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海外MBAは誰が何を得るためのものでしょうか?

こういう記事を見ました。

日本が出稼ぎ先として魅力的でなくなってきている、という内容ですが、最近めがねシャチョウも似たことを思うことがあって、米国、欧州、は日本人が勉強しにいくところではなくなってきている、ということです。

めがねシャチョウも米国西海岸のスタンフォード大学のMBAプログラムに2009年~2011年に留学してまして、その経験から、これまでもう数えきれないくらい聞かれたのが、MBA行ってどうでしたか、ということです。

MBAとは補足すると、Master of Business Administration、日本語に翻訳すると経営学修士、になるのですが、いわゆるビジネス系の大学院ですね。

はっきり言うと、今私がMBA行くかどうか、と聞かれると、まず行かないし、検討している人も行かないほうがいいです。これは究極の浪費です。


MBA悩んでいる人や、将来考えている人は必ず最後まで読み進めてください。

将来的に、MBA行くべきかどうかはっきり分かるし、海外のMBAであれば下手したら生活費を含めると、2000, 3000万円かかりますから、その投資を無駄にしなくてすむかもしれません。


(1) MBAの勉強は実世界では役に立たない。

ちなみにめがねシャチョウは2011年にOh My Glasses TOKYO、というメガネ屋を起業しているのですが、起業にMBAの勉強は役に立っていますか?、という質問もよくされます。


ストレートに言うと、起業やビジネスにあまり役に立ちません。

むしろ、起業に限っていうと、マイナスにすらなってしまいます。
リーダーシップ論、組織論、とか色々勉強はするのですが、結局、日本と米国の文化は全く違うし、そのまま適用できません。

コミュニケーションの授業もありましたけど、そもそもアメリカと日本でコミュニケーションスタイル全く違うんですよね。スタンフォードの授業で学んだことがあって、感情をまっすぐ伝えなさい、みたいなこと言われても、日本でそれ言っちゃうと嫌な奴になってしまうんですよね。


まだまし、というか役に立つものは、いわゆるふわっとしたものではなく、会計とかファイナンスとか、交渉術とか、具体的なスキルですね、MBAの仲間の中では、ハードスキルというのですが、こちらはある程度は役に立ちます。


ただ、これも結局、会計学だと、アメリカと日本だと若干違うし、わざわざ高いお金を払って、勉強するものでもなくて、勉強するだけなら、簿記2級とか、グロービスとかでその学びたい科目だけ受講すればお金も時間も浪費しませんよね。わざわざ会社を辞めてまで、学ぶ必要はない、ということです。

学費と生活費あわせてじゃあ2000,3000万円くらい2年間でかかるとしても、実際にはその間に稼いだお金も稼げなくなるし、キャリアもストップします。なので、実際の費用は見えないコストも入れるとそれ以上かかっている、ということです。

すごい現実的なこと言いますけど、学びたいのは、会計とか具体的なスキルなのに、そもそも苦手な母国語じゃない言語で、学ぶことの非効率さ分かりませんか?常識的に考えて第2外国語で新しい知識を習得しようということがどれだけ非効率かわかりますよね?

だって、英語も片言でままならない状態ですよ、と、さらに会計も学んだことないですよ、と。そんな人が、英語で会計を勉強するって、どう考えても変ですよ。

だから、学生の子とかが、将来、こういうスキルを身に着けたいからMBA行きたいんです、と目を輝かせながら言っているのを聞くと、なんともいえない気持ちになってしまうのです。

いやあ、ほんとに申し訳ないけど、そういう目的なら本当にお金の浪費なのでやめましょう。

(2) それでも行く意味あるのか?

それでも行く価値があるのか、というと、行く価値はやっぱりなくてですね。でも、そういうと、幻滅されても困るのでいくつかメリットは話します。


まず一つ目としてあるのが、トップスクールに行くと、自信がつきます。まあ英語の慣れない環境で卒業を成し遂げた、という達成感からの自信もあるし、あとは、トップスクールだと、身の回りの人が、大きく成功していくのを目の当たりにできるので、自分でもできるはずだ、という前向きな自信に変わることがあります。

かくいう、めがねシャチョウも、身近な卒業生が数百億円を手にしていたりとか、そういう成功例を多数、見聞きすることができるので、確かに、そういう話を聞くことが起業の後押しになったのは事実ですね。

2つ目は、一部の高給の職種がMBAを優遇してくれます。
例えば、外資系の証券会社や外資系のコンサルティングファーム、外資系企業全般です。こういう会社は、比較的、給料もいいですし、幹部候補としてMBAの卒業生を採用してくれます。

例えば、あなたが大企業のサラリーマンをしていて、なんか閉塞感というか、サラリーマンを続けたいけど、もっとキャリアアップしていきたい、としたら、じゃあ同じ分野で外資系企業に転職してみよう、とか、MBAを経るとやりやすいし、MBAホルダーであれば転職した後も昇進しやすかったりします。

これらの職種は、実際、実力としては大して変わっていなくても、トップスクールのMBAを持っている、というだけでポテンシャル採用をしてくれますし、下手したら200万円ぐらい、年収を多めにだしてくれることもあるでしょう。

やはり英語を使う仕事ですよね。英語で契約書まとめたり業務提携したり、とかはなかなかみんなできません。海外法人の立ち上げ、とかそういう仕事だったらMBAはいいとは思います。

なので、常に、給料が高い、というと言い過ぎかもしれませんが、MBAがはまる職種は非常に限定的、ということですね。

だから、自分の周りでMBAもっていない経営者の方なんかが、なんかMBAすごいよね、って頻繁に言っているのを聞くと、実際はわかってないなあ、と実は思っています。

ここに期待値と現実のギャップが生まれます。すごい、という期待値で給与も頑張って出しちゃうもんなので、入ってからつらくなると思います。あれ、意外と仕事できないやん、となる確率が高いです。

(3) 結論、MBAは究極の夏休みだ!

先ほど話したようにメリットはあるにはあるんですが、近年、海外MBAの価値が大きく棄損しています。理由としては、グロービスのような安価なMBAプログラムも出てきており、MBA自体がコモディティになりはじめていること、また、そもそも、一部MBAにいっていた優秀層がMBAに行かなくなり、かわりに起業している、現実がある、ということです。ですので、優秀な人が減っているのでは?、と雇用者側も思っており、MBAへのイメージ自体も棄損しています。


よくMBA入学前後での昇進、昇給の差から、学費の回収期間を計算している例がありますが、そもそも2年間の間に実務をしていても、力はつきますからね。

MBAだからといって、評価してくれてさらに多めのお給料をくれる会社もごく少数なので、学費の回収も年々難しくなってきています。

じゃあ、MBAって何なんだろう、と結論づけると、まあ究極のご褒美というか夏休みでしょうね。

何年か一生懸命働いてきたご褒美というか。

夏休みなのに、休みが終わると、自分の市場価値が普通なら下がってもおかしくないところ、逆に、市場価値があがるような最高かつ超高級な夏休みなんじゃないでしょうか。

で、補足すると、私が通っていたスタンフォード大学のビジネススクールですが、2年間のプログラムなんですが、1年間をやり切ると、中退しても、卒業生会、卒業生ネットワークにはいれるんで中退する人も一定数います。

今日は、海外MBAのぜひについてお話しさせていただきました。

以上、めがねシャチョウでした。


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