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寒空あったか京都のラーメンから岡山瀬戸内島巡り。JR岡山駅発のぞみ58号東京行。

京都の染工場。
大正4年創業の木造造りは、職人や生地と共に何か生命が宿っている感覚があった。家に植物を活けているような。

精密な機械のようでいて、
息づかいが聞こえるような時間。

手掛けている風呂敷の出来上がりが楽しみでならない。

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友人Kと会う。
今日中に岡山に入っておきたかったため、あまり時間のない中、華麗な即席プランニングでプチツアーをしてくれた。

牛若丸と弁慶の五条大橋付近のコワーキングスペースを紹介してくれて、集中してたまったお仕事をこなしつつ、五条楽園と呼ばれた遊郭建築を見ながら西へ西へ歩く。
途中、キュートで気の合いそうな帽子屋さん。佛光寺内のd&Depertmentの縁側で寺を見ながら京都感を身に染み込ませる。

次の目的地、The terminal Kyotoにて友人であり師匠の展示にギリギリ滑り込む。ここは町屋建築の各部屋に作品を展示。空間を贅沢に使ったギャラリー茶屋。デニスの作品は閉店間際の電気が消えかかった部屋、人工的な光が少なくなった空間にちょうど良い。
頼まれたお使い、彼の照明作品の搬出は予想以上に大きかったが人形を抱いているようで、一緒に旅をするのに心強い。
のちに岡山駅のロッカーに入れたまま新幹線に乗ってしまうのだが、その時はそんな余裕の面持ちで町家を出る。

僕のリクエストで友人は美味しいラーメン屋に連れてってくれた。晩は新幹線の中かな、、としていたので思わぬ旅の夕食にほっとした。
冷たい風がお人形さんの入ったIKEAの袋をバタバタ鳴らすなか、ラーメンの温かさと深くもあり軽くもあり、毎度緩急ある会話に癒される。

さて、岡山へ。
薄ら覚えのある駅前。珍しくあまり寝ていなかったのでビジネスホテルでスッっと眠りにつく。

JR山陽本線里庄駅8:30集合。
無人商店かと思いきやおトイレに行っていたお婆ちゃんからパンを買い、早く着き過ぎた駅舎内で朝ごはん。
とあるご縁で、今回岡山の旅のメインである石材会社さんの見学とデザインの打ち合わせをさせてもらった。
ここは笠岡市。この辺りは、今ではお笑いの千鳥・大吾の生まれた島として認知度もあがった北木島の北木石の産地である。
販路開拓やメッセージ性の強いデザインプランの話は大方気に入ってくれたみたいでホッとしながら、大きな石を削る音の間をゆっくりと闊歩闊歩。

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奥の大きく切り出す切削機から中くらいの機械、イタリア性の最新鋭の機械か、手作業の機械と作業場、荷出し場、磨き、削りの加工場へと、持ち運びが容易ではない石特有の工場の造りに圧倒される。
次のステップ、デザインの形状へとイメージを沸かす。

石屋さんを後にし、縁を繋げていただいた方から思わぬお誘いを受ける。笠岡市には島が多数あり、その中の有人島である諸島巡りはいかがですか。と。
こんな機会はなかなかないので、有り難く参加させてもうことにした。

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市の事業として関係者と巡るツアーは、いろんな業界の方でとても新鮮だった。歌手、書道家、演奏家、ツアー会社、百貨店、教授etc...
船旅は大人を童心に帰らせる。市の職員の方々は、猫ちゃんに時間をとられる子供たちのお尻を叩いて引率するにひと苦労な様子。束の間の時間だったが、印象深い出会いとなった。

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まず向かったのは、本州から1番沖に遠い六島/むしま
ということは、そう。すぐ向こうには僕の生まれた香川の隣町が見える。さぬきふじは今日ものほのんしている。

ここは天国かな。

と思うような黄金に輝く水仙、枝でできたトンネル、古い灯台。ひと足早く愛知のジブリランドが味わえた。

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ブルワリーで地ビールをいただきひとつ目の島で既に十二分もの瀬戸内の魅力を堪能する。

船旅はワクワク感が違う。今だに新幹線や飛行機でもヒャッホーとテンションがあがるのを隠しながら慣れてますよ感を出す僕なのだが、船旅は格別だ。
それは周りもそうだから尚更。童心に帰り手を振り合い、髪がグチャグチャになろうと甲板に出たいし、潮風をむさぼり食いたい。

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次は、飛島/ひしま
ここは椿油や出土した遺跡、今では現れなくなってしまった砂洲が有名らしいが、この島に根付くうどんづくりはとても興味深かった。讃岐にも通づる、もてなしの一杯として根づいたもので、どの家庭でもうどんを打っていたそうな。いりこだしに柔らかめなうどんと昆布が小腹に丁度良い。

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真鍋島では漁村らしい町並みが印象的。
猫の多さも相まって、木造で潮に枯れた建物が見るものを飽きさせない。
瀬戸内少年野球団の舞台になった木造の中学校は今も現役。3名の生徒さんが通われているそうだ。夏目雅子主演の映画、ぜひ観てみよう。

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そして、北木島
午前中の流れから石の丁場に来ることができて感激だ。すくむ足とは裏腹に、眼はゆっくりと大きく大きく深く深く掘り進めた60mの石切渓谷へ。良質な石を求めて掘って掘って切り拓いっていったそうな。石の持つ少しスピリチュアルな力、荘厳な空気感を肌で感じられたのはとても良かった。

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時間の関係上、高島、白石島は断念。
市の方々、道中ご一緒した方々には、素朴な疑問から歴史的なこと、各島の風習、島の実情、雑談含め本当にお世話になりました。

岡山県笠岡市

また来たいと胸を張って感じる、瀬戸内の島の魅力を堪能した。

自分のルーツである香川県にほど近い岡山。
子どもの頃は、新幹線で岡山駅で降りて特急しおかぜに乗ることしかなかった岡山のイメージが、今回の旅でまた楽しみひとつ増えたきがした。

そんな余韻に浸っていたら、例のロッカーのことを忘れたのである。


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