琉球スタッツ

どうも、ちびっこ練習からずっと見ていたタギさんです。R01.09.14 J2リーグ第32節 FC琉球 vsツエーゲン金沢

1万人チャレンジデーとなったこの試合。相手はまさかの琉球。新潟や岐阜や京都といった金沢から比較的近い相手を選ばずにあえて琉球との試合をチャレンジに選んだツエーゲン。さすが「挑戦を、この街の伝統に」である。しんちゃんコラボ、ミニ四駆、EGGコラボ、加賀屋入社内定式(石川県人しかわからん)と挑戦を続けてきたクラブのこの対戦相手にほぼ頼らない挑戦を後押し出来るのは我々サポーターしかいない。

会場に来られる人も来られない人も魂を1つにして応援しなければ選手を後押し出来ずプレーオフ圏内から遠ざかる。結果はどうあれ挑戦を続ける事に意味があり、それが積み重なって伝統となるのだ。伝統を分かち合うサポーターが一人でも増える事を願い会場に向かう。

試合前のゴール裏は西日がキツそうだったが、そのせいか余計に目立って見えた。1万人だろうが4千人だろうがこのゴール裏の歓声があると背中がゾクゾクして身体に力がみなぎる。今日こそ勝利を。初めての人も久々に来た人もいつもの人も一緒に歓喜を味わう準備は万端だった。

スタメン

琉球戦スタメン

普段使用しているソフトが使用できなくなるとの事で思考錯誤しております。今回はパワポで自作してみました。なんか微妙にアイコンの大きさが個々で違いますがご勘弁を(汗)

金沢の前回からの変更は無し。小松くんまさかのメンバー外でサイン会要員。永遠くんもいない。サブは後藤・石尾・杉浦・清原・金子・窪田・梅鉢。ミスターツエーゲン久々のベンチIN。

一方の琉球の前節からの変更は風間宏矢くんが左に移り、その宏矢くんがいた位置にハモンさんIN。富所くんが外れた。ベンチにも富所くんの名前が無い。前日にネットの記事で金沢戦への意気込みを語っていたのでびっくりした。練習中にアクシデントでもあったのだろうか。サブは石井・西岡・西河・風間宏希・小松・田中・上原。

試合開始からの金沢の守りの狙い

図①

図1:ボールが金沢ゾーン3にある場合は前線から強くプレッシャーを掛けてパスを出す相手を作らせず最終的に琉球の前線にロングボールを出させてセカンドボールを回収する。

琉球図②

図2:ボールが金沢ゾーン2に入ってきた場合は相手CBにプレッシャーには行かず、ボールを岡崎・福井諒・鳥養・徳元で回させる。ボールが中に入る(上門・ハモン・上里・小野・風間宏矢)時に備え金沢ディフェンスはびっちりマークというよりは中間ポジションで琉球戦士たちを監視。ボールが中に入ってきたら2人以上で囲んで奪い獲るという狙いでした(図3)。

図③

図④

4図:上里くんが下がってボールをもらう時は伸二くんと縦関係になる事が多かったですが、やはり中にボールを入れようとする時は複数でプレッシャーを掛けすぐにボールが周りの選手に出てもいいように金沢ディフェンスはプレスのレベルを上げたりパスコースを消します。

琉球は伸二くんも含めMF・FWの運動量を多くしましたがボールを前進させるのに苦労していました。

金沢の攻撃の狙い

基本的にサイド攻撃です。特に金沢左サイドですが、沼田・加藤・垣田を中心に大橋くんが絡む形が多かったですが常に同じ列にパスを受ける選手が立たないようにボールを前進させていました。(図5)

図⑤

それが実を結んだのが前半22分のゴールです。実は前節水戸戦66分ごろでも同じようなシーンが見られていました。

加藤くんからのアーリークロスをクルーニーさんがゴール。前節はクルさんがボールにタイミングを合わせることがで出来ずにゴール出来ませんでした。今回は前に垣田くんがいましたが加藤くんのクロスに反応したものの足に当てることが出来ずにボールがクルさんのほうに来てのゴール。それもGKカルバハルを見てか頭上を越えるフワッとしたボールをゴールに入れました。

