ちびまるこちゃんを好きなのは。（６６０文字）

子どものころ、本棚からとりだして、表紙が反り返るほど読み込んだ「ちびまるこちゃん」
モモやエルマー、かぎばあさんよりも、まるちゃん。
こまったさんや星の王子さまよりも、まるちゃん。

漫画が一番だけれど、エッセイも好き。
アクも毒も薄い分、少々物足りなさはあるけれど、アニメも好き。
DVDやアニマックスでもみる。

さくらさんの生み出すまるちゃんのどこが、何が
そんなにすきなんだろう。

いつみても変わらない、裏表のない姿。
カッコ悪さ、底意地の悪さ、喜怒哀楽をむき出しにして生きる姿。
全てをさらけ出す勇気。
潔いほどに飾り気のない親近感。

そこに憧れと尊敬がわく。
だってさ、食べかすやゴミだらけの部屋で、ごろごろ寝そべっておならする姿をお茶の間にさらすだなんてなかなかできない。

そういえば綾子ちゃんてまるちゃんぽいよね！
おかっぱだし！

似てるといわれ、少し複雑。
スキなのにね。
確かにたまちゃんや、かよちゃんキャラではない。
城ケ崎さんや笹山さんでもない。
野口さんやみどりちゃん、みぎわさんでもない。
前田さんや冬田さんではないといいな。

「付き合うならドラえもんの静香ちゃんか、まるこどっちがいい？」
「ん～どっちもなぁ～…。静ちゃんは意地悪な時あるし、まるこはいたずらしそうだし…」

悩んだ末、小学生の息子が決めたのはまる子。
なぜかちょっとうれしい。

答えはわかりつつ、夫にも同じ問いをしてみる。
答えは秒で「しずかちゃん」
なんだか悔しい。
今度会ったら何かいたずら仕掛けよっ。

とりあえず、私はおかっぱではなく、「ボブ」ということだけは主張させてください。