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週末レビュー(2021年8月8日):バンガロール→ムンバイ→アフメダバド→デリー→ラダック

電波の通じない場所にいたため、いま更新。

久しぶりによく移動した一週間。大過なく移動しきれてよかった。

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始まりはバンガロールからの移動。この時期だし、90分前に空港に着いたら間に合うだろうと思ったら、空港はまさかの大混雑。普段よりも混雑しているくらいかもしれない。空港に入るのに30分かかり、そこからチケットカウンターに着くまでにさらに20分かかったので、便を変えてもらう。それも大幅に遅延。

インドの中産階級はすでに日本と同じくらいいて、その人たちが海外旅行の代わりに国内旅行をしているということなのだと思う。

インド中の街中でこの期間見られたことだけど、自粛ムードはほぼゼロ。ソーシャルディスタンスの概念もほぼゼロ。ごく一部の人たち(例えば同僚のSanjayとか)が気にしているだけ。つけていないと警察が罰金を取っていくので、ほとんどの人はマスクを道中で常時着用しているが、それ以外は普段どおりだった。どの都市もCovidの第二波で大勢の人が亡くなったはずなのだけど、完全に忘れられているようだ。

イギリスとインドにやってきて改めて感じたのだけれども、Covid程度では人間の根本的な行動変容は起きない。今回のパンデミックに対して、人々は平常時の行動パターンに基づいて対応しているだけで、その行動の基本原理はほとんど変化していない。

東京ではあまり神経質にならずに生活していたのだけど、今回は若干リスク感度を上げている。州をまたぐにもPCR検査が必要で、陽性反応が出ると移動予定が一気に崩れてしまうので、気を遣わずにいられない。

ムンバイは着くやいなやオートリキシャの運転手がとんでもない金額をふっかけてくる。いつも通りだ。普段は現地での価格+20〜30%くらいを払うようにしているのだけど、今回はみんな大変だろうしあまり値切らないことにした。

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ムンバイの人々も特に自制している感じはないのだけれども、レストランは午後4時には閉まることだけは徹底している。ただ、ホテルの宿泊者にはレストランを開放しているので、友人らと旅行にいくノリで宿泊する現地客が多い。ホテルの経営的にはありがたいのだろう。

ムンバイで対面ミーティングを5つして、そのままアフメダバドへ。リニューアルされたムンバイの空港がとてもよく設計されていた。ちゃんとした建築家がつくったのだろうと思う。(いま調べたらザハ作だった。やっぱり)

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アフメダバドではAnanyaの従業員と社外取締役の人々とミーティング。久しぶりに対面で話ができるのはやっぱり素晴らしいことだ。

二日目は、五常のエンジニアチームらとミーティング。入社以来、はじめて顔を見た。ビデオコールだと顔は分かるのだけど、その人のサイズ感がなかなか分からない。

サイズ感はその人のコミュニケーションのスタイルに相応の影響を与える。例えば、すごく言葉遣いが荒く、対立を辞さないようなコミュニケーションを取る人がいるとして、その人の背が高いか低いかは、相手に与える印象を大きく変える。

インドにいる期間は日本の午前中に日本とのアポを入れているので、だいたい朝のスタートは現地時間の6時半とかになる。そして、夜が終わると22時。慌ただしい。朝に45分だけ空き時間があったので、アフメダバドに行く度にお参りしているガンディー・アーシュラムに来ることができた。

アフメダバドを夜21時に出て、デリーに22時半着。日本時間にすると2時。眠い。そのまま空港近くにあるデリーの常宿に移動。すぐに眠る。

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そして、翌日は久しぶりにSanjayとPraachiに会う。変わらずに元気そうで良かった。末っ子も無事に大学入学試験が終わり(とても成績が良かった模様)、家族的にはとても良い時期だと思う。リバプールから持ってきたビートルズお土産を渡す。お土産にこんな長旅をさせたのは初めてだ。

その日のうちに現地企業たちともミーティング。相変わらずオフィスは活気がある。この状況にも関わらずきちんとトップラインを伸ばし続けている。この日は長めに話して、夜は仕事の会食を22時までして、そのまま睡眠。

翌日は、近くに住んでいるデータ周りのエンジニアたちとのミーティング。これでようやく、五常で働いているフルタイムメンバー全員と対面で会うことができた。うれしい。

土曜日は早朝に起きてデリーからラダックへ。来たのは2年ぶり。現地で学業支援をしている子どもたちとその家族に会う。あと、現地の女性連盟の人たち、支援している学校の校長先生ともミーティング。皆変わらずに元気そうだった。

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とはいえ、やはりラダック経済へのパンデミックの影響は深刻だった。現地の一番の収入源は観光、特にトレッキングなのだけれども、お金払いのいい外国人がほとんどやってこないために状況はなかなか厳しい。インド人観光客は大量にやってくるものの、外国人観光客とはお金の使い方が違うので、経済が完全に戻ってはいない。

なので、いくつかの家族の状況はとても深刻で、日雇労働の仕事が半年くらい無くなった家族もあった。そういう家族は農業を再開させて食いつないではいたのだけれども、それでもインパクトは深刻だった。

そんななか、州政府の命令で学校は閉鎖され、子どもたちは皆オンラインで授業をするようになった。そもそもスマホを持っていない家庭も多いなか、スマホを買い、データ通信量を払うことの負担は大きい。インドの通信量は安いとはいえ、それでも資金的なインパクトは小さくない。

それに加えて、そもそもラダックの一部の地域では電波が通じない(なお、僕みたいな外国人用のSIMはそもそもラダック全域で電波が通じない)。校長先生に聞いても、この期間のオンライン授業は極めて大変だったようだ。

低学年の子どもたちにはそもそも一定時間机の前に座って勉強をするという習慣がついていない。それをつけるのが学校教育の重要な役割の一つで、それはオンラインではなかなかできない。

ただこの校長先生はとてもクリエイティブだった。まず、少しでも規律を思い出してもらうために、生徒には制服を着て授業に参加するようにした。それで多少は改善がしたらしい。それでも十分ではなかったので、子どもたちの家族の了承を得て、学生数を減らした出張授業@地域の公民館を毎週一度以上し続けた。

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パンデミックの子どもたちへのダメージは極めて大きい。一部の推計によると、その長期的な影響は800兆ドルともいわれている。子どもたちは学校を一年半休まないといけなかっただけではない。家庭内教育に十分なリソースを割けられなかった子どもは、その後の在学期間においても学校の勉強についていくのに苦労するようになる。格差はさらに開く。

だからこそ、この期間にもなんとか学業を続けさせてきたこの校長先生の取り組みは素晴らしいと思う。

(このnoteの売上の一部は、ここの子どもたちの学費に充てられています。有難うございます。)


ところで、今回はラダックでまあまあ厳しい高山病になった。理由は明確で、マスクのせいだ。ただでさえ空気が薄いラダック(谷にある空港の標高3500メートル)でマスクをしたら酸素は薄くなる。たかが頭痛だけど、よく眠れなかった。

そして、月曜日現地時間8時現在、帰りのラダックの空港でこのnoteを書いているのだけど(デリーに着き次第アップロードする)、飛行機が遅れているようだ。無事に着きますように。

木曜からは、本来であれば直行便で2.5時間で着くはずのタジキスタンへ、3回トランジットして27時間かけていくことになる。無事にたどり着けますように。

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(無事にデリー到着)

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