図⑥

まるで前回の僕のレビューを見て奮起してくれたのかのようでした。カッコよく決まるゴールはあまり無いクルさんですが、こういう不器用でもまっすぐにボールに向かう姿勢を将軍は評価しているのかも知れません。

22分:得点 クルーニー 金沢1-0琉球

また右サイドでも崩す仕掛けが何度か見られました。大石くんがボールをキープして小島くんが追い越したり、小島くんが何度かクロスを入れるシーンも見られましたし、前々節より前節、前節より今節と仕掛ける姿勢とタイミングが良くなってきつつあるなと思います。

琉球の富所くん不在の狙い

左のSHとしての出場の多い富所くんが今回不在。出場時間が多い中、今後の残留争いを勝ち抜く為に温存しておいたような気はします。さらには金沢のマンツーマンディフェンスには、より個人での打開を図れるハモンさんと風間宏矢くんを左右に置きズレを生じさせて金沢DFを崩したい印象は受けました。それが13分頃のシーンでした。流れをGIFアニメでどうぞ。

23分アニメ

琉球左サイドに集まり密集状態(オーバーロード)を作り出します。山田くんが伸二くんにパス、それをスルーして上里くんにボールが渡った時点で大石・小島・藤村・廣井・大橋が左サイドに置き去りに。オーバーロード状態を作っておくと大体、逆サイドに攻撃性の高い選手を配置し1対1の攻撃を仕掛けさせます。(アイソレーション)しかし、鳥養くんが沼田くんの裏に入りハモンさんの攻撃の援助を行いました。山田・小野が斜めにPAに侵入していくことで金沢ディフェンスの視角に入って認知しにくくなります。

この時は鳥養→小野にボールが渡らず返ってきたボールを鳥養くんがシュート、白井神がポスト(仁王様)を使いゴールを阻止しました。(要するにポストに当たったんです)(笑)

琉球は斜めに走り込みボールをPA内で受け、それを走り込んできた味方にパスしてフリーな形でシュートを打たせようとしていましたが、金沢の守りのプレッシャーとラインの押し上げで前線と中盤の間を詰める事が出来ていなかった為、なかなかいい形を作れていませんでした。

そんな琉球がゴールを決めたのは金沢の一瞬の油断からだった。金沢のゴールキックをクルーニーさんと競って岡崎くんが勝ちハモンさんへ。ハモンさんにボールが渡るまでに金沢の守備陣の位置を確認。そして山田くんが動き出します。(図8-1)

図⑧-1

山田くんが廣井くんを誘いだす事で上門くんの前に道が開けました(図8-2)

図⑧-2

シンプルでしたが一瞬で置き去りに。逆にこういう形のほうが琉球としては得意なんではないかと思いました。

画像11

義道くん視界に入っていたが、ハモンさんのパスの出し所と上門くんの受け方が良かった。あっぱれである。

37分得点:上門 金沢1-1琉球

その後は前半終了まで琉球ペース。伸二くんが最終ラインに、ハモンさんがボランチに吸収されたりしながらビルドアップに関与していく。やはり金沢の両サイドバックの脇を狙いながら中央が空くのを伺っていたが、そこは金沢も承知の上なのでなんとか追加点を与えず前半終了。

先取点を獲り追いつかれたがそこまで心配はしていなかった。崩される場面はそんなに無かったからだ。琉球が斜めに入ってくる形もあまり再現性は高くなかった。しかし、ハモンさんが中盤に関与し始めてから良くなってきたのが気がかりだった。

後半開始

46分交代:金沢 大石→窪田

こういう投入の仕方ってあんまりいい予感がしないのは私だけ・・・?まあ、とりあえず窪田きゅんが出てきただけヨシとするか。マッチデープログラムの表紙だったし。こんな表情するんだなー。きゃわいい窪田きゅんしか見たことなかったからなんか新鮮♡

画像12

後半から、やはり手ごたえを感じていたのだろうが、図7のGIFアニメで示したような左サイドを主に突いてくる攻撃に完全にシフトした琉球。風間宏矢・上門・山田が味方を追い越したり、相手裏を取るプレーで金沢ゴールに迫る。だが、思っているほどやられている感じも無かった。ボールは持たれていて金沢もなかなかボールを保持する時間が無いが、最後の最後が突破されていない。なんとか食らいついていた。

