通帳記帳

通帳を使って簡単にできる!会社が潰れないための通帳確認のポイント

決算上黒字であっても会社は倒産してしまうことがあります。
開業後の経理業務は税理士に全部依頼して管理してもらっているし、決算は黒字だから倒産しない!と安心している方も結構多いです。

しかし、実際には、税理士や経理担当に会社の経理業務を依頼している場合で決算上黒字であっても、税理士等から適格なアドバイスをもらうことができなければ、会社は倒産の危機に陥ってしまいます。

会社の倒産リスクを軽減するための一番簡単な方法として、

【経営者自身が毎月の通帳をチェックする】

というものがあります。

・毎月末に通帳残高を確認する
・通帳残高の増減の理由をメモしておく

この2つのポイントを抑えた通帳チェックの方法を知って、会社が倒産してしまう可能性を軽減しましょう。

上記は、もっとも簡単な方法なので、すでにもっと細かい視点で確認ができている方はもちろんその方法で倒産リスクを軽減してください。

まずは会社が倒産してしまう原因を知っておく

会社は、赤字経営だから必ず倒産するわけではありません。
反対に、黒字経営であっても倒産してしまうケースもあります。

会社経営において、すぐに使える現金が手元にあることは非常に重要です。

決算上赤字であっても、倒産しない会社の特徴として下記の3つが挙げられます。


①会社にすぐ使える手元現金が確保してある
②担保資産があり融資を受けることで現金を確保することができる
③会社の代表が自分のお金を会社に入れることで現金を確保することができる

つまり、決算上赤字であっても、会社に現金があり毎月の支払が滞ることなく、事業資金を賄うことができれば会社は倒産しません。

決算上黒字で倒産してしまうケースのほとんどは、入金サイトなどの関係で会社に現金がなく、支払いのために必要な資金が足りず倒産してしまう、というものです。

【資金繰りに失敗すると黒字なのに倒産する!?黒字倒産をしないためのポイント】

会社の手元現金がどれくらいなのかを確認せず、黒字経営だから大丈夫!と安心してしまうと、実際には支払いに利用できる現金がなく気付いた時には倒産寸前・・・ということもあります!!

倒産リスクを軽減するために毎月の通帳チェックは必須

倒産リスクを軽減させるために、毎月通帳残高をチェックして残高の増減についてのメモを残しておきましょう。

まずは毎月末に通帳残高を確認する習慣をつけます。

【残高の増減についてのメモの例】
・2月末残高250万円⇒3月末残高350万円 100万円増加した理由は●●商品の販売が好調で業績が上がり結果的に預金の増加につながった
・3月末350万円⇒4月末残高150万円 200万円減少した理由は新規ビジネスモデル構築のための投資が原因

上記のように、毎月の預金残高を確認して増減した理由や原因をメモしておくことで、今どれくらい事業に使える現金があるのか、どのような理由で残高が変動したのかを把握することができます。

オススメは

・預金が増えたとき

・預金が減ったとき

どちらであっても、良い点もあれば、悪い点もあるはずなので、預金が増えていても、減っていても良い点、悪い点を複数まとめておきましょう。

1か月に1回だけでも、預金残高確認しながら、1か月の振り返りをすることで、倒産リスクを軽減されると私は考えております。

何度もお伝えしますが、これはあくまで一番簡易的な倒産防止の方法ですので、これ以上の対策を取っている方は、その対策で進めて頂ければ問題ないです。

残高の変動理由と、どれくらいの手元現金があるのかを知っておくことで「気付いたら事業のために利用できる現金が手元になく、理由もわからず対策をとることもできず倒産してしまった!」となることを防ぐことができるでしょう。

また、毎月の通帳残高を確認して今使える手元現金がどれくらいなのかを把握しておくことで、残高が減少してきた場合の対策をあらかじめしておくことも可能です。

預金残高が減少している時の対策

預金残高が減少している場合は、資金繰りを改善するための対策をとり事業のための現金を確保する必要があります。

金融機関からの融資を受けて資金調達
金融機関からの融資による資金調達では、審査を受ける必要があります。
代表者の信用情報や会社の決算状況によっては審査に落ちてしまう可能性もあるので注意しましょう。
金融機関からの資金調達では、政府が運営する日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金の利用がおすすめです。
金融機関からの融資を申し込む場合には、預金残高の減少があまりにも進んでしまい返済能力がないと判断されてしまうと、審査に落ちてしまう可能性が非常に高くなってしまうので、残高の減少が進む前に融資を申し込むようにしましょう。

中小企業経営力強化資金を利用して、金利を安く融資を受けよう!

不要なコストを削減する
毎月通帳残高を確認していると、何にどれくらいのコストがかかっているのかをちゃんと確認するようになります。
残高が減少傾向にある場合、不要なコストをすぐに指摘し削減することで手元現金の確保につなげることができます。
オフィスの光熱費や家賃などの毎月の固定費の中に削減できるコストがあるケースが多いので、残高が減少した際には注意して確認してください。

入金サイト短縮
決算上の黒字であっても、取引先からの入金サイトが長い場合、仕入れ代金はすでに支払ったにも関わらず、取引先からの入金がないために手元の現金がたりなくなると会社は倒産してしまいます。
毎月の通帳残高を確認し、残高が減少傾向にある場合には、取引先に入金サイトを短縮してもらえないか交渉してみましょう。
入金サイトを短縮して早めに入金してもらうことで、通帳残高を増やすことが可能になり事業のための手元現金を確保することが可能になります。

毎月末の通帳確認から防げる会社の倒産

会社経営者にとって、利益がどれくらい出ているかを確認し、キャッシュフロー表(資金繰り表)を確認しつつ資金繰りの管理をすることは、非常に手間がかかってしまいます。
開業後に、経営者自身で経営から資金管理、その他の業務の全てを行うことは難しいでしょう。
なので、一番簡単な方法として

毎月末に通帳の残高を確認し、どれくらいの増減があったのか、増減の理由は何なのか、あとどれくらいの現金を事業に使うことができるのかを確認する習慣をつけることをオススメしてます。
毎月確認することで、会社の資金の動きを知り、事業のための現金が減少していた場合であっても前もって対策をとることが可能になります。

株式会社SoLabo代表取締役。日本政策金融公庫の融資支援実績1600件以上。税理士有資格者 3つのメディア運営▶︎創業融資ガイド、inQup、資金調達ノート/3つのメディアで月間60万PV