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2020 J2リーグ第25節 FC町田ゼルビア VS ツエーゲン金沢 レビュー

今年は行けないのが少し辛い。最近、町田に行きたくて少し脳内旅行をしてしまう自分がいる。嗚呼、野津田に行きたい。嗚呼、パパパパパインに行きたい。嗚呼、仲見世商店街へ行きたい。嗚呼、町ガちゃん達に会いたい。

スタメン

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金沢は変更無し。ルカオさんは調子がどうこうでは無く、切り札として有効だと判断している様子のヤナ将。大橋くんが怪我から復帰し、ベンチの層が厚くなってきましたね

町田の変更は2点。マソビッチ→吉尾、そして安藤くんが警告累積で出場できず、ステファンさんが20節大宮戦以来の先発。

金沢・町田両軍共に5連戦の初戦という事で、考えうるベストのメンバーで臨んだと言っていいでしょう。

3回目の観戦会

今月も「RED TAG」主催の観戦会を行いました。今回はKENTAさんにゲストとして来ていただき、僕と二人でわいわいとやらせていただきました。

マスクマンの眼の奥が死んでるのは何故だろう(笑)。KENTAさんのYouTubeで生配信もしていたのですが、皆で見るというのはまた良いものです。超盛り上がったなー。前半は・・・。

前半開始

金沢CH藤村くんのサイドチェンジが上手く決まって、金沢左SB渡邊くんから左SH島津くんへのスルーパスを町田のCB深津くんがタッチラインの外へ出しコーナーキックを得る1分2秒の金沢。

町田ディフェンスが弾いたボールを金沢FW加藤陸次樹くんがダイレクトボレー。画面上では良くわかりませんでしたが、CKのキッカーを務めるCH藤村くんのボールのカーブ具合といい陸次樹くんのボレーの弾道といい風が左から右方向にやや強めに吹いていたのかなと、今観たら感じます(この試合のゴールはすべて画面右のゴールマウスに入った)。

窪田きゅんの新たな武器

続いて4分54秒、画面奥でミドルサードでのボールの奪い合いを金沢が制し、中に絞っていた金沢右SH窪田きゅんにボールが渡ります。金沢左SH島津頼盛くん→金沢FW杉浦恭平くんへとボールが渡りクロスが深津くんにカットされますがボールは意図的に左サイドに残っていた窪田きゅんに。

窪田きゅんが左足でクロスを上げたのは新鮮でした。右ほど鋭いクロスではなかったですが、右サイドからのクロスは前節の甲府戦でも相手に対応されていると感じたので、ポジションを変えて左からクロスを上げるのもオプションとして面白いと思います。

覚えておいて損は無い、吉尾海夏

7分過ぎに金沢のボールを町田左SB奥山くんが奪って、パスをつないで町田FWファンタジスタ平戸くんからサイドチェンジして町田右SH吉尾くんへ。右のハーフスペースから斜めにドリブルし、中央レーンペナルティアーク手前から思い切りの良いミドルシュート。

左利きの吉尾くんが斜めにドリブルすると、敵から遠い位置にボールを置きながら前進出来るのでとても有効な攻撃でした。

ちなみに吉尾くんはマリノスから期限付き移籍で町田に来ています。昨季は仙台にいて19試合出場2得点。町田では今季すでに22試合出場。楽しみな21歳。24分17秒にも思い切りの良いカットインからのミドルシュートが見られました。

「塩」な時間帯

10分を過ぎたあたりから両軍、ロングボールを前線にあげてセカンド回収という賑やかしい対応を止め落ち着いた展開に。金沢はボールを持たされます。下は前半の金沢がボールを保持した時の配置図です。

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下は町田が金沢に行っていた対処です(動画)。

ボールを持たされて前に進まない金沢。ロングボールを出しては競ってコーナーキックを得るもチャンスを生かす事が出来ません。前半でコーナーキックは6回ありました(後半は2回)