そしてショッキングなシーンへ・・・

窪田きゅんが負傷交代・・・(涙)・・これに関しては後程・・・

64分交代:金沢 窪田→金子 

想定外の交代。早い時間にカードを切らざるを得なくなった金沢。そんな時に投入されるのは監督の信頼の厚さを感じさせるこの男。表立った気合いは見せないが、気がつくとサラッと仕事をしてしまっている。将軍にとってはベンチに置いておきたいカードなのだろう。

74分交代:琉球 小野→風間宏希

レジェンドの域に達する伸二くんがあれだけ動いていたら他のチームメイトは気が抜けないだろう。フル出場は難しいだろうが、前後の空間を埋める動きやバランスの取り方、目立たない所での働きはさすがである。何人かJ2に来たレジェンドの中でも群を抜く良さ。

必殺仕事人・金子

金沢のゾーン3右サイドからの小島くんのスローイン。金子→大橋へパス。この時、徳元・風間宏希・上里が小島くんのほうに寄りすぎていて、クル・大橋・金子の前にスペースが出来ていた事を金子くんが見逃さずスイッチを入れ走る。

図⑨

大橋→クル→金子のレイオフが決まり金子がゴールバーにボールを当てながらも押し込みゴール!

画像14

出場時間は限られているが、この仕事人にはセンスと一瞬の判断力がある。1万を超える観衆の中で必殺仕事人完遂。

71分得点:金子 金沢2-1琉球

74分交代:琉球 風間宏矢→上原

転んだ時に足の筋を伸ばしてしまったのか、しばらく足を気にした後の交代。琉球はこの交代を機に4-2-3-1から4-4-2へ移行。

竜さん、窪田・小島改造計画?

この後金沢がペースを取り戻す。小島くんが大石・窪田の分まで走るように躍動。しかし、徳元くんのタックルに合い3回転する(汗)観客席で見ているぶんには窪田くんの時より衝撃的だった。なんせ3回転。

画像15

窪田きゅんも小島くんも大人しそうだからやられちゃうのか・・・ここは金沢の特攻隊長・ガテン竜さんに窪田・小島改造計画をお願いしなければ。とりあえず金髪にあごひげじゃー!

その後、逆に気合いが入ったのか、琉球の左サイドを攻める攻撃にもしっかり対応し深い所に入らせない小島くん。残り10分。ボールを保持しながらも攻めあぐねる琉球。奪って速攻に行きたいがボールを獲れない金沢。

81分交代:琉球 ハモン→田中

終盤で同点、そこからが試される時

同点のゴールは完全なクリアミス。替わって入った田中くんのファーストプレーのクロス。回転が若干かかっていて廣井くんの前でスッと落ちる。目測を誤ったか、空振り。これまた替わって入ったばかりの上原くんが落ち着いてゴール。

82分得点:上原 金沢2-2琉球

83分交代:金沢 クルーニー→清原

この1ヶ月間ベンチにすら入れなかったミスターツエーゲン。若手の台頭とヤンツーハードワークサッカーに出番を失った感があったが、我々はキヨくんを信じて待っていた。

キヨくんが入ってすぐあとで観客が13070人と発表。前半から集中して試合を見ていてハーフタイムに入ってふと周りを見ると席がだいぶ埋まっていた。チャレンジは成功した。あとはこの大多数のサポーターと共に勝利の喜びを味わうのみ。

琉球は持ち前のショートパスからロングボール主体の展開に変わっていた。疲労の色が濃かったし、前には山田・上原のハイタワーがいる。しかしバックパスをしてカルバハルから前線にフィードさせようとした所を垣田くんがカット。

画像16

13000人の希望を乗せたボールは惜しくもゴールポストに弾かれる。しかし、問題なのはこの後だ。

画像17

疲れていたのは良くわかるが、シュートが入らずにずっとそこに立ち尽くす垣田くん。PAに入って囮になっていれば次に加藤くんが放ったシュートが入っていたかも知れない。

よく攻撃のセンスがある選手でも使われなくなる要因として、守りをサボることとオーバーなリアクションをして身体が次の行動に移っていない事を挙げることがある。ピッチの上では常に攻守の切り替えが必要で、悔しがったりするのはボールがタッチラインを割ったあとにしなければいけない。ゴールが欲しかったのは痛いほど良くわかる。しかし、それでは勝ちを呼び込むストライカーにはなれない。

