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2020 J2リーグ第24節 水戸ホーリーホック VS ファジアーノ岡山 雑感レビュー 「成長途中の歯車」

どうも、タギです。5連戦の間の隙間に水戸を追いかけます。北Qに0-3と凄かったですね。あまりしっかり見られていないのでコメントは差し控えますが、我が事のようにうれしかったです。この試合も勝って良いレビューにしたかったですが引き分けでした。取り留めのないものになってしまったので感想程度にご覧ください(-_-;)

スタメン

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水戸の前節からの変更は4人。松井・乾・平塚・森→牲川・安東・山田・木村。連敗も無いが連勝も北Q・群馬しかない水戸。全く不思議。

岡山も4人の変更。松木・後藤・野口・山本→椋原・田中・齊藤・赤嶺。岡山はとにかく点が獲れない。群馬に次ぐ得点力不足。ヨンジェさんが居ないのも大きいが3得点のヨンジェさんのせいではなさそう。

前半・岡山の振る舞い

どちらも4-4-2のミラーゲーム。のはずでしたが、しかし序盤はミラーな感じでは無く、水戸ペースで展開。

試合開始46秒の中山くんのシュートは山口くんに岡山の右SB椋原くんとCB濱田くん2人で囲んでボールを奪いにいきます。そして岡山のCB田中くんは山口くんのシュートコースを消しにゴール前に陣取る中山くんがフリーというびっくりする状態に。ポープさんがナイスセーブをしますが、ここで点が入っていたらケチャドバだったかもしれません。

水戸の狙いの縦への早い展開が、給水タイム前まで面白いように決まっていたからです。

5分50秒の岡山のゴールキックからの場面(下の動画参照)で、水戸の中盤の選手に全くプレッシャーがかかっていません。その為、簡単にその時も木村くんから中山くんにパスが通っていました。

14分8秒のカウンターもレイオフのような形。4回のボールタッチでアタッキングサードに進入します。

下の図は水戸のポジショナルな攻撃の図(試合時間18分00秒ごろ)です。

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水戸の前嶋・外山の両SBが幅を取り重心低く陣取っているのですが、それに岡山の上門・関戸が引っ張られすぎてしまい二人の後ろにスペースが空いてしまっています。

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水戸はそれを見逃さず再三、空いた場所を利用して縦への推進力を見せます。特に椋原・濱田の後ろは格好の狙いどころとなり、20分48秒には先ほどの14分8秒と同じような山口くんの抜け出しが見られました。

流石に給水タイムで修正してきた岡山。時折4トップのようになっていたSHとCHの重心を下げ、FWでボランチへのパスコースを制限します。すると水戸は山田or安東がCBの横に下がりボールを受けにきて、数的優位を作り両SBの位置を上げるような恰好となり、ようやく4-4-2同士のミラーゲームのサッカーが展開される事となりました。

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攻撃の時の岡山はというと、白井くんがCBの位置に降りてサリーを行い、ボールをサイドに展開します。

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その際、赤嶺くんがサイドに流れてくる事が多く、白井くんやパウリーニョさんのどちらかもサイドへと移動します。そしてFW・CH・SBで三角形を形成。その時、齊藤・関戸・上門は3トップのような振る舞いで前に残り水戸のディフェンスをピン止め。

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パスが上手くいけば深い位置でクロスを上げ、上手くいかなければCBに戻してやり直すか、CHから逆サイドに展開しクロスを上げるといった具合でした。

岡山は守備の際にも、序盤には無かったプレスバックの意識が出て水戸の攻撃の芽を摘みます。お互いチャンスらしい場面はあるのですが、決定的なものは前半の終盤には見られないまま45分が終了します。

後半開始

両チーム共に交代はありませんでした。前半から激しい身体と身体の衝突を繰り返していた両軍。赤嶺くんが住吉・ンドカに立て続けに際どく削られ、中山くんも徳元・パウリーニョと激突。独特の緊張感が漂います。

後半の入りに効いていたのは岡山・白井くん。58分37秒からのシーンでは縦パスを入れたと思ったらするするっと上がっていき、右サイドからクロスを上げたり、その次のCKを田中くんにドンピシャであわせゴールポスト直撃。

61分に岡山はパウリーニョ→上田、齊藤→山本

62分に水戸も続いて外山→河野、木村→森と交代

直後にゴールキックを中山くんがヘディングで山口くんにパスしましたが、ボールタッチが大きくなりポープさんと交錯。イエローカードを貰います。これはあのタイミングでボールにアタックにいった山口くんのプレーが確かに危険でした。しかし、岡山の濱田くんの位置取りが悪く、山口くんの抜け出しを許す要因となりました。

67分40秒には左サイドで中山くんが粘って椋原くんに競り勝ち、ボールを森くんへ。右足でインスイングのシュートを放ちますが、ゴールポスト直撃。

水戸はあえて徳元くんと田中くんの右サイド(岡山左サイド)を狙わずに濱田くんや椋原くんの裏という、岡山のウィークポイントを突いた攻撃を何度も展開していましたがゴールを奪う事が出来ません。

後半はかなり激しいプレーが増え、イエローカードを貰ったせいか、選手交代をしても流れを引き戻す事は出来ず、岡山は入った山本くんが右サイド(水戸左サイド)に何度もタイミング良く入り込み、椋原くんとのコンビネーションも良く、水戸が狙っていた左サイドを攻略する事が出来なくなってしまいスコアレスドローに。

後半に関してはあまり水戸側としては見るべきところが無いものになってしまいました。岡山が特別何かを変えてきた感じも無かったからです。若干前線のプレスが前半より激しかったでしょうか。

試合終了

ハイライト

水戸は勢いに乗ったら怖いもの無し。しかし粗削りな部分も多い。山口くんのギラギラしたベクトルも、出すところとひっこめるところのメリハリがつけばかなり怖さが増すし、壊れかけた試合を落ち着かせ再び攻撃のスイッチを入れる事が出来るようになれば山田くんもまた一歩、未来のマリノスの中心に近づける。

しかし後半は岡山にボールを握られ、動きを追いかける事が精一杯になっているように見えました。前半のような速い動き出しが見られず、交代要員も違いを出す事が出来ませんでした。

前回、僕がレビューした時は山口に勝ったにも関わらず、栃木戦の不甲斐なさを語っていた秋葉監督。今回も前半と後半でまるで別のチームになってしまったと語っていて「情けない」という言葉が出ていました。それだけレベルの高いものを望んでいるし、実際にその力があると感じているからでしょう。

歯車がかみ合えば、とてつもない力を発揮するポテンシャルを持っていますが、かみ合わない時は自分達ではどうすることも出来ない。その歯車がどうなるのか、次のレビューが楽しみです。それでは、水戸の皆さん良い週末を!

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