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この状況下におけるスポーツ現場の取り組みの共有


緊急事態宣言が全国で発令され、終息がいつになるのか雲行きがわからない日々が続いています。

その影響は、経済面も然り、スポーツ選手の活動も暗い森の中を歩むような感覚を抱くのではないかと思います。

この期間、スポーツコミュニケーションアドバイザーとして、スポーツ指導をされている多くの方とコンタクトを取り、現在の取り組みや今後のプランなど話し合うことをしています。話の内容になるのは、「他のチームの皆さんは、どんな活動をしているのか共有していただきたい」ということでした。

主に話してきた方たちは、ヨーロッパで柔道指導をされている方やスポーツ関連の企業に勤めている方、高校の部活動指導者、スポーツ少年団の指導者の方たちです。その方々のお話を元に、現在のスポーツ現場の取り組みを、まとめてみようと思います。

スポーツ現場に携わる多くの皆さんに届き、一つの情報提供になれたらいいと思います。

1.動画での運動系資料の配信

多くのアスリート選手の活動もテレビで報道されているように、動画を介した運動系資料が多く配信されています。

どのスポーツチームも指導者の方から選手に向けた動画配信をしているをしているそうです。このメリットは 

a)選手が自宅でも簡単な運動ができる 

b)様々な資料があり、自分の好きな運動を選択できる 

c)身近な指導者から送られる動画によってやるべき運動が明確になったり、指導者にたいする親近感が高まったりする

などの意見が出ています。

個人的には、乾選手と槙野選手の動画が好きで見ています。▼

確かに、この状況下でどんな運動をすればいいかと選択肢が浮かばない選手(とくに小学生)などにはとても有効な手段だと思っています。さらには、多くの指導者の方がこのように動画を配信されることで、スポーツ界全体が前向きに盛り上がっているようにも思います。これから面白くもあり、運動効率のいい運動系資料が多くアップされるのではないでしょうか。

しかし、逆に問題もあると意見があがります。それは 

)指導者からの一方通行の発信になり、選手が実際に運動してるかわからない 

ということ。

指導者にとっては選手が本当に運動しているのか気になる点です。しかし、運動系動画を提供しただけでは選手が本当にしているのかわからない。リアクションを感じにくいという点が問題になります。

この点を改善する指導実践がありました。事例を2つ紹介します。


2.タイムプレッシャー作戦

東京都の公立高校バスケットボール部顧問の実践です。

3年生、2年生、1年生が均等になるように何グループか分けてグループLINEをつくりました。そのLINEで何をするかと言うと、一日のスケジュール報告会。午前の始まりに「午前は〇〇をします」という報告をしあう。そして午前の終わりには「午前は〇〇をしてどうだったか」また報告する。テレワークで実施されているようなイメージですね。それをまた午後も同様に行い、グループのリーダーが顧問の先生に選手の活動をまとめたものを報告するという流れ。

「この時間にはこれをします。」「その次はこれをします。」とグループLINEで報告し合う為、時間をいい意味でのプレッシャーに置き換えて活用できているそうです。なので名前が『タイムプレッシャー』。会社のような形態さながら、チームの統率をとるにはいい取り組みだと思います。また、高校生というある程度自立ができる特徴があってこその実践だと思いました。学年間を超えて関係性を深めることができ、さらには選手同士の相乗効果も期待できる気がします。

このチームの面白いことはもう一つあって、

それは、3年生全員と顧問の先生がzoom会議を行っていること。

各グループの取り組みを3年生同士で共有し合ったり、顧問の先生も交えて、次の行動を考えているのだそうです。中には、後輩からはLINEが来ないという問題があり、それは怖さが原因だと会議中に気付いた選手もいたそうです。この状況下でもコミュニケーションを取り合うことが生きる力に繋がりそうだと聞いていて思いました。

3.保護者+選手+指導者 オンライン面談

次に神奈川県の少年サッカーチームの実践です。

スポーツ少年団では、高校生での実践ができる年齢ではありません。とくに、選手と連絡を取り合う手段がないことが課題にあげられています。選手とコミュニケーションを交わすには保護者との連絡が前提にあるからです。そこで、神奈川県の少年サッカーチームは、オンライン面談を開催して、選手とコミュニケーションをとっていました。

小学生年代の選手にとって、家庭のサポートも重要になるのが日本の文化でもあります。指導者が保護者と選手とこの状況下でもできることを話すと、家庭で二人三脚でスポーツに取り組みやすくなると言っていました。また大前提として、選手が何をしたら良いかわからない等の疑問点があればすぐにアドバイスができると言います。この状況下での選手にリアクションをダイレクトに聞くことは指導者が何をしたら良いか明確にわかるきっかけになりそうですね。

これを聞いて、指導者がこのようにコミュニケーションを交わすことは、保護者からの信頼にもつながるのではないかと思いました。この状況下でも選手のために行動を起こす指導者は少なからず悪くは思いません。特に保護者からのプレッシャーのかかる少年スポーツ現場では、このような取り組みは有効に思います。

4.再スタートに向けての提案

現在、指導者の皆さんは、様々の取り組みを考案したり、これまでの指導を見つめなおしてさらなる指導力の向上に努めているところだと思います。その行動がスポーツ界の発展に繋がっていくと思います。

これはスポーツコミュニケーションアドバイザーからの提案になりますが、

緊急事態宣言が解除されて再スタートできる

5月7日に選手に向けて話す内容を考える

のはどうでしょう?この間の取り組みについてや今後の活動方針のこと、選手と久しぶりに向き合って話す機会です。その日にどんなことを話そうか考え日々を過ごすと、おのずと今やるべきことが見えてくるかもしれません。


5.最後に

また、各チームの活動内容が聞けたらこのように情報発信していこうと思います。


ちなみに、僕の出身チームでは、選手の自宅リフティング動画や筋トレ動画を共有してYouTube用に編集して発信している実例があります。良かったらこちらも参考に。

東急SレイエスFC

ユニークな取り組みをされている方がいましたら教えていただけると嬉しいです!

では今日はこのへんで!





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