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追加融資を受けられる?受けられない?判断基準を解説します。

追加融資受けられる可能性ありますか?とよく質問されます。

追加融資は

すぐに受けられる場合

時間をかければ受けられる場合があります。

今回は、追加融資の判断基準をお伝えしていきます。

3789文字で解説しております。

1.追加融資を狙う場合にまとめて頂きたい内容

追加融資を狙うためには、まず現状を理解するのが一番大事です。そのために、現在の状況をまとめておく必要があります

上記の5つの項目をまとめて下図のように表にします。

※数字は、説明の便宜上、適当な額を入れているだけです。

2.まとめた内容を見て考えること

基本的に融資は、

「日本政策金融公庫」

「民間金融機関(保証協会利用)」

「民間金融機関(プロパー)」

「民間金融機関(オリックス保証)※エリア限定」

「商工中金(プロパー)」

のいずれかの方法以外ありません。※注

※担保があれば、担保融資ができますが、担保提供できない方が多いので、担保の説明については割愛します。
※金利が高いところは借りてほしくないので、全部割愛します。

※商工中金も保証協会付のケースあるのですが、民間の保証協会付の融資と違いはないので割愛します。

追加融資のポイント①

ご自身でまとめた資料から、上記の5つの融資の中で利用していないものがないかを確認します。

利用していないものを、利用できるかどうか検討してみることがポイントです。

利用していないものがあれば、借りられるチャンスです。

追加融資のポイント②

上記の5つはどれもすでに利用しているという場合には、追加で借りることができないかどうかを検討します。

状況によっては、追加で借りることが出来る可能性もあります。

3.保証協会付融資の追加融資ノウハウ

保証協会付融資を利用して最近融資を受けた方が、すぐに保証協会付融資を利用することは基本的にできません。

保証協会には貸せる枠があります。無担保の枠は8,000万円です。
ただし、8,000万円は最大枠です。会社の状況によって上限枠は異なります。

会社が成長し、決算書の状況も毎年よくなっていくと枠が広がっていきます。
ただ現状枠が1,000万円の方が、最近1,000万円借り、すぐに追加融資をお願いしてももちろん枠は広がっておりません。
そのため、追加融資を提案しても断られます。

再チャレンジのタイミングは、借りた後、半年経過後が目安です。

半年経過し、業績が伸びている場合には、追加融資を受けられる可能性もでてきます。
業績の伸びがあまりない場合には、1年以上経過しなければ追加融資も難しくなります。

ポイント

保証協会付融資を受けたばかりでも借りられる枠をすべて使っていないケースもあります。
枠が少し余っていれば、その枠の分だけ別の金融機関を利用し追加融資を受けられるケースもあります。
ただし、保証協会付融資を受けた後、すぐに保証協会付融資を利用できる会社は多くはないのが実態です。

4.保証協会付融資を利用するタイミングでプロパー融資をしてくれるケースがある

保証協会付融資を利用する場合、保証協会に対して、保証料を支払わなければなりません。
そのため、プロパー融資で借りられるのであれば絶対にプロパー融資で借りたほうがよいです。

金融機関は、めちゃくちゃ良い会社にはプロパー融資のみの提案もしてくれますが、初めての取引をする会社に対していきなりプロパー融資のみで対応してくれるケースは稀です。

初めてプロパー融資の提案をする際によくあるのが
保証協会で1,000万円
プロパー融資で1,000万円

これってどうですか?
というように、同じ金融機関から借りるのですが、
その金融機関から保証協会付融資とプロパー融資の両方を提案されることがあります。

オリックス保証の融資も同様に、保証協会付融資とオリックス保証の融資どっちも貸せそうなので、どちらも借りませんか?
という提案を受けることがあります。

銀行から提案を受けられるようになると借りられるチャンスが増加します!

自分から借りに行くよりも、借りませんか?と言われた方が一般的には借りやすいので、営業されたらチャンス!だと思ってください。

5.日本政策金融公庫や商工中金という政府系金融機関からの追加融資

政府系金融機関(日本政策金融公庫・商工中金)からの融資を受けていない場合には、借りられるチャンスがあります。


ただし、商工中金は年商1億円以上でないと対応してくれないことが多いです。

将来性があると判断してもらえれば1億円未満でも借りられるケースもあります。

ただ年商が1億円未満の場合には融資が受けられる可能性は結構低いと考えて頂いてよいと思います。

日本政策金融公庫も商工中金も利用していない!という場合には、まず、日本政策金融公庫での融資にチャレンジしましょう。

政府系金融機関をすでに利用していて、追加融資を受けたいという場合のポイントは「決算後」です。

日本政策金融公庫で追加融資を受ける

日本政策金融公庫からすでに融資を受けており、その後、追加融資を狙う場合には、
「借りた年の決算書を提出した後」であれば追加融資の可能性があります。

もちろん決算書の内容次第にはなりますが、業績が上がっている会社であれば1年に1回追加融資を受けられるケースもあります。
ただし、無担保で貸せる枠には上限があります。その上限枠までが貸出可能額となります。
すでにMAXに近い金額を借りていると追加融資は少し期間をあけなければ難しいです。

