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自分の「得意分野」を足枷にしないために…。

『企業内診断士の輪を広げる「楽しい」ブログ』。           
本日はタガがお送りします。どうぞよろしくお願い致します。

さて先日、メンバーの井上誠兄さんが「得意」について語っていました。

さすが井上さん、ハラオチの内容ですね!
(ちなみに私も、「パソコンが壊れたらとりあえずIT系の人に聞こう!」という思考の持ち主です。)

そこで私も便乗して(笑)、企業内診断士の得意分野についてお話します。
ただし今日のテーマは「得意分野が足枷になってしまうケース」です。

★足枷その1~自分の活動範囲を狭めてしまう~
 私が診断士になったばっかりの頃の一時期、「経験があることは得意、でも経験がないことは苦手or出来ない」という思考に陥ってしまったことがありました。今思えば、本業に関わる部分での経験には自信があった反面、未知のことに対して必要以上に構えてしまっていたような気がします。
 そんな時に声をかけて頂いたのがアクセサリーを製造販売している企業の案件。親しい方からのお誘いだったので引き受けましたが、正直なところ、ファッションにはとんと縁遠い生活を送っているため、「引き受けてしまってよかったものか…。」としばらくは悶々としていました。
 しかし、なんとか案件を無事に終えた際に社長が仰ったのが、「普段アクセサリーを使わない立場の視点からの意見が参考になった」という一言。こんな形で貢献できることもあるんだ、と、私の方が目からウロコが落ちる思いでした。
 「何がどんな形で役に立つか」は、自分の視点からだけでは分かりません。気付いていない強みや得意分野を見つけるためにも、まずはいろいろな分野の仕事にチャレンジすることをお薦めします。

★足枷その2~客観的な視点を失ってしまう~
 本業と似た業種の会社が相手の場合、相手と同じ目線で考えられる点は良いのですが、ともすると「慣れ合い」が生じてしまうことがあります。
 これは本業でも時々あることなのですが、「特殊な業種だから、うちではムリ」「業界特有の事情があるから、上手くいかないのは仕方ない」というような声を聞くことがあります。確かに、会社にはそれぞれ特性や事情があるでしょう。
 でも、本当に「仕方ない」のでしょうか? 解決へのアプローチは何もないのでしょうか?
 本来、そういった先入観を持たずに客観的に見て助言することが診断士の仕事のはずです。しかし、自分の本業と類似した業種の会社が相手だと、つい感情移入してしまい、愚痴を共有しただけで解決策に繋がらないことがあります。
 本業で培った視点を生かすのは大事です。ですが、「企業の中の人の視点」と、「診断士としての客観的な視点」をうまく使い分けないと、せっかくの強みが活きてこないのではないかと思っています。

★おわりに
 上で書いた2つの足枷は、いずれも私が実際にハマった落とし穴です。診断士になりたての頃、いろいろな所で「得意分野は何?」と聞かれて、無意識に「企業内診断士だから、会社でやっていることが自分の得意分野なんだろうな」と安直に考えていました。
 でもよく考えたら、企業人として接する世界と、診断士として接する世界は別モノです。企業内で通用する強みが診断士の仕事で活かせるとは限らないし、逆に、企業内では出番のなかった強みが、診断士の仕事で発揮できるかもしれません。
 会社員の自分と診断士の自分のバランスをうまく取りながら活動していきたいですね。

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