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コンサータとストラテラ。新しい私にこんにちは。

変わってしまった。つまらない人間になってしまった。あんなに人生を謳歌していた私はどこへ行ったのか。

この目で見る世界は、みんな生き生きとしていて眩しかったのに。今となっては「赤は赤で、緑は緑」だ。事実をそのままに受け取るだけで、見聞きしたものを面白がる意欲がなくなってしまった。

もしかしたら、薬を変えたからかもしれない。数年間変わらなかった処方を、半年前に変えてもらったのだ。


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私は新卒1年目の25歳の時に、注意欠陥・多動性障害(ADHD)と診断された。自閉症スペクトラム障害(ASD)も持っている可能性があると言われている。

高校生から精神科には通院しており、うつ病や自律神経失調症、統合失調症、摂食障害など様々な診断名がついてきた。

ADHD、ASD、つまり発達障害の診断がつけられたのは初めてだった。今まで飲んでいた薬に加え、ADHD治療薬のコンサータを飲み始めた。

コンサータを飲んだ時は、その強さに驚いた。

・頭が冴える感じがする
・次に何をすべきか、行動の段取りが立てられるようになった

この2つの変化が特に大きかった。

しかし、副作用も強く出てしまった。食欲低下がひどく、栄養失調から倒れそうになったこともあった。この食欲低下だが、具合が悪い時に食べる気分になれない感覚とは別物で、「食べなくても平気!」という感覚になるのだ。だから、意識して食べ物を口に入れないといけない。自分では気づかず、みるみる痩せていってしまう。

コンサータは3か月ほどで服用が終わった。

半年前からはADHD治療薬の一つ、ストラテラを飲んでいる。このストラテラが今回の悩みの種である。

飲み始めてすぐは、副作用の一つでもある、口の渇きが本当にひどかった。渇く分、ガブガブと水分をとっていた。でも口の渇きは3日ほどで落ち着いた。

そして服用開始から半年が経った。今、もしかしたらストラテラの作用なのではと思っているのが、人格が変わったという点。

最近、過去を思い返して「なぜあんな行動をしたのか」「普通ならあんなことはしない」と反省することが急に増えた。自分を客観視できるようになった、普通とは何かが分かってきた、とも言える。以前は周りが見えず、突っ走ってしまうことが多かったから、良い傾向だ。

しかし、良い事ばかりではない。過去の自分が理解できないのだ。もっと言ってしまえば、過去の自分を軽蔑しているのである。

よく考えてみると、変わった点はもっとある。

・大笑いすることがなくなった
・以前は面白かったものを面白いと思えなくなった
・発想力が落ちた
・頭の中で会議をしているような騒がしい感じがなくなった
・新鮮味を感じられなくなった
・冷静になった
・思わず笑うことが無くなって、笑おうとして笑っている
・表情が硬くなった
・会話を楽しもうという意欲が無くなった

締め切りをズルズルと延ばさなくなった、集中力が上がった、などポジティブな面ももちろんある。でもあまりにも変化が多すぎて、戸惑っている。

以前の私は、コンプレックスもあったが、なんだかんだ自分が好きだった。…ということに今、気づいた。変わってしまった自分はあまりにも面白くなくて、あんなに悩んでいた過去の自分に恋い焦がれているのだ。


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コンサータもストラテラも、私が持つADHDの特性にバッチリ効いた。しかし特性は、個性でもあった。薬を飲んだ私は、飲む前と同じ私なのか。

薬との付き合い方、新しい私との付き合い方。
焦らず、じっくり考えていこうと思う。


2020.05.04

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