Loan Frame社への資本参加とこれから

遅ればせながら、Loan Frame(LF)が五常の仲間になった。今回の出資で約三分の一の持分を取得し、その次の増資で五常が過半数株主となる予定。

五常・アンド・カンパニー、インドFintech企業のLoan Frame社へ総額約11億円を出資へ | Gojo & Company, Inc.gojo.co

 

今回の取り組みでは一石三鳥の効果を目指している。

サプライチェーン・ファイナンスの可能性

運転資本見合いのサプライチェーン・ファイナンスは、テクノロジーを用いた融資事業の一丁目一番地にある。アント・フィナンシャルもここから融資を始めていった。

必要資料をデータでもらったら、そのデータ読み込み、信用情報機関等の外部機関データとの突き合わせ、その他チェックを自動で行い、審査書類が完成する。そして、人間が少しチェックをして審査が終わる。自社でバランスシートを持つこともないので、調達サイドの制約から比較的自由に規模を拡大することができる。

彼らが事業をしている領域は、サプライチェーン・ファイナンスの中では競争がまだ少なく、今から資本増強&全力ダッシュすれば、この領域のトッププレイヤーになることができる。

マイクロクレジットへの転用可能性

これを典型的な地方部のマイクロクレジットの顧客に対して提供しようとしても、現時点で多くの顧客の経済活動がアナログなので、まだ時期尚早(都市部なら今でもある程度まではできるかもしれないけど)。

ただし、多くの国においてスマホシフトはこれから5年でやってくる。地方都市であっても、40代以下の人たちはスマホを使うことになるだろう。ベストなタイミングを見計らって、マイクロクレジットにおいても審査プロセスの自動化およびオフバラ化を進めていきたい。

インドでのテックチーム構築

LF社のテックチームは極めて優秀で、金融事業のアーキテクチャ構築についての知見が極めて高い。なんでこんなに人材豊富なんだろうと思っていたら、30年の蓄積があるのだった。モルスタもそうだったけど、世界中の英語圏金融機関のシステムはインドにいるITチームによって作られてきた。「きちんと動く金融の仕組み」を作るインド人材層は世界で最も厚い。

前にも書いたように、僕たちは最初の5年で「新規設立・資本参加を通じて、色んな国でマイクロファイナンスの事業を行い、意味のある経営関与ができる」という仮説をある程度証明することができた。そして、次の5年で達成しないといけないことはテクノロジーを用いたマイクロファイナンスの革新だ。

、、、とは言ったものの、直面していたのはビジネス寄りの人たちが多い五常にどうやって最高のテック人材を揃えるか、という問題。自分たちに目利き能力があるわけではないし、ビジネス寄りの人たちが多い会社に飛び込もうと思ってくれるテック人材も少なさそうだ。

そんな僕たちのテックチーム構築@インドはLFチームと一緒に行ことになった。LFチームの皆は気持ちのいいテック系の人々であり、金融包摂についての思いや価値観も近いので、すでに採用活動もいい感じに進んでいる。チーム構築は来年の前半までに目処が立つ予定。

 

世界50カ国1億人に金融サービスを届けるために、今後も仲間たちとやるべきことを淡々とやっていきたい。

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