徹底のリーダーシップ

今年3冊目。

柳井正さんの推薦書だったので読んでみた。本書の内容よりも、柳井さんの序文のほうが遥かに良い内容だったのはご愛嬌。

危機時にはリーダーが徹底して闘いぬくこと、現場情報が直接自分にはいる仕組みをつくること、そして生き残るためのキャッシュを残すことと話されている。リーマン・ショック時に出版された本であるため、その色合いがかなり強い。リーダーは言うだけではだめで、ひたすら行動し続けるべきだ。自分が率先して動き続ける。どんなに大きな組織であっても。少なくとも、僕が見てきた素晴らしい経営者は、従業員が数千人いても、自分で手を動かしていた。

本書を読みながら、自分の問題意識と合わせて考えさせられたのは二つ。

1.経営者育成
自分自身が徹底をするのは意外と楽で、問題は、柳井さんが本書で触れているように、どうやって社員(少なくとも管理職レベルまで)が目標達成のために徹底的にやりぬく気概を持つように会社を変えていけるのかにある。本書はこの点について全くの沈黙を貫いている。これは僕のような仕事をしている人間にとっては一番大切な問題なのに。

個人的な結論としては、その資質がある人とゴールを共有しつつ、精神と能力を身体に叩き込むまで一緒に過ごすしかない、という結論になった。問題は期間で、濃縮された時間でも2年は必要と感じている(短くする方法を編み出したらまたこのブログは更新される)。日本電産はいったいどうやっているのだろうか、と知りたくなった。

2.社員全体との危機感共有
もう一つ書かれているのは、全社員が危機意識を持って事業に日々取り組むにはどうすればいいかという問題。これも答えはなくて、ある程度までは「勇将の下に弱卒なし」というのは事実なのだろうけれども、しかしリーダーが一生懸命に取り組んでいればよいだけではないのだろう。

本書のいくつかのアイデアは興味深かったし、自分も下記のようなことをやってみようと思った:
・社員全員に財務モデルづくりのトレーニングをさせて、自分の仕事が会社の業績にどれくらいインパクトを与えるのかを皆が自分で計算できるようにする。
・バリューチェーン分析を皆にさせて、自分がどこで何をしているのかを常に理解できるようにする。


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