しかし、町田もボールを奪って早く前へボールを動かそうとしますが、パスの精度が低くボールをロストします。サイドチェンジを多用していましたが決定的な場面は少なかったです。

藤村のスーパーなアシスト

37分29秒、金沢は右サイドにいた町田のCH高江くんが左SB奥山くんに出したサイドチェンジのパスを右SB長谷川くんがカット。

サイドチェンジを多用していた町田のボールを狙っていた金沢のカウンターとなりますが、窪田→加藤とボールが渡り、窪田きゅんの後ろを斜めに走り右サイドに行った藤村くんがボールを持ちます。

カウンターとしてはそんなにスピードは速くは無く、しかもゴール前には町田のディフェンスが4人。杉浦くんが真ん中で囲まれていました。

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藤村くんは頼盛くんの動きを見たのでしょうか。それとも町田の選手が全員自分の方しか見ていないのを確認したのでしょうか。GKの秋元くんが出る事の出来ない絶妙のクロスを上げます。頼盛くんがヘディングをした時点で先に飛んでいた町田右SBの小田くんが驚いているので頼盛くんの事を感じていなかったのがわかります。

しかし、それがわかっていたとしてもピンポイントで頼盛くんに合わせるのはとても難しいと思います。多分金沢であれができるのは藤村くんだけでしょう。まさにゴラッソと言うにふさわしいゴールで金沢が先制しました。

町田0-1金沢

金沢は前半のうちに追加点をあげます。町田としては焦らずボールをつないでこのまま前半を終了し、後半に向けて修正したかったところでした。しかしその気持ちが強かったせいでしょうか。町田は自陣からのパス回しでミスを犯してしまいます。

練習の鳥かごを失敗してしまったかのような町田の失点。金沢は理想的な展開で前半を終えます。

町田0-2金沢

後半開始

町田は小田→酒井、そして吉尾→チュングンでチュングンさんが左のSHに、岡田くんが右のSHに入ります。金沢は変更無し。

町田は入ったばかりの酒井くんがオーバーラップして金沢のペナルティエリアに入り込みシュートを放ちます。さらにチュングンさんもその後すぐに左サイドを突破しチャンスを演出。

確実にギアをあげて点を獲りに来た町田。確かに試合後のヤナ将のコメントのように眠っていた町田が起きてしまった感はありました。だが、金沢もゴール前で細かいパス回しからクロスを狙うという攻撃が出来てはいた(55分30秒あたりからの攻撃)しそこまで悲観的に観てもいませんでした。

いつもより早い、しかも順序が逆の交代

しかし、指揮官の勝負の勘なのでしょうか。いつもの交代がいつもより早くやってきました。

杉浦→山根、加藤→ルカオ

入りは悪くありませんでした。58分21秒にディフェンシブサードで町田のスローインを競ったセカンドボールが山根永遠くんのところに転がると、振り向きざまに鋭いパスをルカオさんめがけて蹴りだしイッキにアタッキングサードまで進入。カウンターの起点となりました。

町田は酒井くんが前にボールを出してオーバーラップ。岡田くんが高江くんに戻してすぐに前へとボールを送り、酒井くんが前を向いてボールを受けられるようにするなど、金沢の交代で傾きかけた流れを引き戻そうとします。

最初の交代から約6分後、いつもとは順序が逆の交代が行われました。

窪田→高安、島津→金子

町田も交代のカードを切ります。

ステファン→中島、岡田→マソビッチ

今度はマソビッチさんが左、チュングンさんが右サイドへと移ります。

そして交代の効果はすぐに現れます。町田のほうに。

上の動画には収まっていませんが、少し前に金沢右SH高安くんがあまりにも簡単に永遠くんに出したクロスをカットされていて、奥山→マソビッチ→中島→高江と繋がりますが、高江くんに全くプレッシャーがかかっていなかったのが結果としてボールを速く前進させてしまう要因となりました。先ほどミドルサードタッチライン際にいて、高江くんにパスをだした中島くんがチュングンさんがボールを受けた時には金沢ディフェンスの背後を走っています。

