、Curling Stadium Europeで有料配信されます。(大会全体は11.15英ポンド、プレーオフだけなら5.75英ポンド)

スコットランド行きの切符をかけた🇯🇵日本ミックスカーリング選手権

今週は、日本ミックスカーリング選手権が稚内で開かれます。優勝したチームが10月12日〜19日に🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿アバディーンで行われる世界ミックスカーリング選手権に日本代表として出場することになります。MDやシニアなど、他のカテゴリーの大会で名前を拝見したことのある選手も多いですが、各チームのご健闘をお祈りしています。


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