- 運営しているクリエイター
記事一覧
衰退が確定した国におけるプランB
経産省の「未来人材ビジョン」はとてもよく書けていて、日本の現状を突きつけるものだった。
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531001/20220531001-1.pdf
残念だけど、日本はすでに詰んでいて、今後も停滞が続くと個人的には思っている。僕がその見識を信頼する人たちも、大声では言わないけれども同じような意見だ。
なぜ詰んだといえるの
科学的社会主義という言語矛盾
先週、三島由紀夫と全共闘の討論会についての映画を見た。学生たちが使っている言葉がどことなく懐かしかった。僕は2000年に大学生になったにもかかわらずマルクスの主要著作は大抵読んだ。資本論については読書ノートが300ページにもなった。時間のある大学生だったからこそ出来たことだなと思う。あの頃が懐かしい。
そして、久しぶりに覗いたソーシャルメディアで日本共産党が話題になっていたので、この党の綱領と規
勝ち組の驕りがもたらすもの
メリトクラシーとは、身分や人種などではなく、本人の能力によってその人の社会的地位が決まるべきという考え方だ。たいていの先進国では、この考えが社会のあり方についての基本思想になっている。
「能力がある人にこそ重要な役割を担ってもらう、なんて当たり前じゃないか」という人も多いだろう。確かに、社会全体のパフォーマンスを最適化するためには、すべての人が身分社会の軛から外れて、能力を最大限に発揮できるポジ
オフィス再閉鎖の指標
(改定:2020年7月23日午前11時41分)
政府が明確な数値基準を示さないなか、オフィスをいつ再閉鎖するかを考えないといけない人は多いと思う。個人的には、下記のように定めるのが一番合理的ではないかと思っている。
(色々と計算を作り込もうとかとも思ったのだけど、素人がそういうことをするとロクなことにならないので、シンプルにまとめた)
基準トリガー1
現在の入院者 ✕ 週次の患者増加率^2 >
「これからの働き方」議論のズレた感じ
弊社の人たちは世界どこでも働ける知的産業従事者だ。遠隔地とのミーティングは創業以来ずっと続いてきた。だから、社内でこれからの働き方の議論をするときには、オフィスを本当に持ち続けるのか、というところから始めた。
だけど、もし僕が「これからの私たちの働き方」を問われたら、いまネットを賑わせているようなリモートワークとか地方移住とかの話は絶対にしない。それはごく一部の、すでに十分にやっていける人たちの
虐待親こそ支援を必要としている
(すでに僕はLIP理事長を退任しており、このプロジェクトを推進しているのも中里代表をはじめとしたチームのメンバーたちです)
Living in Peaceの活動を通じて、僕たちは親の虐待や貧困などが理由で親と離れて暮らしている子どもたちと会うようになった。そして、さらに活動を続けるうちに、その子どもたちの親御さんに会う機会も増えてきた。自分より年上の人もいるけど、結構な数の人は僕と同年代もしくは
田端・藤田・竹山さんの討論番組に寄せて
田端さんと藤田さんと竹山さんの討論番組にコメントしたらいっぱい返事が来たのだけど、僕なりにこのテーマについて考えていることを書いておきたい。
議論の全体像はこんな感じになれば良かったと思う。というか、これをフリップチャートにしておけば議論のレイヤーがずれずに良かったんじゃないかな。
現状認識
まず、カンニングの竹山さんについては、そもそもの現状認識がずれていたのかもしれない。彼はたまたま努力で
スルガ銀行の第三者委員会調査報告書の雑感
報告書が出ていたことも気がついていなかったのだけど、同僚から「これは読んでおくべき」といわれて、件の報告書を読んだ。金融セクターで働いていない人だったら、要約版だけで充分かもしれない。
第三者委員会の報告書の構造
会社で不正があったときに第三者委員会に報告書を書いてもらうのは、会社のリスク管理としての常套手段だ。会社ぐるみでの不正が疑われている場合には、会社からの報告がほぼ信用ならないと考えられ
民主主義と自由権はそろそろ終わるかもしれない
個人的には嫌だけど、民主主義と自由権はそろそろ終わるかもな、と最近思っている。三つくらい理由がある。
1. 自由権や民主主義を重視しない中国型支援の拡大
これは先週のEconomistのBriefingにも書かれていたのだけど、世界中の財政が苦しい国がものすごい勢いで中国の半属国になっている。基本ツールは投融資(主に融資)。人権や民主主義を尊重しないとさっと資金を引き上げる欧米諸国ドナーと違い、
Change.orgの児童虐待対策キャンペーンについて
慎泰俊です。駒崎弘樹さんが発起人になって始まったキャンペーンに僕も共同発起人になっているのだけど(すでにLIP理事長は退任しているので個人としてだけど)、その内容が途中から改変されていたことについて。
僕がそのことを知ったのは3日くらい前に発起人の駒崎さん/フローレンスからメールを貰ってから。それまでは知らなかった。
内容が大きくても小さくても、これは署名運動のプロセスの妥当性を根幹から壊して
国民性と多様性と競争力
最近4カ国に深く関わるようになって思うのだけど、どんな社会や国にも暗い部分やいびつな部分はあって、そしてそれはだいたい良い点や長所の裏返しになっている。これこそ「国民性」というやつで、個人における性格と似たように変えようがない。日本のそれはずっと見てきたけど、今はカンボジア、ミャンマー、スリランカでもそういうのが結構見えてきた。
国民性における長所が活きて発展する時代もあれば、短所が理由で極端に
社会的養護の課題の全体像(2017)のスライド資料をダウンロード可能にしました
Living in Peace理事長最後の仕事の一環として(今後も活動は続けます、念のため)社会的養護の全体像が分かる資料2017年版をつくりました。PDFファイルはここからダウンロード可能です。商用利用(商用利用しようがない気もするけど)だけはご遠慮ください。