終盤は金沢が猛攻。垣田くんを頂点にしてクルさんに替わったキヨくんが左右のサイドに顔を出し数的優位を作っていく。加藤くんからのクロスをヘディングするキヨくん。枠を捉えられなかったが、久々のピッチで大観衆。さぞかし嬉しかっただろう。ホントはもう一つカードを切ることが出来れば勝てていたかもしれない。そのくらい、他の選手の疲労が強かった。特に垣田くんに楔のボールを入れても納めることが出来なくなっていた。

琉球スコア

試合終了:試合中のジャッジについて

試合後の将軍コメント

「どちらの選手たちも勝ち点3を取りにいってるので激しいプレーというのは絶対に出てきます。正面からだったら相手が来るのが分かるから避けることができる。でも、プレー中にボールを離した直後や、後ろからのスライディングは見えないので避けることができない。選手も我々スタッフもミスはあります。同じようにレフェリーもミスはあります。でも、今日のは見逃してはいけないミスでした。窪田はまだ18歳で、その年齢で大きな怪我をしたらもう選手生命は終わりかねない。ああいう悪質なラフプレーに対しファウルを取らず流すのはちょっとわからないです」

あまりレフェリングにどうこう言うのは私は好きではないし、前半13分の幻のゴールシーンはどっちとも言えない。角度的に入ったように見えるが、ゴールラインテクノロジーが採用されてない以上、判断は審判にゆだねるしかない。

しかし、窪田くんの負傷シーンだけではなく垣田くんが削られたシーン、小島くんの3回転など、他にも両チームの将軍が審判に説明を求めるシーンが多かったように思う。審判の質の向上ももちろんだが、試合の流れを読む事によって激しいプレーを抑える事も審判の役割。笛を吹くシーンで吹かなかったり、カードを出さなかったりしてはエスカレートするのは当たり前だろう。

しかし、審判がミスジャッジをしたからといってSNS上で鬼の首を獲ったかのように吊るし上げるのもどうかと思う。言って欲しい事はちゃんと我が将軍が言ってくれている。

残り10節で

改善と言っても難しいかも知れないが、ここ何試合かの垣田くんのプレーの質やボール処理の精度が目に見えて落ちているように思う。特にPA前で楔となったりSBの脇を狙って幅をとりクロスを入れるなどの役割を果たせていない事が多い。ここは1~2試合休ませるのも手ではないかと思います。

あと、加藤くん。前節覚醒しメッシ加藤に生まれ変わった(元からか)が、1対1の一瞬の判断は素晴らしいものがあるが、明らかにオフサイドになる場面でのブレーキが掛けられていない。要するに周りを見られていない時があるのだ。そこらへんをもう少し意識すれば裏に抜け出して相手を置き去りにするシーンも増えてくると思います。

最後に

1万人チャレンジデーは13070人と1万人を大幅に上回る数字を残して大成功に終わった。出来れば勝利の歓喜を味わいたかった僕はまたしばらく席から動けなかったが。(今シーズン4戦4分け)しかし、1万人を超える事が目標ではない。いつも4千人くらいの集客をどうすれば増やすことが出来るのか。

僕も毎試合足を運べる訳ではないので偉そうな事は言えない。しかし大差がついた試合なら仕方ないが、あれだけ最後の最後まで結果が分からなかった試合でも我先に会場を出る人の多かった事。渋滞を避けたい気持ちはわからんでもないが、そういう試合の見方をしている人がいる以上、またそれに慣れてしまっている以上、大幅に客足が増えるとも僕には思えない。まだ多くの人にとってサッカーの価値というのはそういうものなのだ。悔しさと共にここからがまた始まりだと感じさせてくれた思い出深い試合になりました。1万人チャレンジデーでご尽力された皆さん。本当にお疲れ様でした。とてもいい光景を見せていただきました。こんな光景を何度となくプレーする選手に見せてあげたい。その為に我々みんなで出来る事を探して継続していきましょう。




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