商工中金で追加融資を受ける

商工中金ですでに借りたことがあり、追加融資を狙うのであれば、日本政策金融公庫と同様に、「借りた年の決算書提出後」であればチャンスはあります。

ざっくり説明すると借りてから1年経過後であれば追加で借りられるチャンスがあると覚えておいてもよいと思います。

6.追加融資を受けるためにアピールしなければならないこと

当たり前のことですが、金融機関は、貸した後すぐにつぶれてしまうような個人事業主や法人には貸したい!とは思いません。

貸しても問題ない会社なんだ!ということをアピールすることがとても大切になります。

基本的に金融機関に伝えなければならないことは以下の通りです。

7.どんな会社かを説明するためのポイント

飲食店、美容室などビジネスモデルがわかりやすいものであれば、細かく説明する必要もないですが、ここ最近のビジネスモデルは理解してもらいにくいので、簡単なパワーポイントでもよいので、どのようなビジネスモデルかを説明するとよいです。
特に、SEO、リスティング、アフィリエイト、AI、IoT、ブロックチェーンなどは理解させるのが難しかったりします。

★金融機関の担当が、ビジネスモデルの理解が早い人であれば融資手続きはスムーズになりますが、理解がかなり悪い担当がつくと、ビジネスモデルを理解できないからNGということもよくある話です。

8.入金サイクルと支払サイクルの説明

上記2つをまとめておきましょう。
会社は、入金が1日でも早く、支払は1日でも遅くすることで潰れにくくなります。
今後会社を運営する上で覚えておくとよいでしょう。

9.今後の成長性をプレゼンするためのポイント

金融機関は基本的に過去を見ます。
直近1年から2年の月々の売上が右肩上がりになっていると、今後も成長するな!と評価してもらえます。

月々の売上が右肩上がりになっていると、当たり前ですが、追加融資は受けやすいです。

今まで赤字が続き債務超過の会社であったとしても、売上が上がり続け、直近半年程度は黒字になっている!という状況であれば、追加融資を受けられる可能性があります。


10.追加融資で大切な決算書と試算表

金融機関は、基本過去しか評価しないです。

もちろん将来性を評価してもらい
融資を受けられる会社も少しだけあるのですが、ごくわずかです。

過去しか見てくれない!と思っていたほうがいいと思います。

過去をアピールするための資料は
・決算書
・試算表
です。

この決算書や試算表を何も考えずに作成していてはダメです。

粉飾しましょう!
と言っているわけではありません。

評価が下がってしまうポイントを理解し、評価が下がらない努力をしながら決算書や試算表を作りましょう!ということをお伝えしたいです。

どんな決算書が評価が高いかを理解しておくことで、その評価が高い決算書を作成できるように、毎月営業していくことが大切です。

融資を受けるためには、決算書や試算表がとても大事だ!

ということを理解して頂きたいです。

この決算書や試算表を作成するのは、税理士ですが、
融資を受けるためのアドバイスをしながら決算書や試算表を作成している方がほとんどいないのが現状です。

例えばですが、

貸付金(代表者貸付など)が決算書に残っていると評価が下がります。

この科目があると評価が下がることを事前に理解しておけば、時間があれば消すこともできるでしょう。

評価が下がる科目をできる限りなくして決算書を作成することで融資は受けやすくなります。

決算書に計上されていると不利になる科目を事前に打ち合わせしながら事前の対策をしておくと、評価が高い決算書が出来上がる可能性が高いです。

そのため、融資のアドバイスができる税理士に契約を切り替えるか、セカンドオピニオンとして融資の専門家に相談しながら決算書や試算表を作成してもらうのが大切になってくるでしょう。

補足

将来の事業計画や資金繰りも大事になってきますが、今回は割愛します。


株式会社SoLabo代表取締役。日本政策金融公庫の融資支援実績1600件以上。税理士有資格者 3つのメディア運営▶︎創業融資ガイド、inQup、資金調達ノート/3つのメディアで月間60万PV