町田1-2金沢

町田の息の根を止める為に先手を打った金沢。完全に思惑とは違う形になりました。

給水タイムを経て・・・

そして給水タイムに入りますが、ここから金沢の2トップに変化が起こります。先ほどまで永遠くんが一列下りてきてパスを受けてルカオさんと縦関係を作る事が多かったのに対して、ここからそういった動きが全く見られなくなりました。2トップが並んで近くに配置。ボールを引き出す動きがなくなりました。

町田は勢いがつきます。チュングンさんとポジションを入れ替えたマソビッチさんが斜めにカットインして中央の平戸くんにパスしてミドルシュート。中島くんもタメを作って味方の上りを待ったり、平戸くんにも再度スタミナが戻ったかのような動き出しが復活し押せ押せムード。

右サイドから攻め込もうとしていた町田の高江くんにプレスバックしてボールを獲りにいった永遠くんのプレーがファールと判定され、金沢から見てPA左側の少し手前からのフリーキックを献上しました。

金沢はこの前にも永遠くんへのロングボールを出して、すぐに回収されてしまうあまり効果の無い攻撃をしてしまいます。ロングボールを狙うなら絶対ルカオさんです。町田の勢いに圧倒されていたのでしょうか、集中力が切れていました。

一点目に藤村くんが上げたクロスがとてもきれいな弧を描いていたのでベストゴールだなと思っていたのもつかの間、目の覚めるような直接フリーキック。あそこにボールがいったらどうしようもないですね。平戸くんはやはり凄い。

町田2-2金沢

謎の交代、キャプテンピッチ外へ

この同点弾の前に???となる交代が行われました。

廣井→作田

いつも5枚目のカードを使わないヤナ将が使ったカードはCBの交代。廣井くんになにかあったのでしょうか。見ているぶんには廣井くんに何かあった感じは無く、むしろ良く守っているといった感じでした。中島くん対策としての投入だったのでしょうか。

金沢は残り10分くらいからようやく「戦術ルカオ」モード(ルカオさんへのロングボール→セカンド回収)に突入しますがセカンドボール回収もままならず、サイドへの展開に持ち込んでクロスを上げる事も出来なければ、中央に戻してミドルを打ち込む事もできません。

ならばと88分27秒に金沢CH本塚くんが永遠くんにロブパスを出しますが、ボレーシュートは大きく外れてしまいました。同じようにロスタイムに金子くんの動き出しに合わせて藤村くんがロングフィードでパスを通しますがヘディングは町田GK秋元くんがガッチリキャッチ。

終盤は攻め込む時間帯の多かった金沢。しかし、眠れる町田を起こしてしまった挙句に、金沢は自分達の動きが悪くなってしまいました。

試合終了 町田2-2金沢

スタッツ

ハイライト

感想

負けに等しい引き分けでした。勝ち点3が1になる。こういう試合の一つ一つが後々になって響いてきます。今年は降格もプレーオフもありません。2位以上の昇格のみ。だからこそ目標を高く持ち、来年に繋げなければならないのではないでしょうか。目標を分かるように掲げていないので、選手はどんな思いで戦っているのかわかりませんが、引き分けを勝ちに、負けを引き分けに、一点でも多く勝ち点を獲る姿勢が求められていると思います。このままでは去年からの上澄みはありません。

先手を打って交代したのもわかります。しかし、狙いが共有されているとは感じられませんでした。

後半戦とはいえあと2か月と少し。去年より上だとか一桁順位だとかにとらわれず目指すサッカーを突き詰めて欲しい。そのうえで結果を求められるようになれば言う事はありません。

観戦会のアフター

試合後は皆さんと一緒に今後のツエーゲンについて色々とお話しました。ここでは言えないような事もチラホラと・・・(笑)楽しい仲間が少しづつ増えてくれればいいなと思います。11月も開催予定ですので皆さんのご参加お待ちしています!

あとこちらもよろしくお願いします。詳しくはお問合せ下さい!





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